Airline Fare Pushes Down July CPI Growth.
米7月消費者物価指数(CPI)は前月比0.1%上昇し、市場予想の0.2%に届かなかった。2013年2月以来の伸びを示した5月の0.4%、6月の0.3%を下回りつつ、6ヵ月連続でプラスを示す。原油先物が2009年3月以来の水準へ下落する過程で、エネルギーが0.1%の上昇にとどまった。ガソリン価格も0.9%と前月の3.4%から大幅減速し、3ヵ月連続で上昇したなかで最も小幅な伸びに収まっている。エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン平均価格は1月26日時点で2.173ドルと2009年4月以来の水準まで下落した後、7月は一時2.745ドルへ下落。6月に一時2.835ドルと2014年11月の水準まで切り返したが、失速していた。一方で食品・飲料は0.2%上昇し、2ヵ月連続で上向いた。
CPIコアは前月比0.1%の上昇し、市場予想の0.2%を下回った。前月の0.2%以下にとどまり、2013年1月以来の高水準を示した4月の0.3%が遠のいている。シェアの大きい帰属家賃は前月の0.4%に続き、0.3%と堅調なペースを維持。家賃も0.3%と、11ヵ月連続で上昇。住宅も0.2%上昇し、2ヵ月連続で上向いた。サービスは0.2%上昇し、前月の0.3%に続きしっかり。服飾は0.3%上昇し、4ヵ月ぶりにプラス圏を確保した。医療費は0.1%上昇、前月からプラスに転じている。一方で、航空運賃が5.6%低下し3ヵ月ぶりにマイナスに突っ込み全体を押し下げた。新車は0.2%の低下、6ヵ月ぶりの落ち込みを示す。中古車も0.6%低下し3ヵ月連続で下振れした。教育は前月に0.2%上昇してから、今回は横ばいに反転。娯楽も横ばいに反転、上昇基調を4ヵ月で止めた。
CPIの前年比では0.2%上昇し、前月の0.1%から改善した。2009年4月以来で最大の落ち込みを記録した4月の0.2%の低下から、3ヵ月連続でプラス圏を維持している。CPIコアの前年比は、6月と変わらず1.8%の上昇。5月の1.7%を超え、2014年10月以来の高水準した3−4月の水準に並んだ。
前年比ベースでコアCPI(赤)は安定的、CPI(青)は回復基調をたどる。
(出所:BLS)
バークレイズのロブ・マーティン米エコノミストは、CPIの結果を受け「コアのサービスは全般的に上向き、米連邦公開市場委員会(FOMC)に安心感を与える内容とされコアPCEも支えられるだろう」と振り返る。その上で「商品先物の下落やドル高への懸念を払拭させる」と評価した。
——米7月生産者物価指数と合わせ、米7月CPIこそ市場予想を下回ったものの安定的な推移をキープしました。低調だった米7月輸入物価指数とは一線を画しています。しかも航空運賃という乱気流に見舞われコアCPIの伸びが抑えられたほか、新車の鈍化も新型モデル発表前の値下げ効果を反映した可能性を残す。インフレが底堅ければ、9月利上げも否定できません。
(カバー写真:Christian Junker – AHKGAP/Flickr)
Comments
MBA住宅ローン申請件数指数、金利低下を追い風に5週続伸 Next Post:
ターゲットとロウズは売上が市場予想超えも、ステープルスは低迷続く