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グーグルの組織再編、アナリスト評価はそろって前向き

by • August 11, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off3302

Analysts Welcome Google’s Alphabet Structure.

グーグルは10日引け後、組織再編を発表しました。新会社でグーグルをはじめグループ会社の持ち株会社としてアルファベットの創立を発表。最高経営責任者(CEO)には共同創業者のラリー・ペイジ氏、社長には同じく共同創業者のセルゲイ・ブリン氏が就任します。会長の座には、エリック・シュミット氏が着任。気になるグーグルのCEOは、製品テクノロジーの頭脳として知られるスンダル・ピチャイ氏に白羽の矢が当たりました。アルファベットの最高財務責任者(CFO)は、モルガン・スタンレーから移籍したルース・ポラット氏が続投します。

アルファベットはネット検索や動画ストリーミング・サービス「ユーチューブ」をはじめとする中核の広告事業部門、生命科学ベンチャーのカリコや無人運転などベンチャー事業部門を分離して傘下に収めます。CNBCでは新会社の名前が「ベンチマーク以上のリターン(alpha)に賭ける(bet)」というネーミングが取り沙汰されていましたが、グーグルのオフィシャル・ブログにラリー・ペイジCEOが「G For Google」と題した投稿で「それこそ、我々が目指すものだ!」と明記していたので、お茶目にシャレを盛り込んだんですね。新会社設立でも、ティッカーはそれぞれGOOGL(A株)、GOOG(C株)で変更はありません。発行済み株式数、権利などもそのままです。

アルファベット傘下で、中核部門とベンチャー部門が収まります。
no logo ALPHABET
(出所:CNBC)

さて再編発表明け、11日にダウ平均が250ドルもの大幅安を示現するなかでグーグル株は4%近い躍進を遂げています。気になるアナリストの見解は、以下の通り。

・RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、マーク・マハニー氏
→中核部門とベンチャー部門を分離して決算詳細を発表することで、透明性とともに効率性が高まる。グーグルのCEOにスンダル・ピチャイ氏が就任した点も心強い。中核部門の利益率は2015年に51%と予想してきたが、40億—50億ドルと考えられるベンチャー部門の投資を除けば55−57%まで上昇する余地も期待できよう。投資判断は「買い」、目標株価を750ドルで据え置く。

・スタイフェル・ニコラウスのアナリスト、スコット・デビット氏
→アルファベット創設で「インターネットのバークシャー・ハサウェイ」が誕生した。中核部門の利益に透明性を与え、長期的投資でから生じる成長に光が当たっていくだろう。その名の通り、S&P500のパフォーマンスを長年にわたり超えていくのではないか。投資判断を従来の「保有」から「買い」へ、目標株価を850ドルへ引き上げる。

・JPモルガンのアナリスト、ダグ・アンマス氏
→新たな構造は投資家フレンドリーで、中核事業部門に透明性を与える。投資判断は「オーバーウェイト」、目標株価を800ドルで据え置き。リンクトイン、フェイスブックと合わせ、「投資アイデア」の御三家にアルファベットを維持する。

・ドイツ銀行のアナリスト、ロス・サンドラー氏
→株価は今後、一段の上昇が期待できると考えられる。目標株価を従来の780ドルから840ドルへ上方修正。投資判断は「買い」で据え置く。

・サントラストのアナリスト、ロバート・ペック氏
→組織再編は同社の透明性を高めるだけでなく、コスト抑制や投資・資金調達の能力を広げ、株主還元策の強化につながるだろう。アマゾンがクラウド・サービスの「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」を分けて決算発表する仕組みと類似する。当社は投資判断を「買い」で据え置き、株価が過小評価されていると見込む。

——以上、全般的にポジティブな見方がそろいました。アルファベットの創設で、グーグルが新たな成長ステージに立ったことは間違いないでしょう。

(カバー写真:@sage_solar/Flickr)

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