ADP Private Sector Employment Stays Above 200K Level.
米12月ADP全国雇用者数は前月比25.7万人増となり、市場予想の19.8万人増を上回った。前月の21.1万人増(21.7万人増から下方修正)を超え、2ヵ月連続で20万人の大台をに乗せている。2010年2月以来の増加トレンドは維持。なおADP全国雇用者数は民間のみであり、政府を含まない。
ADP全国雇用者数、2ヵ月連続で20万人乗せ。
(出所:ADP、ブルームバーグよりMy Big Apple NY)
内訳は、以下の通り。
▽企業規模別
中小企業 16.0万人増、増加トレンドを維持>前月は11.3万人増
大企業 9.7万人増、13ヵ月連続で増加>前月は8.0万人増
▽業種別
>サービス業 23.4万人増、2014年11月以来の高水準>前月は21.3万人増
(米12月ISM非製造業景況指数の雇用は、前月の55.0から55.7へ上昇)
・専門/ビジネス・サービス(派遣を含む) 6.6万人増、少なくとも6ヵ月ぶり高水準>2前月は5.6万人増
・貿易/輸送/公益 3.8万人増、直近で最高>前月は5.6万人増
・金融 1.3万人増、4ヵ月連続で同じ伸び=前月は1.3万人増
>財生産業 2.3万人増>前月は0.2万人減、2ヵ月連続で減少
(米12月ISM製造業景況指数の雇用は前月の51.3から48.3へ低下)
・製造業 0.2万人増、2ヵ月連続で増加<前月は0.4万人増
・建設 2.4万人増、4ヵ月ぶり高水準>前月は0.5万人増
ADPとともに統計を担当するムーディーズ・アナリティクスのマーク・ザンディ主席エコノミストは、結果を受けて「力強い雇用の伸びは減退する兆候をみせず、リストラを断行中なのはエネルギー産業のみ」と振り返った。現状のペースが継続すれば「最大限の雇用を達成は、今年半ばになる」と予想。最大限の雇用を遂げるのは約10年ぶりとなる「大いなる偉業」と諸手を挙げて評価している。
バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受け「米12月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)の予想を22.5万人増、失業率は前月から0.1%ポイント低下の4.9%」を見込む。ブルームバーグでのエコノミスト予想平均は米12月雇用統計・NFP予想は民間就労者数と合わせ20.0万人増で、失業率は5.0%となる。
——米12月ADP全国雇用者数はホリデー商船を追い風に、20万人超えが期待できます。サンプル週の米新規失業保険申請件数も4週平均が27万750件と11月の当該週を下回っており、信ぴょう性が増すところ。ただ直近でホリデー商戦が終了した影響かあるいはクリスマスの祝日に伴う季節調整が仇になったのか、米新規失業保険申請件数は変動が激しくなってきました。さらに2015年に続き、百貨店大手メイシーズが約4810人ものリストラと店舗閉鎖の大鉈を振るうとのニュースが飛び込んできました。1月時点で、既に閉鎖し店舗を含め40店が店じまいさせます。今年の1月を含め、原油安に伴うエネルギー産業をはじめホリデー商戦の揺り戻しと暖冬の余波を受けた人員削減に注意が必要です。
(カバー写真 : JAXPORT/Flickr)
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