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米株、寄り付きの暴落から巻き返しでサーキット・ブレーカー稼働リスク後退

by • August 24, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off3730

Will U.S. Equity Market Avoid Circuit Breaker Triggers?

世界同時株安が火を吹き、米株も先物真っ青な暴落を演じました。ダウ平均は一時1089.42ドル安の15370.33ドルと、フラッシュ・クラッシュの衝撃を超える下げ幅を記録。2014年2月以来の安値を示現する有様です。S&P500は一時103.88p安の1867.01pへ沈み、約15ヵ月ぶりの安値に。ナスダックも一時413.90p安の4292.14pを示し、2014年10月以来の水準へ落ち込みました。それぞれ最高値から12.5%、10.1%ずつ急落。寄り付きの安値だけでみると、ダウと足並みをそろえ調整入りした格好です。

ラッセル2000は、一時47.50p安の1109.29p。ひと足早く5月末に調整入りしていたダウ輸送株は一時419.36p安の7452.70まで沈み2014年11月の最高値からざっと20%下落、弱気相場入りへひた走ります。

ただし、急速に巻き返しが入りダウ平均は一時300ドル安近くまで下げ幅を縮小。S&P500・Eミニも危険水域を試しましたが、ひとまず、サーキット・ブレーカーが稼働し取引停止となるリスクが遠ざかりました。米証券取引委員会(SEC)によると、サーキット・ブレーカーは米東部時間の午前3時25分までに7%安、13%安、20%安まで下がった場合に適用します。

S&P500に当てはめると、今回は以下のケースで15分間にわたって取引停止となります。

・レベル1 7%安=1832
・レベル2 13%安=1714

もう一段階下げると、その日の取引が停止。

・レベル3 20%安=1576

個別銘柄の場合はS&P500、ラッセル1000の銘柄、関連の上場投資信託(ETF)で適用されます。指数と同じくレベル1(5%)、レベル2(10%)、レベル3(20%)と段階があるほか、時間帯によって異なるんですね。午前9時30分〜午前9時45分の間に10%下落すれば5分間の取引停止に。午前9時45分〜午後3時45分(日本時間の午後10時45分−午前4時45分)の間に、株価3ドル以上の銘柄が5分以上にわたり5%超の下落を示せばサーキット・ブレーカーが作動し5分間取引停止を迎えます。

今のところ、指数が取引停止に見舞われるような最悪の事態を回避しそうなムード。1987年当時のように、米連邦準備制度理事会(FRB)議長のイエレン氏が翌朝に声明をリリースする期待が広がっているのかもしれません。あるいは、引け際に予定するアトランタ連銀のロックハート総裁による9月利上げ派からの撤回を期待しているのでしょう。中国当局が意外に様子見を決め込んでいるだけに、頼みの綱はFedしかいない?

【追記】

ちなみに、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)はCNBCで看板番組「マッド・マネー」を抱える名物司会者ジム・クレイマー氏にeメールを送り「7月から8月にかけ、中国での販売は好調で過去数週間でiPhoneの起動は加速した」との見解を表明。さらに「中国でのアプストアは、過去2週間で年初来で最高のパフォーマンスを遂げている」と報告しています。

クックCEO、余裕のコメント。
timcook
(出所:CNBC)

おかげでアップル株は一時2%近くも上昇。インテルも1.6%高、中国の紫光集団よる買収が取り沙汰されるマイクロン・テクノロジーズにいたっては、5.7%高を示します。米株市場における怒濤の巻き返しが主導し、世界同時株安が一服できるのか注目です。

(カバー写真:Scott Beale/Flickr)

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