Pending Home Sales Surprisingly Fall, Beware Of Changes To Mortgage Loan Process.
米8月中古住宅販売成約件数指数は前月比1.4%低下の109.4となり、市場予想の0.5%に届かなかった。前月の0.5%の上昇にも及ばず、6月に続きマイナスに反転している。前年比では6.7%上昇し、7月の7.2%から鈍化しただけでなく直近で最も小幅な伸びに。ただし、12ヵ月連続でプラスを示した。
4大地域別では、1地域のみ上昇。前月の2地域から減少した。今回はITセクターやソーシャルメディアの恩恵を受ける西部が1.8%の反発を遂げた程度で、北東部が5.6%の低下と5ヵ月ぶりにマイナスに反転。南部も2.2%と低下に転じ、中西部も0.4%の低下に陥った。
発表元である全米リアルター協会(NAR)のローレンス・ユン主席エコノミストは、低下したにも関わらず「需要は供給を大きく超え住宅価格も高止まりし続けている」と指摘した。ただし、7−9月期のダウが2011年以来で最大の下げ幅を記録したように米株の下落も見過ごせず。さらに10月3日から、ドッド・フランク法案で定めたように住宅購入の仮契約から最終契約至る前に購入者が内容を明確に理解するため3営業日の猶予を与える制度導入を控え「成約件数がずれ込む場合もありうる」との懸念を寄せた。
なお中古住宅販売成約件数指数は、中古の一戸建ておよびコンドミニアムにおける契約が仮契約から最終契約にいたった件数を指数化したもので、中古住宅販売件数は引き渡しの件数を示す。従って、保留件数の約80%が1-2カ月後に中古住宅販売件数として組み込まれる。
▽MBA住宅ローン申請件数指数、9月FOMCの反動で大幅低下
全米抵当貸付銀行協会 (MBA)住宅ローン申請件数指数は、9月25日週に前週比6.7%低下した。前週の13.9%の上昇から一転、足元4週間で3回目のマイナスを示す。前週は9月16−17日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送り反動で大幅上昇したほか、フォルクスワーゲン・ショックや中国景気の不安を背景にマーケットが乱高下したため、借換が7.5%落ち込み前週の17.7%の上昇から大幅に反転。前年比では、31.1%の上昇となる。新規も前週の9.1%から5.6%へ沈み、ヘッドラインおよび借換と同じく過去4週間で3回目の低下を迎えた。前年比は、19.7%と2桁を保つ。
30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は4.08%と、前週の4.09%から若干低下。ただし、2014年12月以来の高水準をつけた6月26日週の4.26%以下の水準を保つ。2013年5月以来の低水準を示した1月30日週の 3.79%からは、32週連続で上振れした。15年固定金利型(平均)も3.29%と、 前週の3.31%から低下。FHAのローン金利も3.87%となり、前週の3.88%を下回った。
全米の金利は低下傾向ながら、9月FOMC後の反動が色濃く現れた格好。
(出所:Zillow)
申請全体に占める借換の割合は58.0%と、前週の58.4%から低下。とはいえ2009年6月以来の低水準となった7月3日週の48.0%から、切り返した水準を保つ。2013年5月以来の高水準となった1月16日週の73.9%からは、大きく遠ざかったままだ。変動ローン金利は6.9%と、前週と変わらず。8月28日週の7.5%から、大きく下回った水準を保つ。
MBAのマイク・フラントーニ主席エコノミストは、前週こそFOMCが利上げを見送り急騰したものの「今回はその反動に加え市場のボラティリティが影響した」とまとめた。
——米8月中古住宅販売成約件数指数だけでなくMBA住宅ローン申請件数指数も弱含み、住宅市場見通しに影を投げかけます。住宅市場関係者からは「物件探しする顧客の間で、実際に購入に踏み切る人数は減少傾向が見て取れる」との声も聞かれました。NYの気温は最高で13度まで落ち込むなか、秋風が吹き付けつつあります。
(カバー写真:Kendyl Young/Flickr)
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