Housing Starts Post Second Highest Since 2007 In September.
米9月住宅着工件数は年率120.6万件となり、市場予想の114.7万件を超えた。前月の113.2万件(112.6万件から上方修正)を6.5%上回る。6月にリセッション入り前に当たる2007年10月の高水準に達して以来の120万件乗せを達成した。
内訳をみると、複合住宅が前月比18.3%増の46.6万件で、3ヵ月ぶりに増加。8月の0.3%増から躍進し、北東部での減税期限切れの反動で大きく落ち込んだ7月の25.0%から下げ幅を縮めている。一戸建ては前月比0.3%増の74.0万件と増加に反転。7月に2007年12月以来の高水準を経て、8月は73.8万件に減少していた。前年比での住宅着工件数は17.5%増と、前月の17.2%増から小幅に加速。6ヵ月連続で前年比プラスを迎えた。一戸建てが12.0%増と6ヵ月連続で増加したほか、複合住宅も27.7%増と前月の22.0%増と合わせ2ヵ月連続で増加した。
4大地域別では、3地域で減少。前月までは、2地域で増加した。今回は税制優遇措置の撤廃を背景に北東部が33.7%減の10.8件と2ヵ月連続で2桁減を示す。西部も1.1%減の25.9万件と、2ヵ月連続で減少。中西部は9.8%減の15.7万件となり、3ヵ月ぶりに減少に転じた。一方で、南部のみ7.1%増の60.2万件と3ヵ月連続で増えた。
米9建設許可件数は110.3万件となり、市場予想の117万件に届かなかった。8月の116.1万件(117.0万件から下方修正)を5.0%下回る。大寒波を経て減少した3月以来の低水準を迎えた。
内訳をみると、複合住宅が12.1%減の40.6万件と、6ヵ月ぶりの水準へ落ち込んでいる。一戸建ても0.3%減の69.7万件で、3ヵ月ぶりの水準へ減少した。建設許可件数の前年比は4.7%増と、前月の12.5%増(速報値)から加速し10ヵ月続けてプラス。一戸建てが6.7%増だったほか、複合住宅は2桁増から鈍化しつつ1.5%増を示した。
米9月建設中件数は前月比1.4%増の92.8万件となった。増加トレンドを維持するなか、件数ベースでは少なくとも2009年以来の高水準を達成。一戸建てが1.8%増の39.9万件と7ヵ月連続で増加したほか、賃貸需要を背景に複合住宅も1.1%増の52.9万件と13ヵ月連続で増えた。
JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果を受け「振れの大きい複合住宅がけん引し住宅着工件数は高水準を記録したものの、一戸建ては前月とほぼ変わらず堅調」と指摘した。住宅市場の健全性を図る上で注目の一戸建て住宅自体は、「住宅着工件数で12.0%増、建設許可件数で6.7%増なだけに一段の改善が見込まれる」という。その上で「7-9月期の住宅投資は前期比年率7%増、同国内総生産(GDP)は1.0%増」との見方を維持した。
——米9月住宅着工件数は米10月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値で住宅購入見通しが伸びたように、強い数字を叩き出しました。米10月NAHB住宅市場指数も10年ぶりの高水準だっただけに、一戸建てに支えられれば好調なペースが期待できます。
(カバー写真:Michael/Flickr)
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