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米7月新築住宅販売件数、50万件台を回復

by • August 25, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1401

New Home Sales Rebound In July.

米7月新築住宅販売件数は50.7万件となり、市場予想の51.6万件を下回った。ただし7ヵ月ぶり低水準だった前月の48.1万件(48.2万件から下方修正)を5.4%上回り、大台を回復している。3ヵ月平均は50.3万件で前月とほぼ変わらず。2014年10−12月期平均の47.1万件および同年7−9月期の43.4万件を大幅に上回る水準を維持した。

4大地域別では、3地域で増加。6月の1地域から増加した。今回は北東部のみ23.1%増の3.2万件と3ヵ月連続で増加している。西部は6.7%増の12.7万件、最も市場規模の大きい南部も5.8%増の29.4万件とそれぞれ増加に転じた。中西部のみ、6.9%減の5.4万件となる。

7月は金利上昇が一服、利上げ前の駆け込み需要もあって50万件台ヘ切り返す。
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(出所:Census, My Big Apple NY)

中央価格は、前年同月比2.0%上昇の28万5900万ドル。3ヵ月ぶりに上昇に転じた。前月比でも3.0%上昇し、5ヵ月ぶりにプラスに反転している。在庫件数は前月比1.9%増の21.8万件。販売の伸びが在庫を上回ったため在庫は5.2ヵ月と前月の5.3ヵ月相当から短期化した。

BNPパリバのデレク・リンゼー米エコノミストは、結果を受け「12ヵ月平均の49.1万件を上回った」と評価。住宅市場のトレンドが回復しており、堅調なペースを保つ期待が持てるとの認識を示す。

▽米6月S&Pケースシラー住宅価格指数、季節調整済みの前月比は2ヵ月連続で低下

米6月S&P/ケースシラー住宅価格指数(季節調整前、20都市別)は前年同月比4.97%上昇の180.88となり、市場予想の5.2%を下回った。前月の4.99%(4.9%から上方修正)にほぼ並び、2ヵ月連続で四捨五入後で5%台を保つ。2年13ヵ月連続でプラス圏を維持しながら、2013年2月以来の10%割れを続けた。前月比では0.98%上昇し、市場予想の1.1%には届かず。季節調整済み・20都市別の前月比は0.1%低下し、市場予想の0.1%の上昇に反する結果に。前月の0.1%(0.2%から上方修正)に続き、2ヵ月連続で低下した。

20都市別の前年比では、2月から5月にかけて続くトレンドを維持しすべて上昇。1月の14都市から増加をたどる。トップはコロラド州デンバーで10.2%と、2桁上昇を保った。2位はカリフォルニア州サンフランシスコがランクインし9.5%。3位はテキサス州ダラスで8.5%となる。最も伸びが低い都市は、イリノイ州シカゴで1.4%にとどまった。次いでワシントンD.C.が1.6%、オハイオ州クリーブランドが2.8%と続く。

発表元のS&P ダウ・ジョーンズ指数委員会のデビッド・ビルザー委員長は、結果を受け「全米ではインフレ率を2−3倍上回る4−5%のレンジを続けた」と振り返る。コロラド州デンバーやカリフォルニア州サンフランシスコが好調を維持する半面、ワシントンD.C.とオハイオ州クリーブランドが低調と二分化しているものの、価格上昇は「失業率の低下、安定的なインフレ、Fedの緩和政策維持」によって支えられていると指摘。米7月住宅着工件数をはじめ指標は明るい内容が目立ち、「力強い住宅市場が経済を支える」との見方を示した。ただし「Fedによる利上げタイミングと米株市場のボラティリティ」の2つを不安要因に掲げ、米株市場は弱気相場に入った時こそ打撃となり得ると見込む。

▽米6月住宅価格指数、単月では鈍化もQ2ベースでは1年ぶり高水準

米住宅金融公社(FHFA)が発表した米6月住宅価格指数は前月比0.2%の上昇となり、市場予想の0.4%を下回った。とはいえ前月の0.5%(0.4%から上方修正)を含め、上昇トレンドを維持している。前年比では2013年5月につけた景気回復サイクルで最高となる8.6%から鈍化トレンドをたどり、5.6%上昇。前月の5.7%にも、届かなかった。国勢調査を元にした前月比の9地域別では、5月に続き6地域で上昇。4−6月期では前年同期比5.39%の上昇となり、前期の5.21%を超え1年ぶり高水準だった。景気回復サイクルで最高をつけた2013年7−9月期の8.07%、バブル期にあたる2005年7−9月期の10.59%には及んでいない。

——米7月住宅着工件数を踏まえると58.7万件が販売向けと判断されるため、新築住宅販売件数は在庫が増える可能性を示します。価格上昇の一服要因となれば、足元の金利低下と合わせ需要を喚起する期待が残る。住宅価格は上昇ペースに鈍化の兆しが見えてきており、中国発の世界経済減速が限定的にとどまれば住宅市場へ過度に悲観する必要はなさそうです。

(カバー写真:Jeremy Glass/Flickr)

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