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米8月ミシガン大学消費者信頼感・確報値、世界同時株安を経て小幅低下にとどまる

by • August 28, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2688

University Michigan Consumer Sentiment Avoids Sharp Decline After The Market Turmoil.

米8月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は92.9となり、市場予想の93.5を上回った。速報値の92.9および7月確報値の93.1からも活気が薄れ、秋風が吹き付けた格好。ただし世界同時株安と米株の急落の最中にあったことを踏まえれば、3ヵ月ぶりの低水準にとどまり底堅さを示したと言える。内訳をみると現況指数が105.1で、速報値の107.1および前月の107.2を下回り3ヵ月ぶりの低水準。見通し指数も83.4と速報値の83.8並びに前月の84.1に届かず、2014年11月以来の水準に下振れした。原油先物が約6年半ぶりの水準へ沈むなか、インフレ見通しは1年先につき2.8%となり速報値および前月と変わらず。5−10年先も2.7%と速報値と変わらず、前月の2.8%からは鈍化した。

ミシガン大学のエコノミスト、リチャード・カーティン氏は結果を受け「米株市場が急激に変動した1987年10月17日は、センチメントが直ちに反応し10%落ち込んだ後に切り返した」と説明し、「2015年8月24日も雇用と所得の見通しが安定的」と振り返った。その上で「2015年の個人消費は2.9%増が見込まれ、健全なペースを保つだろう」と予想。今後の展開を注視する必要があると付け加えつつ、楽観的なトーンを維持した。

バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、米7月個人消費支出・所得などの結果を踏まえ「米7−9月期国内総生産(GDP)は2.5%増」と予想した。

詳細は、以下の通り。

・1年先の家計見通し指数 124>速報値は123、前月は122

向上する 34=速報値は34、前月は34
変わらず 53>速報値は52、前月は52
悪化する 10<速報値は11、前月は12

・所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数 79<速報値は81で4ヵ月ぶり高水準、前月は79
所得の伸びが物価を上回る 21<速報値は22、前月は22
所得の伸び率と物価が同じ 36<速報値は37で6ヵ月ぶり高水準、前月は34
所得の伸びが物価を下回る 42>速報値は41で直近にて最低、前月は43

・1年先のビジネス見通し指数 103>速報値は102、前月は106
向上する 24、直近で最低=速報値は24、前月は26
変わらず 53=速報値は53、前月は52
悪化する 21<速報値は22、前月は20

・1年先の失業率見通し指数 99=速報値は99、前月は96
低下する 24>速報値は23、前月は21
変わらず 51<速報値は52、前月は53
上昇する 25>速報値は24、前月は25

・1年先の金利見通し指数 42>速報値は40、前月は51(低下を見込む場合に指数は上昇)
低下する 5<速報値は6、前月は8
変わらず 31>速報値は28、前月は34
上昇する 63<速報値は66で直近にて最高、前月は57

・自動車購入指数 139、直近にて最低<速報値は143、前月は145
買い時 66<速報値は69、前月は70
分からない 7>速報値は5、前月は5
買い時ではない 27>速報値は26、前月は25

・住宅購入指数 159=速報値は159、前月は157
買い時 79>速報値は78、前月は77で4ヵ月ぶり低水準
分からない 1<速報値は3、前月は3
買い時ではない 20>速報値は19、前月は20

——米8月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は低下したとはいえ、人民元切り下げ世界同時株安の混乱に耐性を示しました。米7月個人消費・支出と合わせ、Fedにとっては安心材料。FF先物市場も反応し、一時の14%から28%近くまで切り返しつつあります。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙が、Fed番であるジョン・ヒルゼンラス記者ではなくジャスティン・ラハート記者の署名記事で「Fedが9月利上げに踏み切る理由(The Case For  September Fed Rate Rise)」と報じた点も注目。9月利上げ派であるJPモルガンのマイケル・フェローリ米主席エコノミストが指摘したように”イエレン・プット”再来を回避する意味も含め、市場に「『愛の鞭』を施す機会を与える」と伝えます。そもそもゼロ付近から利上げで低空飛行の途上にあり、WSJ紙は9月のタイミングこそ市場の指図を受けない立場を表明するチャンスと捉えます。低インフレ環境は今後の利上げ幅が非常に緩やかになるヒントを与え、利上げを回避する根拠としては弱いとのスタンスも示していました。

(カバー写真:elysiumcore/Flickr)

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