New Car Sales Got Its Momentum Back In July.
米7月新車販売台数は、ゼネラル・モーターズ（GM）をはじめビッグ3が市場予想を上回った。日系メーカーも御三家そろって、アナリスト予想平均を超えている。5月に届かなかったとはいえ、6月から加速。夏本番が到来するなか引き続きトラック、スポーツ多目的車（SUV）が売上に寄与した。ガソリン価格が7月に2.834ドルから2.745ドルへ軟化し、6月の2.780〜2.835ドル台から上げ渋ったことも支えになったようだ。
オートデータが発表した米7月新車販売台数は、前年同月比5.3％増の151万1261台だった。6月の水準を軽々と抜き去り、バケーション休暇を控えるせいか需要が再燃した格好だ。もっとも。ドライブ・シーズン入りを祝うかのような5月の163万4952台には届いていない。年率では1755万台と、市場予想の1720万台および6月の1716万台をあっさり上回っている。2005年7月以来の高水準を加速した5月には、及ばなかった。
ケリー・ブルー・ブックによると、7月の平均販売価格は前年同月比2.6％上昇の3万3453ドル（約410万円）だった。前月比では、ほぼ横ばいとなる。
メーカー別の6月平均価格、前月比ではGMとトヨタを除き全て上昇。
（出所：Kelley Blue Book）
前年比で価格が上昇した一因として、引き続きSUVやトラックや輸入車など高価格帯の好調な売れ行きが挙げられる。エドマンズ・ドットコムの調査では、特に2014年までの10年間でトラックの値上がりが著しく41％を遂げ、SUVの9％を大幅に上回っていた。
気になる自動車ローン期間は1−3月期で組まれたもので平均67ヵ月（約5年半）となり、標準とされる36ヵ月（3年）から大きくかけ離れた。高額な大型車および輸入車の人気を反映しローン規模も過去最高に達するなど、あらためて自動車ローンへの健全性に疑問を投げかけている。
年間ではガソリン価格の下落とペントアップ・ディマンドを受け絶好調だった2014年に続き、2015年も快進撃を維持するとの見方が優勢。2015年の新車販売台数につき、自動車ディーラー最大手オートネーションのほか自動車価格情報サイトのトゥルーカーも「1700万台」を予想する。8年ぶりの高水準に並んだ2014年の販売台数を超える見通しだ。
以下、ビッグ3をはじめメーカー別動向。
GMは前年同月比6.4％増の27万2512台となり、市場予想の0.6％増を大幅に上回った。6月の減少から、プラスに反転。小売と合わせ、2007年以来で最大を記録した。4大ブランド別では、3ブランドが増加し6月の1ブランドから好転している。高級車ビュイックが17.6％増の2万791台と、クロスオーバーの人気に支えられ前月分の減少を相殺。シボレーも7.8％増の18万8790台と、増加に転じた。小売部門は2006年以来で最高を叩き出し、前月に続き「シルバラード」が34％増と力強い。クロスオーバーは、単月で過去最高を記録した。トラックやSUVを抱えるGMCは1.4％増の4万8777台となり、ピックアップ・トラックが寄与。一方、高級ブランドのキャデラックは7.1％減の1万4154台と3ヵ月連続で減少した。
フォードは4.9％増の22万2731台となり、市場予想の1.8％増から加速した。2006年以来で最高に達している。2大ブランド別では、そろって増加。フォードが4.3％増の21万3195台と、2ヵ月連続で増加した。アルミ製ボディの新型トラック「Fシリーズ」が4.8％増の6万6288台と6ヵ月ぶりに増加したほか、SUVの「エクスプローラー」が27.2％増の2万1361台と前月に続き2桁増で寄与。小型車「フュージョン」は4.9％増の2万5105台となり、単月で過去最高を達成した。「マスタング」も29.2％増の8482台となり、2008年以来の高水準を示す。リンカーンは21.3％増の9536台となり、4ヵ月連続で増加。10年ぶりの高水準を打ち立てた。
フィアット・クライスラー・オートモビルは6.2％増の17万8027台となり、市場予想の4.8％増を軽々と抜き去った。前年比プラスは64ヵ月連続、単月ベースでは2005年以来で最高を達成している。5大ブランド別では、6ヵ月連続で3ブランドが前年比プラスに。クライスラーが10％増の2万5722台と、単月では2007年以来の高水準となる。ジープは25％増の7万1529台と、5ヵ月連続で単月ベースにて史上最高を更新した。ラムは1％増の3万8157台となり、単月では2006年以来で最高を達成。一方で、ドッジは13％減の3万7649台だった。フィアットも15％減の3235台と、それぞれ6ヵ月連続でマイナスを示した。
日本車では、トヨタが0.6％増の21万7181台で市場予想の0.1％減を上回った。ブランド別では、トヨタが0.6％減の18万7365台。特に「ハイランダー」が12％増と支え、「カムリ」などセダンの減少を抑えている。レクサスは9.1％増の2万9816台となり、2桁増を3ヵ月連続で止めたものの好調を維持。特にSUVが24％増を示し、売上増加の起爆剤となった。
