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米11月新車販売台数、年率換算で2000年以来のペースを維持

by • December 2, 2015 • Latest News, NY TipsComments Off2693

New Car Sales Gearing Up For Record In November.

オートデータが発表した米11月新車販売台数は、前年同月比1.4%増の131万9,913台だった。2001年10月以来で最高を遂げた前月の145万5,516台(13.6%増)には、及んでいない。とはいえ、年率では1,819万台と市場予想の1,770万台およびを超えた。前月の1,824万台には届かなかったものの、2000年以来となる1800万台突破を3ヵ月連続で達成。2000年に樹立した過去最高の1735万台を突破するモメンタムを保つ。2014年11月より営業日が2日少なかったものの、感謝祭明けのブラック・フライデーに向けセールを展開したため売上を支えた。

メーカー別では、ビッグ3は全て市場予想に届かず。逆に日系メーカーのトヨタと日産が市場予想より加速し、日米メーカーで明暗が分かれている。結果、トヨタは販売台数でフォードを抜き、2位に躍り出た。車種では、引き続きトラックをはじめスポーツ多目的車(SUV)が売上に寄与。ガソリン価格が10月の2.228〜2.318ドルから、11月に一時2.094ドルと約10ヵ月ぶりの水準へ下落し需要を刺激した。

ケリー・ブルー・ブックによると、11月の平均販売価格は前年同月比0.7%上昇の3万3,801ドル(約406万円)だった。10月の1.4%からは鈍化している。前月比では、0.4%の上昇。前月の0.7%から伸びを狭めつつ3ヵ月連続で上昇した。

メーカー別の11月平均価格、前月比では9月に続き排ガス不正問題に揺れるVWの他フォードも下落。
kbb
(出所:Kelley Blue Book

年間ではガソリン価格の下落とペントアップ・ディマンドを受け絶好調だった2014年に続き、2015年も快進撃を維持するとの見方が優勢。2015年の新車販売台数につき、自動車ディーラー最大手オートネーションのほか自動車価格情報サイトのトゥルーカーも「1,700万台」を予想する。8年ぶりの高水準に並んだ2014年の1,644万台を超える見通しだ。以下、ビッグ3をはじめメーカー別動向。

GMは前年同月比1.5%増の22万9,296台となり、市場予想の2.9%増を下回った。3ヵ月連続で増加している。4大ブランド別では、2ブランドが増加。前月の3ブランドを下回った。内訳をみると、シボレーが4.8%増の4万3,039台と牽引し、3ヵ月連続で増加。特にトラックが20ヵ月連続で増加していた。高級車キャデラックは1.8%増の1万3,390台と、3ヵ月連続で増加している。一方で、10月に18%増を達成したGMCは、1.9%減の4万3,039台と減少に転じた。引き続き「ユコン」が23%増を示したものの、さすがに反動減が出たとみられる。高級車ビュイックは16.6%減の1万5,960台となり、2ヵ月連続で減少した。

フォードは0.3%増の18万7,794台となり、市場予想の3.2%増に届かなかった。とはいえ、消費者向け販売と合わせ、9月に続き2004年以来で最高に達している。2大ブランド別では、前月に続きフォードが0.6%増の18万7,794台と、6ヵ月連続で増加した。アルミ製ボディの新型トラック「Fシリーズ」が10.4%増の6万5,192台と、5ヵ月連続でプラスをたどった。もっとも小型車の「フォーカス」が24.7%減、マスタングも16.5%減と減少に転じている。リンカーンは2.4%減の7,918台と2ヵ月連続で減少した。

フィアット・クライスラー・オートモビルは3.0%増の17 万5,974台となり、市場予想の3.2%増に及ばなかった。とはいえ前年比プラスは68ヵ月連続で、単月ベースでは2000年以来で最高を達成している。5大ブランド別では、2ブランドが増加。10月は全て増加していた。ジープが引き続き20%増の6万8,903台と9ヵ月連続で単月ベースにて史上最高を更新しただけでなく、「チェロキー」など4車種が単月での記録を打ち立てた。ラムは1%増の4万1,107台となり、単月では2003年以来で最高を達成した。一方でドッジは8%減の3万8,938台で、3ヵ月ぶりに減少。「チャレンジャー」が10ヵ月連続で過去最高だったものの、力及ばずだった。クライスラーは12%減の2万3,8953台となり、減少トレンドへ戻している。フィアットは3%減の3,029台と、3ヵ月ぶりに減少した。

日本車では、トヨタが3.4%増の18万9,517台で市場予想の2.4%増を抜き去った。ブランド別では、トヨタが2.8%増の16万177台となり、軽トラックは過去最高を達成。日本では来春に販売・生産を打ち切る計画のSUV「RAV4」が29.7%増の2万7,368台となり、単月での記録を塗り替えている。セダンはまちまちで「カローラ」は5.5%減の2万4,194台で3ヵ月ぶりに減少した半面、「カムリ」は7.3%増の3万945台で後者は3ヵ月連続で増加した。レクサスは6.8%増の2万9,340台となり、増加トレンドを維持しただけでなく10月に続き単月で最高に膨らんだ。

ホンダは5.2%減の11万5,441台となり、市場予想の1.5%減より下げ幅を広げた。もっとも、単月で最高を打ち立てている。ブランド別では、ホンダが3.5%減の10万3,197台だった。「パイロット」が18.9%増の1万975台と好調を維持したものの、「CR-V」は19.9%減の2万5,931台と減少に転じている。むしろセダンが良好で「アコード」は1.2%増の2万5,656台、「シビック」も8.6%増の2万5,050台とプラスを維持した。アキュラは17.6%減の1万2,244台で、3ヵ月ぶりに減少した。

