Import Prices Remain Subdued, Wholesale Inventories Fall For The First Time In 2 Years.
米8月輸入物価指数は前月比1.8%低下し、市場予想の1.6%より下げ幅を広げた。前月のマイナス0.9%と合わせ、2ヵ月連続で低下している。前年比は11.4%の低下と前月の10.4%から下げ幅を広げ、2009年9月以来で最大の落ち込みを見せた。
前月比での内訳をみると、原油先物の下落再燃を背景にエネルギーが14.2%低下し、前月の5.9%の低下から下げ幅を拡大させた。石油を除いた場合はドル高を一因に前月に続いて0.4%低下。マイナス基調を維持している。産業財が7.1%も低下し、2ヵ月連続で落ち込みを示した。自動車・部品は0.2%低下し、こちらも2ヵ月連続でマイナスに陥った。資本財も0.2%低下し、前月の0.3%と合わせ13ヵ月連続のマイナスをたどる。消費財も前月の0.3%に続き、0.1%低下。食品・飲料のみ0.3%と、前月の横ばいから上向いた。
JPモルガンのブレリナ・ウルシ米エコノミストは、結果を受けて「原油安が響いた上、ドル高がインフレを押し下げつつある兆しをみせた」と指摘した。
▽米7月卸売在庫、原油安が響き2013年5月以来の減少
米7月卸売在庫は前月比0.1%減となり、市場予想の0.3%増を下回った。6ヵ月ぶりの高水準だった前月の0.7%増(0.9%増から下方修正)以下となり、2013年5月以来のマイナスに反転。原油安を背景に非耐久財が0.5%減と3ヵ月ぶりに減少し、全体を押し下げた。原油関連を除く卸売在庫は横ばいにとどまる。耐久財は0.1%増と前月の±0%から増加に転じた。耐久財のうち自動車が1.0%増と増加トレンドを保つ。機械は0.1%増と、前月の0.6%減からプラスに反転。一方で、コンピューターは0.5%減となり前月から減少に転じた。
卸売売上高は0.3%減となり、前月の0.4%増を下回った。4ヵ月ぶりに減少している。在庫と売上高ともに減少したため、在庫相当は前月と変わらず1.30ヵ月。前年同月の1.19ヵ月を超える水準を維持した。
バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受け「過去分の下方修正は在庫投資の縮小につながる」と指摘。米4−6月期国内総生産(GDP)見通しを「3.6%増から3.7%増」ヘ引き下げた。また7月分も市場予想以下にとどまったため、「米7−9月期GDPにおける在庫投資の下押しを1.1%ポイントへ引き下げる」とし、同GDP予想を「従来の2.5%増から2.2%増」へ下方修正した。
——原油安とドル高のワン・ツー・パンチを受けて、米8月輸入物価指数は前月に続き下振れしました。翌11日発表の米8月生産者物価指数を確認する必要があるとはいえ、ディスインフレ環境を裏打ちしています。米7月卸売在庫は、7−9月期GDPにとってネガティブ要因。本日の米指標だけを見ると、CNBCでラリー・サマーズ元米財務長官が指摘したように「9月利上げは堅実な選択とは言えない」ように見えます。
(カバー写真:!STORAX/Flickr)
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