S&P500 Breaks Below 52-Week Moving Average On Close.
米株は本日、7月8日以来で最大の下げを演じました。ついに重要なサポートを抜けてきています。
S&P500は、再び年初来リターンをマイナスに反転させました。
(出所:Stockcharts)
それだけでなく200日移動平均線、さらには「北野誠のFXやったるで!」で何度もお伝えした重要な節目、52週移動平均線をついに割り込んで引けました。ここは少なくとも約3年にわたって終値ベースで抜けていない鉄壁のサポートだったのですが・・。
52週移動平均線は、ナスダックでも同じような生命線を担います。ナスダックは本日の下落を受けて、月足では2012年10月以来で最悪のリターンとなるリスクが立ち込めてきました。
(出所:Stockcharts)
ダウ平均は52週移動平均線をあっさり抜け、一目均衡表・雲の下限が肉薄。2日間での下落幅は、3月24−25日以来で最大です。
(出所:Stockcharts)
ダウ平均で言えば、日足のチャートではすでに50日移動平均線を200日移動平均線が抜けるデッドクロスが形成されており、不穏なサインが点灯していました。本日で5月19日の高値から、約7%下落。ダウ輸送株が調整入りしてから、約3ヵ月遅れて同じ道筋をたどりつつあります。
7月28−29日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録がハト派寄りだったにも関わらず、なぜここまで下落しているのか。9月利上げに完全に蓋をしていなかったため、催促相場に入ったのかもしれません。もちろん、中国も見逃せない。足元で中国株がぐらつき始めたため、同国の景気減速に懸念が走ったのでしょう。売上に占める中国の割合が大きいヤム!ブランズが7.3%安で引けたほかアップルも2.1%安、ウィン・リゾーツも5.2%安と軒並み大幅安で引けたものです。12日に発生した天津での倉庫爆発事故もサプライチェーン障害を連想させ、悪材料として響きました。
アップルと言えば、ヘッジファンドの人気ナンバーワン銘柄から遂に転落してしまいました。ゴールドマン・サックスの集計によると、ボトックスで知られるアラガンに王座を譲り渡しています(詳細は、出所のZerohedgeをクリックしてから右上のXボタンをクリックして下さい)。
(出所:Zerohedge)
ウォルト・ディズニーも、戦犯と言える。サンフォード・C・バーンスティーンは、娯楽メディア大手の投資判断を従来の「アウトパフォーム」から「マーケットパフォーム」ヘ引き下げました。失望を誘う決算でバリュエーションが見直されたためです。18日のウェルズ・ファーゴに続き、投資判断の引き下げは今週2回目。ディズニーが火種となってメディア関連の業績懸念が火を吹きCBSは5.1%安、バイアムも6.3%安、タイム・ワーナーも5.0%安。ネットフリックスも売りを回避できず、7.8%も沈みました。
そのほか原油先物が19日に2009年3月以来の40ドルを割り込むなかで、エネルギー関連も指数を押し下げています。
正念場を迎える米株市場。S&P500は「3度目の正直」で52週移動平均線をクリアに抜けてくるのか、「2度あることは3度ある」で切り返してくるのか。夏の高校野球大会が終わっても、残暑が厳しいニューヨークでは手に汗握る状況が続きます。
(カバー写真:Reuters)
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