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22日の決算レビュー:アメックス、クアルコム、サンディスク

by • July 22, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off4098

Earnings Roundup : Amex, Qualcomm, Sandisk.

22日引け後に発表された決算を振り返ります。

▽アメリカン・エクスプレス、米国は堅調も海外がドル高で不振

クレジットカード大手が発表した4−6月(第2四半期)決算で、普通株主帰属の純利益は前年同期比4.9%減の 14億4200万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は1.42ドルと、市場予想の1.32ドルより強い。収入は4.0%減の82億8400万ドルと、市場予想の83億9000万ドルに届かなかった。ドル高が海外部門を圧迫してり、為替変動や提携費用などを除く場合は5%増に転じる。

米国カード部門の純利益は、前年同期比15%増の8億8600万ドル。収入は6%増の47億2600万ドルとなり、支出拡大と金利収入の増加に押し上げられた。カード支出額は5%増の1816億ドルとなる。引当金は4%減の3億2700万ドル。評価損が縮小しており、貸倒準備金の放出は前年同期比で減少した分を相殺した。費用は4%増の30億ドルで、利用者向け特典が負担となった。

海外部門の純利益は、前年同期比62%増の1億2500万ドル。収入は10%減の12億5800万ドルで、為替変動を除くベースでは5%減となりドル高の逆風に喘いだ格好だ。カード支出額も5%減の804億ドルとなり、ドル高の影響が及んでいる。費用は16%減の10億ドルで、前年同期は再編費用が拡大していた。米国と海外を合わせたカード総支出額は3%増の2456億ドルで、為替変動調整済みで7%増となる。

グローバル・コマーシャル・サービシズ部門(法人決済)は前年同期比64%減の2億300万ドル。収入は31%減の8億8100万ドルだった。グローバル・ネットワーク/マーチャント・サービス部門(決済ネットワーク部門)は20%増の4億4800万ドルで、収入は4%減の13億9600万ドル。為替変動調整済みの収入は2%増だった。

1−3月期決算では1株当たり利益が前年比ほぼ横ばい、収入につき前年比横ばいあるいは小幅減としていたが、今回は特に明らかにしていない。時間外取引で、株価は1.8%下落した。

▽クアルコム、見通しは予想以下—戦略立て直しを発表

半導体メーカーが発表した4−6月(第3四半期)決算では、純利益が前年同期比47%減の11億8000万ドルだった。中国に続き欧州など反トラスト法違反の調査を正式に開始するなか一時的項目および株式報酬を除く1株当たり利益は0.99ドルと、市場予想の0.95ドルより強い。売上高は14.3%減の58億3200万ドルとなり、市場予想の57億7000万ドルを上回った。携帯電話向けMSMチップ出荷数は横ばいの2億2500万個、デバイス総売上高は4%増の604億ドルとなる。

7−9月期は1株当たり利益につき0.75〜0.95ドルを見込み、市場予想の1.07ドル以下にとどまる。売上高は47億〜57億ドルと掲げ、こちらも市場予想の61億ドルを下回った。

2015年度(2015年9月末終了)の1株当たり利益は、4.50〜4.70ドル。売上高は245億〜255億ドルを見込む。

株価は戻り歩調にありますが・・。
qcom
(出所:Stockcharts)

決算に合わせ、戦略立て直し計画を発表した。従業員約3万1300万人のうち15%、少なくとも4500人を削減する。パートタイムが大半を占める見通しだ。再編費用として、3億5000万〜4億5000万ドルを充てるという。人員削減で11億ドルの費用を削減させる他、従業員向け株式報酬制度を3億ドル削減させる計画も打ち出した。2016年度末の完了をメドに、14億ドルを節減していく。また、ジャナ・パートナーズの求めに応じ分社化の可能性も点灯させた。時間外取引で戦略立て直し計画を背景に株価は上昇する場面をみせたが、見通しを嫌気し1.4%安に転じた。

7−9月期につき、売上高は54億〜62億ドルを見込みアナリスト予想平均の64億8000万ドルに遠く及ばず。同社は1月時点で、サムスンのスマートフォン”ギャラクシー S6”の受注を逃したことを示唆していた。1株当たり利益見通しは0.85〜1.00ドルで、市場予想の1.13ドルを下回った。

2015年度(2015年9月末終了)の売上高は250億〜270億ドルとし、従来予想の263億〜280億ドルから下方修正。2005年の3G/4Gデバイス出荷数は15.2〜16億個とし、従来の15億〜16億個から下限を引き上げた。

▽サンディスク、利益が市場予想の2倍を達成

フラッシュメモリーカード製造大手が発表した4—6月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比70.4%減の8090万ドルだった。再編費用など調整済み1株当たり利益は0.66ドルとなり、市場予想の0.33ドルより強い 。売上高は24.3%減の12億3700万ドルながら、市場予想の12億ドルを上回った。

商品別での売上のシェアを前年比でみると、クライアントSSDソリューションズ(21%→10%)が大きく低下。その他はリムーバブル(40%→44)、エンタープライズ・ソリューションズ(8%→14%)、エンベディッド(19%→20%)と上昇した。セグメントでは個人向けが39%と、前年同期の33%から上昇。反対に企業向けは61%となり、前年同期の67%を下回った。時間外取引で、株価は13.1%上昇した。

(カバー写真:Pedro Vera/Flickr)

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