Consumer Sentiment Rebounds In October.
米10月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は92.1となり、市場予想の89.0を上回った。約1年ぶりの低水準だった前月の87.2からも、改善。3ヵ月ぶりの水準を回復している。内訳をみると、現況指数が106.7で、2014年10月以来の下振れを迎えた前月の101.7から上昇。見通し指数も82.7と、1年ぶりの低水準だった前月の78.2を上回った。原油先物が約6年半ぶりの安値近くで推移するなか、インフレ見通しは1年先につき2.7%。5−10年先も2.6%となり、1年先と合わせて4ヵ月ぶりの低水準を示した。
ミシガン大学のエコノミスト、リチャード・カーティン氏は結果を受け世界景気減速を始めとする「ウォール街の懸念を跳ね除け、リリーフ・ラリーというよりは楽観度を強めた」と振り返る。特に「家計見通しのほか、耐久財購入見通しも2007年以来の高水準だった」と指摘。商品先物の下落に加え中国および欧州での景気減速を意識しながら「消費者は、米経済の拡大が続くと見込んでいる」ようだ。何より「低インフレ環境に加え雇用が持続的に伸びているため、消費者は緩やかな経済拡大に順応できている」という。その上で、カーティン氏は2016年の成長見通しにつき「2.9%」と予想した。
詳細は、以下の通り。
・1年先の家計見通し指数 128、直近で最高>前月は121
向上する 37>前月は33
変わらず 51=前月は51
悪化する 9<前月は12
・所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数 75>前月は73、6ヵ月ぶり低水準
所得の伸びが物価を上回る 23、6ヵ月ぶり高水準>前月は19
所得の伸び率と物価が同じ 27、直近で最低<前月は34
所得の伸びが物価を下回る 48、直近で最高>前月は46
・1年先のビジネス見通し指数 99>前月は96、直近で最低
向上する 22>前月は21、直近で最低
変わらず 52、3ヵ月ぶり低水準<前月は53
悪化する 23<前月は25、直近で最高
・1年先の失業率見通し指数 90、直近で最低<前月は92
低下する 20>前月は19
変わらず 49、直近で最低<前月は52
上昇する 30、直近で最高>前月は27
・1年先の金利見通し指数 45>前月は43(低下を見込む場合に指数は上昇)
低下する 11、4ヵ月ぶり低水準<前月は16
変わらず 32>前月は30、5ヵ月ぶり低水準
上昇する 61、3ヵ月ぶり高水準>前月は63
・自動車購入指数 142、3ヵ月ぶり高水準>前月は136
買い時 70、3ヵ月ぶり高水準>前月は65
分からない 2、直近で最低<前月は6
買い時ではない 28<前月は29、直近で最高
・住宅購入指数 158>前月は155、直近で最低
買い時 78>前月は77、直近で最低
分からない 2>前月は1、直近で最低
買い時ではない 20<前月は22、直近で最高
——米10月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は、米9月雇用統計に始まり経済指標が芳しくなかったものの、耐性をみせつけました。世界景気の減速懸念も、どこへやら。米連邦公開市場委員会(FOMC)の年内利上げ観測が後退したことも、一因なのかもしれません。自動車や住宅購入見通しが上向いているだけに、ローンを組む安心感が垣間見れます。
(カバー写真:elysiumcore/Flickr)
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