Personal Expenditure Slows, Savings Near 3-Year High.
米10月個人消費支出は前月比0.1%増となり、市場予想の0.3%増を下回った。前月と変わらず。消費の内訳は、以下の通り。
・耐久財 0.037%減、前月の0.508%増を下回り6ヵ月ぶりに減少
・非耐久財 0.139%増、前月の01.080%減から増加に反転
・サービス 0.015%増、前月の0.227%増を含めプラス基調を維持
耐久財は新車販売台数の増加にも関わらず減少に転じ、サービスも増加トレンドを維持しつつ直近で最も小幅な伸びにとどまった。半面、非耐久財は増加に反転している。
米10月個人所得は前月比0.4%増となり、市場予想と一致した。前月の0.2%増(0.1%増から上方修正)を上回り、10ヵ月連続で増加。可処分所得は0.4%増と、前月の0.2%増を超えた。貯蓄率は所得が支出を上回ったため5.6%と、前月の5.3%を超え約3年ぶりの水準へ上昇した。
所得の内訳は、以下の通り。
・賃金・所得 0.6%増、前月の±0%から増加に反転
(民間が0.6%増と前月の±0%から転じ、特にエネルギー関連を含む財生産業が0.5%増と前月の0.3%減から改善。製造業も0.2%増と前月の0.3%減から回復した。サービスも前月の0.1%増から0.7%増へ加速)
・不動産収入 0.3%増、前月の0.4%増と合わせ2ヵ月連続で増加(農場が0.4%減と7ヵ月ぶりに減少も、非農場が0.4%増と2ヵ月連続で増加)
・家賃収入 0.8%増、前月の0.4%増を上回り20ヵ月連続で増加
・資産収入 0.2%増、3ヵ月連続で増加(配当が0.9%増と3ヵ月連続で増加、金利収入は0.2%減と7ヵ月ぶりに減少)
・社会福祉 0.3%増、前月の0.1%減から反転(メディケイド=低所得者層向け医療保険が0.7%増と5ヵ月連続で増加、メディケア=高所得者向け医療保険は0.5%増と増加トレンドを維持)
・社会補助 0.4%増、前月の0.2%増を上回りつつ少なくとも11ヵ月連続で増加
米10月個人消費支出(PCE)デフレーターは前月比0.1%の上昇にとどまり、市場予想並びに前月の0.2%に届かず。前月の0.1%の低下からは、改善している。前年比は9月と同じく0.2%の上昇で、市場予想の0.3%以下に終わった。コアPCEデフレーターは±0%で、市場予想の0.1%より弱い。前月の0.2%(0.1%から上方修正)からも減速している。前年比は3ヵ月連続で1.3%の上昇にとどまり、市場予想の1.4%以下となった。PCEデフレーターとコアPCEともに、米連邦公開市場委員会(FOMC)の目標値「2%」からかい離した水準を維持。「2%」割れは、そろって2012年5月以来となる。
JPモルガンのマイケル・フェローリ米主席エコノミストは、結果を受け「実質の個人消費は9月と8月がそれぞれ0.1%ポイント下方修正され0.1%増、0.3%増となっただけでなく10月分もさえず、消費は至って弱い」と振り返る。世界同時株安の影響で貯蓄率が上昇した点を指摘しつつ、「米10−12月期GDPの予想を従来の2.5%増から2.0%増」ヘ引き下げた。
——すでにアトランタ連銀の試算でも大幅に10−12月期GDP予想が下方修正されていたように、他エコノミストも続々引き下げています。米10月貿易収支の速報値が楽観的なトーンだったにも関わらず、個人消費の鈍化で現実に引き戻されたかのようです。バークレイズも2.3%増から2.0%増へ修正してきました。
(カバー写真:Giuseppe Milo/Flickr)
Comments
米7−9月期GDP改定値、在庫投資や設備投資が寄与し上方修正 Next Post:
マークイット速報値、製造業とサービス業でまちまち