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米新規失業保険申請件数は増加続く、米7月輸入物価は2ヵ月連続で低下

by • August 13, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1510

Jobless Claims Rise For Third Straight Week, Import Price Index Falls.

米新規失業保険申請件数は、8月8日週に27.4万件と市場予想の27.0万件を上回った。前週の26.9万件(27.0万件から修正)を超え、1973年11月24日週以来の低水準を示現した7月18日週から3週連続で増加している。米労働省は今回、特殊要因を挙げていない。4週平均は26万6250件と、前週の26万8000件から減少。5月16日週の26万6500件(修正値)を抜け、2000年4月以来の低水準を記録した。なお米7月チャレンジャー人員削減予定数は、約4年ぶりの高水準を記録した。

米新規失業保険申請件数、継続受給者数とそろって確実に減少。
jobless claims
(出所:DOL)

8月1日週までの継続受給者数は227.3万件と、前週の225.8万件から増加。2000年11月以来の低水準を迎えた6月20日週の220.4万人(修正値)が遠ざかった水準を保つ。被保険者に占める失業者の割合は3週連続で1.7%となり、1971年以来の最低となる1.6%を上回った。州別での新規失業保険申請動向をみると、増加が目立つ州はバージニア州で1094件増、アイオワ州で538件増、フロリダ州で340件増、ウィスコンシン州で257件増、インディアナ州で252件増だった。減少した州は前週に続きカリフォルニア州で3157件減、テネシー州で1451件減、ニューヨーク州も前週に続き1247件減、イリノイ州も1099件減と大都市を抱える州が優勢となっている。

BNPパリバのデレク・リンゼー米エコノミストは、結果を受けて「4週平均は2000年4月以来の低水準を記録しており、労働市場は改善トレンドをたどる」と振り返った。

▽米7月輸入物価指数、マイナス基調へ反転

米7月輸入物価指数は前月比0.9%低下し、市場予想の1.0%より下げ幅を縮めた。前月の±0%(0.1%の低下から上方修正)を下回り、マイナス基調へ戻している。5月は1.2%の上昇と、2014年6月以来のプラス圏を回復していた。前年比は10.4%の低下と前月の10.0%から下げ幅を広げ、2009年9月以来で最大の落ち込みを見せた3月の10.9%、4月の10.7%に近い低下幅を迎えた。

前月比での内訳をみると、原油先物の下落再燃を背景にエネルギーが5.9%低下し、前月の1.6%の上昇から反転。5ヵ月ぶりにマイナスに落ち込んでいる。石油を除いた場合はドル高を一因に0.3%低下しており、前月の0.2%から低下幅を広げた。産業財は3.1%も低下し、4ヵ月ぶりのマイナスへ沈んでいる。自動車・部品は0.2%低下し、前月の横ばいからマイナスへ反転。資本財は0.2%低下し、前月の0.1%と合わせ12ヵ月連続で落ち込みを示した。消費財も2ヵ月連続で±0%を経て、0.3%へ低下。食品・飲料は±0%と、前月の0.7%の低下から切り返した。

大和キャピタル・マーケッツのマイケル・モラン米主席エコノミストは、結果を受けて「消費財の低下は人民元の切り下げを背景に短期的に加速しかねない」と指摘した。

——米新規失業保険申請件数は引き続き好調を維持しており、米6月雇用動態調査と合わせ健全な環境を裏打ちしました。輸入物価は、ドル高や原油安も重なり下方リスクが加わり始めています。フィッシャー米連邦準備制度理事会(FRB)副議長は米7月雇用統計明けの10日に講演で低インフレに言及していましたが、9月利上げを見送る判断として材料視されるのでしょうか。

(カバー写真:COD Newsroom/Flickr)

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