日産は3.8%増の10万7,083台となり、市場予想の2.6%増から加速した。ブランド別では日産が3.9%増の9万5,389台で、3ヵ月連続で増加。SUV・トラック部門の「ローグ」が引き続き41.4%増の2万2,565台と力強い伸びを達成した半面、セダン「マキシマ」は4.12%減の3884台に終わった。インフィニティは2.6%増の1万1,694台とプラスを保ちつつ、2桁増から脱落した。

その他の海外メーカーでは、フォルクスワーゲン(VW)が24.7%減の2万3,882台と市場予想の5.9%減より下げ幅を拡大した。排ガス不正が発覚した9月、および10月は値下げ効果もあって小幅な増加にとどまったが、ガソリン車にも火種が及んだせいか売上が激減した。ただし、アウディが0.4%増と前月の17%増から減速しつつプラスだったため、グループ全体では16.3%減と下げ幅を縮小する。ヒュンダイ・キアは7%増の10万5,560台で、少なくとも3ヵ月連続で増加した。

11月新車販売台数の伸び率、アジア勢がトップ3を占める。
ibt
(出所:International Business Times

高級車部門別ランキングは、以下の通り(%は全て前年比)。今回はレクサスが7月に続きトップに君臨したほか、キャデラックがアキュラを抜き去り7位から6位へ浮上した。

1位 メルセデス・ベンツ10.2%減の3万3,331台、1-2月、4-5月、9-10月に続き首位の座を射止めた。3月、6月、7月、8月は2位。1−11月期では5.1%増の33万5,246台で王座を堅持している。2013年は1位だったが、2014年ではBMWに1位を明け渡していた。

2位 BMW 3.2%増の3万2,003台、3月、6月にトップを奪取した後で7−8月は3位と後塵を拝し、9−10月は2位に収まった。1−11月期では4.4%増の31万1,398台となり、メルセデス・ベンツを追撃する状況は変わらず。2014年では1位、2013年は2位だった。

3位 レクサス6.8%増の2万9,340台、7−8月にランキングを制覇したが9−10月に続き3位に甘んじた。1−11月期では11.7%増の30万3,221台。2011年まで11年間連続で首位を飾っていた。

4位 アウディ(VW)0.4%増の1万6,700台、VWショックに揺れながら4ヵ月連続で5位を経てビュイックを抜き去り4位に浮上。1−11月期では11.7%増の18万1,803台。
5位 ビュイック(GM)16.6%減の1万5,960台、7—10月まで4位だったがアウディの追撃を許す。1−11月期では3.0%減の20万2,347台。
6位 アキュラ 17.6%減の1万2,224台、8−9月の7位から浮上した水準を保つ。1−11月期では6.9%増の16万342台。
7位 キャデラック 1.8%増の1万3,390台、8−9月はアキュラを交わし6位に立ったが陥落。1−11月期では0.1%減の16万342台。
8位 インフィニティ 2.6%増の1万1,694台、5ヵ月連続で8位。1−11月期で12.4%増の11万8,405台。

11月版:自動車メーカー別のシェアの1位はGMで2位はフォード、VWは12位から8位に返り咲き。
SA auto brand market share chart October 2015
(出所:Good Car Bad Car)

11月版:新車販売台数、ブランド別ランキング(%は前年同月比)

1位 Fシリーズ(フォード)10.4%増の6万5,192台、前月も1位
2位 シルバラード(GM、シボレー)5.1%増の4万5,001台、前月も2位
3位 ラム(フィアット・クライスラー、ドッジ)1.5%増の3万6,407台、前月も3位
4位 カムリ(トヨタ)7.3%増の3万945台、前月も4位
5位 RAV 4(トヨタ)31.3%増の2万8,256台 前月は7位

6位 CR−V(ホンダ)19.9%減の2万5,931台 前月も6位
7位 アコード(ホンダ)1.2%増の2万5,566台 前月は5位
8位 シビック(ホンダ)8.6%増の2万7,789台 前月は9位
9位 カローラ(トヨタ)5.5%減の2万4,194台 前月は8位
10位 ローグ(日産)69.8%増の2万4,939台 前月は10位

11月SUV版:新車販売台数、ブランド別ランキング(%は前月比)

1位 RAV 4(トヨタ)29.7%増の2万7,368台 前月は2位
2位 CR−V(ホンダ)19.9%減の2万5,931台、前月は1位
3位 ローグ(日産)49.8%増の2万2,565台、前月も3位
4位 エスケープ(フォード)18.5%減の2万807台、前月も4位
5位 エクィノックス(シボレー)5.9%増の1万9,634台、前月も5位

6位 ジープ・チェロキー(フィアット・クライスラー)2.8%増の1万7,426台、前月は7位
7位 ジープ・グランドチェロキー(フィアット・クライスラー)11.4%増の1万7,051台、前月は9位
8位 エクスプローラー(フォード)25.6%増の2万723台、前月は6位
9位 ジープ・ラングラー(フィアット・クライスラー)1.9%増の1万3,847台、前月は8位
10位 フォレスター(スバル)1.6%減の1万3,655台、前月も10位

(カバー写真:Toyota)

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