NAHB Housing Index Edges Down In January.
米1月NAHB住宅市場指数は60となり、市場予想と一致した。2015年12月にも並ぶ(61から下方修正)。2015年9月に10年ぶりで最高に達した65で一旦のピークアウトを示した。
内訳をみると、一戸建て現況指数が67となり前月の65から上昇し2015年11月の水準に並んだ。もっとも、景気回復サイクルで最高だった2015年9月の70から離れた水準を保つ。一戸建て見通し指数は63で、2015年12月の66から低下。少なくとも2005年10−12月期以来の水準を達成した同年9月の75から遠ざかったままだ。見込み客指数は44と6ヵ月ぶりの水準から低下し、2014年9月以来で最高を示した前月の48を下回った水準を維持した。
今回は、見込み指数が一段と低下。
(出所:NAHBのデータを元にMy Big Apple NYが作成)
4大地域別での住宅市場指数は、中西部を除き全て低下。2ヵ月連続で3地域にて前月以下となる。今回低下を免れた中西部は58と、前月の54を上回った。そのほか、北東部は47と前月の49から低下し分岐点50から遠ざかっている。西部は73と70台を保ちつつ、4ヵ月ぶり低水準。南部は60となり、こちらは少なくとも過去6ヵ月間で最低だった。
発表元である全米ホームビルダー協会(NAHB)のトム・ウッズ会長は、結果を受け「8ヵ月連続で60前半にて推移しており、建築業者のセンチメントは緩やかな改善を反映し住宅販売には良い前兆が現れている」と好感した。デビッド・クロウ主席エコノミストは「消費者が(景気への)自信を取り戻し住宅価格が上昇するなか、経済見通しは明るく住宅市場は前進していく」と楽観的な見方を維持した。
――MBA住宅ローン申請件数指数が年始に2週連続で2桁の低下幅を示しながら、建築業者のセンチメントはそれほど悪化せず。原油安や中国景気の減速で米景気への影響が意識されるものの、米国の利上げが緩やかなペースにとどまるとの見通しに加えリスク・オフ相場を背景に金利が低下しておりNAHB住宅市場指数を下支えしているのでしょう。
ただ百貨店メイシーズ、ウェラブル端末ゴープロ、英BPに加え製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソンも19日に医療機器部門の業績改善を狙い、同社全体の2.5%に相当する約3000人の削減計画を発表しています。2015年9月までに売上が3期連続で低下するなど、企業の生命線が細るなかコスト削減で利益を確保するしかなく、雇用が2015年のペースで拡大するとは見込みづらい。金利低下の恩恵がどこまで住宅市場を支えられるか、試されます。
(カバー写真:Bryan Siders/Flickr)
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