Housing Starts Surge To Second Highest Level Since 2007.
米6月住宅着工件数は年率117.4万件となり、市場予想の112.5万件を超えた。前月の106.9万件(103.6万件から上方修正)を9.8%も上回り、前月の減少分をほぼ相殺。リセッション入り直前に当たる2007年11月の高水準に近づいた、4月の119.0万件に次ぐ高水準となる。
内訳をみると、複合住宅がけん引し29.4%増の48.9万件を記録。前月の減少を打ち消しただけでなく、1988年以来の水準へ拡大している。反対に、一戸建ては前月比0.9%減の68.5万件。2ヵ月連続で減少した。前年比での住宅着工件数は26.6%増と、前月の8.4%増から加速し、3ヵ月連続で増加。一戸建てが14.7%増と3ヵ月連続で増加したほか、複合住宅にいたっては48.2%増と4ヵ月連続でプラスを示している。
4大地域別では、2地域で増加。5月は全地域で減少していた。複合住宅のシェアが高い北東部が35.5%増の20.6万件と前月の21.2%減を打ち消し、全体に寄与。最も住宅市場の規模が大きい南部も13.5%増の57.1万件と、前月か増加に反転している。一方で、西部は6.0%減の25.2万件。中西部は0.7%減の14.5万件と、そろって2ヵ月連続で減少した。
NY市、コンドの建設ラッシュで昼間は騒がしいこと限りなし。
(出所:dobroschools)
米6月建設許可件数は134.3万件となり、市場予想の117.8万件を大きく上抜けた。前月の125.0万件(127.5万件から下方修正)を11.8%上回り、2007年1月以来の高水準を記録している。
内訳をみると、複合住宅が前月比15.3%増の65.6万件と3ヵ月連続で増加し1990年以来の高水準を記録した。一戸建ても0.9%増の68.7万件で、4ヵ月連続で増加している。建設許可件数の前年比は30.0%増と、7ヵ月続けてプラス。一戸建てが6.0%増だったほか、複合住宅にいたっては70.4%増だった。
米6月建設中件数は前月比0.9%増の88.4万件となった。増加トレンドを維持するなか、件数ベースでは少なくとも2009年以来の高水準を達成。一戸建てが0.3%増の37.2万件と4ヵ月連続で増加したほか、賃貸需要を背景に複合住宅は1.4%増の51.2万件と10ヵ月連続で増えた。
JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果を受け「複合住宅がドライバーである点は気掛かり」と指摘。買い手が複合住宅へシフトしている可能性は否めないながら「非常に変動が大きく、全体的な住宅市場のトレンドを反映しているとは言い難い」という。
——米7月NAHB住宅市場指数が好調だったように、米6月住宅着工件数は目覚ましい増加を遂げました。ただ複合住宅が押し上げただけでなく地域別では北東部に集中していたこともあり、ハイペースを維持できるかは疑問が残ります。金利上昇を背景にMBA住宅ローン申請件数指数が上げ渋っている点も、劉いしておきたいところ。今回の結果では、住宅着工件数の約51.4万件が販売向けとされるなか、米6月新築住宅販売件数でどれだけ吸収されたかも、確認する必要があります。
(カバー写真:chaim zvi/Flickr)
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