ISM Non-Manufacturing Index Showed Durability, Markit PMI Revised Up.
米8月ISM非製造業景況指数は59.0となり、市場予想の58.5を上回った。2005年8月以来の高水準を達成した前月の60.3以下とはいえ、世界同時株安をはじめベージュブックで指摘された中国景気の減速という逆風を耐え抜いた格好。内訳をみるとビジネス活動や新規受注をはじめ雇用などが前月を下回ったとはいえ、大幅低下を免れた。詳細は、以下の通り。
在庫センチメント 69.0、直近で最高>前月は63.5
ビジネス活動 63.9<前月は64.9、年初来で最高
新規受注 63.4<前月は63.8、少なくとも年初来で最高
雇用 56.0<前月は59.6、2005年8月以来の高水準
新規輸出受注 52.0<前月は56.5、4ヵ月ぶり高水準
仕入れ価格 50.8<前月は53.7
大和キャピタル・マーケッツのマイケル・モラン米主席エコノミストは、結果を受け「7月に大幅上昇を経て小幅低下にとどまり、景気回復サイクルで2番目に高い水準」と評価。サービス活動は堅調で物価上昇圧力も限定的とし、好環境が続いているとの考えを示した。
▽米8月マークイット・サービス業PMI確報値、速報値から上方修正
米8月マークイット・サービス業PMI確報値は56.2となり、速報値および市場予想の55.2を上回った。中国発の世界景気減速リスクに耐性をみせ、前月の55.7から上昇している。内訳をみると、新規受注が3ヵ月ぶりの低水準だったほか、仕入れ価格は2013年6月以来の落ち込みをみせた。ただし雇用は堅調だった。総合PMIは55.7と7月と並び、速報値の55.0からは上方修正。5ヵ月ぶり水準へ減速した6月の54.6も超えた。
サービス業PMI、足元の上昇を打ち消してから小幅に改善。
発表元であるマークイットのクリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受け「雇用が底堅く、米8月雇用統計・非農業部門就労者数は20万人超えを示唆している」と好感した。製造業PMIがドル高と外需鈍化で困難に直面するものの、国内に焦点を置いたサービス業は米経済を緩やかなペースで拡大させる見通しと指摘。ただしインフレ圧力は減退しており、「利上げ先送りの議論を高める」とまとめた。
——米8月ISM非製造業景況指数は思いがけなく10年ぶりの高水準から小幅鈍化にとどまり、米8月マークイット・サービス業PMIも上方修正されました。中国景気の減速も、どこへやら。世界同時株安の影響が8月以降に及ぶのか試される半面、16−17日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを先送りした場合は、センチメントを刺激する余地が残ります。
(カバー写真:My Big Apple NY)
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