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米1月ミシガン大学消費者信頼感・速報値、インフレ見通し低下が利き上昇

by • January 18, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2350

Michigan Consumer Confidence Edges Up With Mixed Inflation Expectations.

米1月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は93.3となり、市場予想の92.9を上回った。前月の92.6を超え、中国による人民元切り下げ以前となる2015年6月以来の高水準となる。内訳をみると、現況指数が105.1と6ヵ月ぶりの高水準を達成した前月の108.1から低下したものの、見通し指数は85.7と前月の82.9を上回り7ヵ月ぶりに高い以来の伸びを遂げた。

原油先物が2009年以来の安値で推移するなか、インフレ見通しは1年先につき2.4%と前月の2.6%以下に終わっただけでなく2010年9月以来の低水準だった。原油先物が2003年12月以来の安値へ突っ込むなか、歩調を合わせ見通しも下振れしている。5−10年先は逆に前月の2.6%から2.7%へ上昇し、4ヵ月ぶりの高水準を示した。

ミシガン大学のエコノミスト、リチャード・カーティン氏は、今回の結果を受け「所得見通しが1年ぶりの低水準だったもののインフレ見通しに下方修正でセンチメントが支えられ家計見通しは2007年以来の高水準を保つ」と評価した。その上で「インフレ加速に伴う金利上昇局面にて消費者は支出を抑制しかねず、Fedに利上げの正当性を与えないだろう」と予想。低金利が続くとの見通しから、2016年の個人消費見通しは「2.8%増」で据え置いた。

出遅れ気味だった見通し指数は、漸く上向き。
michigan
(出所:My Big Apple NY)

・1年先の家計見通し指数 124=前月は124
向上する 36、3ヵぶり高水準>前月は33
変わらず 50<前月は57、直近で最高
悪化する 12>前月は9

・所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数 84、直近で最高>前月は82
所得の伸びが物価を上回る 25、直近で最高>前月は23
所得の伸び率と物価が同じ 34<前月は35
所得の伸びが物価を下回る 41、直近で最低=前月は41

・1年先のビジネス見通し指数 105、6ヵ月ぶり高水準>前月は103
向上する 24、5ヵ月ぶり高水準>前月は21
変わらず 53<前月は58
悪化する 19>前月は18

・1年先の失業率見通し指数 93、3ヵ月ぶり低水準<前月は96
低下する 20、3ヵ月ぶり低水準<前月は21
変わらず 52、3ヵ月ぶり低水準<前月は53
上昇する 27、3ヵ月ぶり高水準>前月は25

・1年先の金利見通し指数 39>前月は35、直近で最低(低下を見込む場合に指数は上昇)
低下する 8、6ヵ月ぶり高水準>前月は4
変わらず 22、直近で最低<前月は26
上昇する 69と直近で最高=前月は69

・自動車購入指数 154、直近で最高>前月は141
買い時 74、直近で最高>前月は69
分からない 6>前月は3
買い時ではない 20、直近で最低<前月は28

・住宅購入指数 157>前月は156
買い時 77=前月は77
分からない 3>前月は2
買い時ではない 20<前月は21

——米1月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は、以下の興味深い点が浮き彫りとなりました。

1)失業率見通し、楽観度が後退
2)1年先のインフレ見通しは低下
3)物価下振れを背景に所得増加を見込む声が増加
4)自動車購入意欲は急伸、住宅購入意欲も小幅上昇

年始5日間のS&P500のパフォーマンスが過去最悪だっただけでなく中国の景気減速、原油安再燃と暗雲が垂れ込めたスタートを切ったものの、インフレ低下を好感し家計見通しは上向きました。労働市場の見通しはやや楽観度が低下したとはいえ、強気モード。米12月小売売上高やホリデー商戦はさえなかったものの、気温が平年並みに戻ってきた1月に衣料を中心に回復できるのか、底力が試されます。

(カバー写真: Carlsberg Group /Flickr)

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