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Fedサーベイ、利上げ開始予想の平均値は2016年3月

by • October 28, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1488

Wall Street Doesn’t Expect Fed To Raise Rates In This Year.

CNBC恒例、米連邦公開市場委員会(FOMC)直前のFedサーベイでは、FF金利先物動向と同じく利上げ開始時期の予想平均値が年明けに後ろ倒しされていました。41名のエコノミストをはじめストラテジスト、マネー・マネージャーなどを対象に10月22〜23日に実施した結果をみると、平均値は2016年3月となっています。その他、気になる内容は、以下をご笑覧下さい。

1)10月FOMCで利上げ開始を決定するか
・イエス 0%
・ノー 95%
・分からない 5%

2)年内に利上げを開始するか
・開始する 46%<前回9月は80%
・開始しない 44%>前回9月は10%
・分からない 10%=前回9月は10%

一方で、中央値は今年12月。前回9月は中央値は11月でした。
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(出所:CNBC

3)年内に利上げしない場合、理由
・海外の景気減速 60%<前回9月は61%
・インフレ鈍化 53%<前回9月は55%
・米景気の減速 35%>前回9月は16%
・マーケット動向 31%>前回9月は29%
→前回9月と比べ、米景気の減速を挙げる声がマーケット動向を逆転した。

4)利上げ開始時期、予想平均値
・2016年3月、前回9月は2015年11月

5)バランスシートを縮小する時期、予想平均値
・2016年11月、前回9月は2016年8月

6)Fedの政策への印象
・緩和的 64%>前回9月は54%
・適切 23%<前回9月は32%
・引き締め的 8%<前回9月は4%

7)2015年と2016年、それぞれの年末FF金利予想値
・2015年末 0.25%<前回9月は0.37%、調査開始以来で最低
・2016年末 0.91%<前回9月は1.17%、調査開始以来で最低

足元の米経済指標が弱含むに合わせ、下方修正。
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(出所:CNBC

8)Fedの利上げ終了着地点
・2.65%、調査開始以来で最低<前回9月は2.69%

9)今回の利上げサイクル終了時期
・2018年7-9月期、8月時点の予想に戻る<前回は2018年1―3月期

10)米国に対する中国の影響、最大を10点でみた場合
・今回 4.7点>前回9月は4.6点、8月時点の5.1点には届かず

11)S&P500見通し
・2015年12月末 2,079、調査開始以来で最低<前回9月は2,032
・2016年12月末 2,166、調査開始以来で最低<前回9月は2,254

12)米10年債利回り
・2015年12月末 2.20%、調査開始以来で最低<前回9月は2.40%
・2016年12月末 2.67%、調査開始以来で最低<前回9月は2.88%

13)GDP見通し
・2015年 2.32%>前回9月は2.43%、6月(2.25%)以来で2番目の低水準
・2016年 2.60%<前回9月は2.64%、統計開始以来で最低

14)CPI見通し
・2015年 0.63%、調査開始以来で最低<前回9月は0.83%
・2016年 1.75%、調査開始以来で最低<前回9月は1.89%

15)米株市場は年内の利上げを織り込んでいるか
・イエス 33%、調査開始以来で最低>前回9月は56%
・ノー 59%、調査開始以来で最高>前回9月は38%

16)米債市場は利上げを織り込んでいるか
・イエス 26%>前回9月は60%
・ノー 40%<前回9月は52%

17)米国がリセッション入りするリスク
・22%、2013年1月以来の高水準>前回9月は19%

18)イエレンFRB議長に対する指導力とコミュニケーションへの評価(5点満点)
・指導力 3.26点<4月は3.89点
・コミュニケーション 2.90点<4月は3.83点
・総合評価 B-/C(2.49点)<4月はB+(3.17点)

――筆者としては、やはり10月11日のフィッシャーFRB副議長の講演がカギを握っていると認識いています。同副議長はIMF・世銀の年次総会のタイミング(10月11日)で、一部の中銀関係者が利上げ開始に支持を表明するなか世界経済動向や金融市場に配慮する姿勢を打ち出しました。マーケットのボラティリティだけでなく、ドル高が加えるディスインフレ圧力を意識しているのではないでしょうか。年内利上げは「予想であって確約ではない」と明言した当時、ドル・インデックスが緩んだタイミングだった点は興味深い。そうなれば、利上げ開始のタイミングは年明けにずれ込みかねません。12月3日のイエレンFRB議長の議会証言がECBによる追加緩和の発表予定と被るのも、憶測を招いてしまいます。

(カバー写真:My Big Apple NY)

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