IMF Urges Central Banks Not To Raise Rates.
国際通貨基金(IMF)は、あらためて米国に9月利上げをけん制してきました。
トルコのアンカラで4−5日に開催する20ヵ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に向けて用意された覚え書きで「リスクは下方向にあり、こうした危険性が実現すれば見通しは一段と弱まりかねない」と指摘。中国の景気減速、マーケットで高まるボラティリティ、ドル高、商品先物の下落、資本流入の失速などを懸念材料に挙げていました。またフィナンシャル・タイムズ(FT)紙によると、支出を促進させるべく中央銀行に対し「利上げを手控えるよう」要請したといいます。
IMFの主張には、米国が念頭にあるのでしょう。フィッシャー米連邦準備制度理事会(FRB)副議長は、ジャクソン・ホール会合でのインタビューで9月利上げの可能性に蓋をしませんでした。IMFがFedに利上げ先送りを求めるのは、少なくとも4月公表の世界金融安定報告をはじめ6月初旬、6月末、7月と合わせて5回目です。
インドネシアを訪問中のラガルドIMF専務理事は「ここ数週間での出来事はいかにアジアが世界経済の中枢を担い、アジアにおける1つの市場の混乱が世界中に波及していくかを明らかにした」と発言。アジア危機再燃と言われる足元の動向が、かつてのようにスピルオーバーをもたらしかねないと警告を発します。
7月に公表した世界経済見通し(WEO)では、2015年の成長見通しを下方修正しました。米国の見通し引き下げが響いており、台風の目と化す中国は据え置いていたことが思い出されます。IMFは中国と密接に連絡を取り合うなか、最新版が公表される10月にどこまで修正の手を加えてくるのでしょうか。
(カバー写真:International Monetary Fund/Flickr)
Comments
天下のグーグル、刷新ロゴはあのビール・ブランドの「パクり」? Next Post:
米新規失業保険申請件数、米8月雇用統計前に約1ヵ月半ぶり高水準