日産は7.8％増の13万872台となり、市場予想の5.3％増を超えた。ブランド別では日産が6.7％増の12万439台で、6月に続き単月で過去最高を遂げている。SUV・トラック部門の「ローグ」が単月で最高だったほか、「ムラノ」も17.7％増と貢献。インフィニティは22.2％増の1万433台で、前月に続き2桁増を記録した。
ホンダは7.7％増の14万6324台となり、市場予想の4.7％増を上抜けた。ブランド別では、ホンダが6.5％増の13万1409台となった。「CR-V」が11.4％増の3万1785台と前月に続き単月での最高をマークしたほか、「オデッセイ」を含むトラックも寄与している。アキュラは19.5％増の1万4915台で、4ヵ月連続で増加した。
その他の海外メーカーではアウディを除くVWが2.4％増の3万1300台と、3ヵ月連続で増加した。ヒュンダイは6.0％増の7万1013台と、2ヵ月連続で増加した。
高級車部門別ランキングは、以下の通り（％は全て前年比）。今回はレクサスが恐らく数年ぶりに頂点へ返り咲いたほか、GM傘下のビュイックが健闘するなど、順位にが変動している。
1位 レクサス
9.1％増の2万9816台、3位から躍進。1−7月期では13.6％増の18万8848台。2011年まで11年間連続で首位を飾っていた。
2位 メルセデス・ベンツ
1.0％増の2万9689台、1—2月、4—5月まで首位を維持していたものの、3月、6月、7月に続き2位に甘んじた。1−7月期では8.1％増の20万8193台で王座を死守。2013年は1位だったが、2014年ではBMWに1位を明け渡していた。
3位 BMW
2.1％増の2万6970台、3月、6月は2回目の首位を奪取したが今回は3位と後塵を拝した。1−7月期では6.4％増の19万5970台となり、メルセデス・ベンツを追撃する状況で変わらず。2014年では1位、2013年は2位だった。
4位 ビュイック（GM）
17.6％増の2万791台、前月の5位から浮上しアウディを追い落とした。1−7月期では3.1％減の12万7105台。
イメージ刷新を図り、女性や若者ウケを狙う。
（出所：GM）
5位 アウディ（VW）
20.8％増の1万7654台、前月こそ4位ヘアップしたもののビュイックに交わされた。1−7月期では12.4％増の11万1269台。
6位 アキュラ
19.5％増の1万4915台、前月と変わらず。1−7月期では12.8％増の10万2002台。
7位 キャデラック
22.2％増の1万433台、前月と変わらず。1−7月期では2.4％減の9万5053台。
8位 インフィニティ
22.2％増の1万433台、前月と同じく8位。1−7月期で10.1％増の7万4713台。
6月版：自動車メーカー別のシェアの1位はGMで2位はフォード、3位にトヨタで変わらず。
（出所：Good Car Bad Car）
7月版：新車販売台数、ブランド別ランキング（％は前年同月比）
1位 カムリ（トヨタ）3.6％減の3万8435台、前月も1位
2位 アコード（ホンダ）1.6％減の3万4496台、前月は5位
3位 アルティマ（日産）27.0％増の3万3842台、前月も3位
4位 シビック（ホンダ）3.7％増の3万1339台、前月も4位
5位 カローラ（トヨタ）1.9％減の3万249台、前月は2位
6位 フュージョン（フォード）4.9％増の2万5105台、前月は7位
7位 ソナタ（ヒュンダイ）5.9％増の2万3917台、前月は13位
8位 エラントラ（ヒュンダイ）0.4％減の2万2135台、前月は6位
9位 クルーズ（シボレー・GM）2.0％増の2万1339台、前月は8位
10位 セントラ（日産）5.3％増の1万8511台、前月は11位
7月SUV版：新車販売台数、ブランド別ランキング（％は前月比）
1位 CR−V（ホンダ）11.4％増の3万1785台、前月も1位
2位 エスケープ（フォード）10.1％増の2万9253台、前月は3位
3位 Rav 4（トヨタ）0.3％減の2万6709台、前月は2位
4位 ローグ（日産）50.9％増の2万5081台、前月も4位
5位 エクスプローラー（フォード）23.0％増の2万3381台、前月も5位
6位 エクィノックス（シボレー）14.7％減の2万1609台、前月も6位
7位 ジープ・ラングラー（フィアット・クライスラー）17.9％増の1万9320台、前月も7位
8位 ジープ・チェロキー（フィアット・クライスラー）12.6％増の1万6699台、前月も8位
9位 ジープ・グランドチェロキー（フィアット・クライスラー）4.6％増の1万5867台、前月も9位
10位 フォレスター（スバル）8.9％増の1万5811台、前月も10位
（カバー写真：Zomb Drive）
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