Earnings Roundup : Best Buy, Toll Brothers.
ひとまず嵐が過ぎ去った後の米株市場では、淡々とベスト・バイとトール・ブラザーズが決算を発表しました。結果をおさらいしていきましょう。
▽ベスト・バイ、アップル・ウォッチをバネに利益・売上ともに予想超え
家電量販店最大手が発表した5−7月(第2四半期)決算では、普通株主帰属の純利益が前年同期比1.6%増の1億6400万ドルだった。継続事業ベースの調整済み1株当たり利益は0.49ドルとなり、市場予想の0.34ドルより強い。売上高は0.8%増の85億2800万ドルで、市場予想の83億1000万ドルを上回った。全体の既存店売上高は3.8%増となり、市場予想の1.0%増を超えただけでなく約4年ぶりの高水準を遂げている。粗利益率は24.6%となり、前年同期の23.4%から上昇した。
米国での調整済み純利益は24.7%増の19億460万ドル、売上高は3.9%増の78億7800万ドル。既存店売上高は2.7%増となり、前年同期の2.0%減からプラスに反転。iPhone 6などのスマートフォンおよび関連機器、健康関連のウェラブル端末などがタブレットの減少を抑えたという。またハバート・ジョリー最高経営責任者(CEO)は、カンファレンス・コールにて「アップル・ウォッチ」が幸先の良いスタートを切り、売上に貢献したと明かしている。注力するオンライン売上高は17.0%増で、前年同期の22.0%増から減速した。
海外は調整済み純利益は23.4%減の1億5200万ドル、売上高は25.6%減の6億5000万ドルだった。為替差損のほか、「フューチャー・ショップ」を中心としたカナダでの店舗閉鎖により減収を計上している。
アップルとの関係強化の果実であるアップル・ウォッチ、売上絶好調でした。
(出所:Fortune)
決算資料に、ガイダンスは含まず。2015年度(2016年1月末終了)は、米国内の売上につき「横ばいあるいは1〜4%増」を予想した。海外の売上は、カナダでの店舗閉鎖やドル高を背景に「30〜35%減」となる見通しを示す。5−7月期の好業績を背景に、株価は一時15.5%も急伸した。
▽トール・ブラザーズ、住宅市場は堅調も費用が拡大し予想以下
高級住宅建設最大手トール・ブラザーズが発表した5−7月(第3四半期)決算では、純利益が前年同期比31.7%減の6670万ドルだった。減損費用が1800万ドルと、前年同期の600万ドルから拡大したことが一因。希薄後の1株当たり利益は0.36ドルとなり、市場予想と0.49ドルより弱い。売上高は2.7%減の10億300万ドルで、市場予想の10億500万ドルに届かなかった。引き渡し軒数は1.7%減の1419軒。平均引き渡し価格は1.1%下落の72万4000ドルだった。受注残は4447軒で、平均価格は80万ドル。新規契約の平均住宅価格は83万4000ドルで、過去最高を遂げている。粗利益率は19.8%で、前年同期の22.7%から低下。費用拡大が重しとなっており、売上費用は6.6%増の21億5300万ドル、販売・一般管理費も5.8%増の3億3020万ドルだった。
2015年度(2015年10月末終了)は5350〜5650軒の引き渡しを見込み、従来の5300〜5900軒からレンジをせばめ上限を引き下げた。平均引き渡し価格は74万5000〜76万ドルとし、従来の73万〜76万ドルから下限を上方修正。8−10月期の引き渡し軒数は1645〜1945軒、平均価格は78万〜80万ドルを予想した。好調な住宅市場に反し失望を誘う決算に加え経費拡大を嫌気し、株価は一時5%近く下落した。
(カバー写真:Mike Kalasnik/Flickr)
Comments
米8月消費者信頼感指数、株安・中国景気不安を乗り越え上昇 Next Post:
JPモルガン、シティは9月利上げ予想を堅持