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米10月消費者物価指数、3ヵ月ぶりにプラス反転

by • November 22, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1586

Consumer Price Index Picks Up, Buoyed By Medical Care.

米10月消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇し、市場予想に並んだ。9月の0.9%の低下を打ち消し、3ヵ月ぶりに上向いている。原油先物が2009年4月以来の安値近くで推移するなかエネルギーが0.3%上昇し前月の4.7%から転じており、そのうちガソリン価格も0.4%上昇し、それぞれ3ヵ月ぶりに反発した。ただエネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン平均価格は6月に一時2.835ドルと2014年11月の水準まで切り返した後、10月は一時2.322ドルへ下落。約7ヵ月ぶりの水準へ失速していた。食品・飲料は0.2%上昇し、5ヵ月連続で上向いた。

CPIコアは前月比0.2%上昇し、市場予想および前月と並んだ。2013年1月以来の高水準を示した4月の0.3%に接近した水準を保つ。シェアの大きい帰属家賃は前月の0.3%に続き、0.2%と堅調なペースを維持。家賃も0.3%と、14ヵ月連続で上昇。住宅も0.2%上昇し、5ヵ月連続で上向いた。サービスは0.3%上昇し、前月の0.2%から加速。特に医療費が0.7%上昇し2ヵ月連続でプラスだっただけでなく、少なくとも1997年以来で最高を記録した。航空運賃は1.5%上昇し、4ヵ月ぶりにプラスへ反転。教育は0.3%上昇し、3ヵ月連続でプラス圏を保つ。一方で服飾は平年を上回る気温を背景に0.8%低下し、2ヵ月連続でマイナスに落ち込んだ。新車は0.2%、中古車も0.3%とそれぞれ6ヵ月連続で低下した。

CPIの前年比では0.2%上昇し、市場予想の0.1%を上回った。前月の±0%からも改善している。CPIコアの前年比は前月と同じく1.9%と2014年7月以来の高水準を示し、市場予想にも並んだ。

Fedが注目するPCE(実線、青と赤)より、CPI(点線、橙と緑)は上振れ気味。
cpi
(出所:BLS)

BNPパリバのローラ・ロスナー米エコノミストは、医療費が押し上げた点を評価し「PCEに占める割合が高い事情を踏まえると、インフレには改善の余地が大きい」と指摘。12月の利上げ開始を目指すFedにとっては、追い風になるとの考えを示唆した。

——米10月生産者物価指数(PPI)とは反対に、米10月CPIは明るいニュースを運んできました。注目の医療費は、医療保険制度改革(オバマケア)を通じ保険加入者が増加した結果、旺盛な需要を背景に強含んだもよう。ただ最大手ユナイテッドヘルスは、個人向け事業で多額の損失が発生していることを理由に撤退を検討中と伝えられました。オバマケアの施行であらゆる層の人々を受け入れなければならない上、新規加入者は病人が多いとか。保険を申し込んだ後で解除するケースに加え多くの医療ケアを利用する傾向が高く、収益性が低いためです。こうした事情も医療費の上昇につながったとみられ、今後も上昇トレンドは継続しそうです。

(カバー写真:COD Newsroom/Flickr)

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