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米12月CPI、エネルギーとサービスそろって減速

by • January 21, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2564

Consumer Price Index Resumes Decline In December.

米12月消費者物価指数(CPI)は前月比0.1%低下し、市場予想並びに前月の±0%より弱い結果となった。原油先物が12月に2009年3月以来の水準まで下落する過程で、エネルギーが2.4%低下し前月の1.3%から下げ幅を拡大。そのうちガソリン価格も4.0%低下し、エネルギーと合わせ2ヵ月連続で下振れしている。エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン平均価格は6月に一時2.835ドルと2014年11月の水準まで切り返した後、12月は一時2.026ドルへ下落。2009年3月以来の2ドル割れに迫った。食品・飲料も0.2%低下し、エネルギーと同じく2ヵ月連続でマイナス圏に突っ込んだ。

CPIコアは3ヵ月連続で前月比0.1%上昇し、市場予想及び前月の0.2%以下にとどまった。2013年1月以来の高水準を示した4月の0.3%から、後退している。サービスは前月まで2ヵ月連続で0.3%上昇した後、0.1%へ鈍化し直近で最低に。これまで伸びを牽引していた医療費が少なくとも1997年以来で最高を記録した10月の0.8%、11月0.4%から鈍化し0.1%にとどまった。服飾は平年を上回る気温を背景に0.2%低下し、4ヵ月連続でマイナス。娯楽は±0%と、前月の0.2%の低下から回復も横ばいにとどまった。航空運賃は、パリ同時多発テロ事件やサンバーナディーノ銃乱射事件を背景にテロ警戒が高まったせいか、前月に続き1.1%低下し前月の上昇分をほぼ相殺した。教育は前月まで3ヵ月連続で0.3%上昇した後、0.1%へ伸びを縮小している。新車は0.1%低下し、中古車は前月まで7ヵ月連続で低下したものの、±0%となり一応マイナス圏から脱した。一方でシェアの大きい帰属家賃は前月に続き0.2%上昇し、堅調なペースを維持。家賃も0.2%と、16ヵ月連続で上昇した。住宅も0.1%上昇し、8ヵ月連続で上向いている。

CPIの前年比では0.7%上昇し前月の0.5%から改善し、年初来で最高を示した。ただ、市場予想の0.8%には届いていない。CPIコアの前年比は2.1%上昇し、市場予想に並んだ。前月の2.0%からも加速し、2014年5月以来の高水準をたどる。

Fedが注目するコアPCE(実線、青と赤)より、コアCPI(点線、緑)は加速。

cpi
(作成:My Big Apple NY)

大和キャピタル・マーケッツのマイケル・モダン米主席エコノミストは、結果を受け「2014年12月のCPIが(原油安やドル高の高まりを背景に)大きく減速したため前年比の伸びが大幅改善しており、この流れは続くだろう」と予想した。ベース効果を背景に前年比で上振れする公算であるため、額面通り受け取るべきではないとの考えを示唆している。

――米12月輸入物価指数米12月生産者物価指数(PPI)と合わせ11月に反し前月比でインフレの減速感をあらためて示す内容でした。タカ派とされるセントルイス連銀のブラード総裁が原油安でインフレの目標値回帰が遅れる可能性を指摘したように、あらためて物価には下方圧力が掛かりつつあります。同総裁は年4回の利上げを引き続き「適切」と判断していましたが、景気回復局面でハト派寄りからタカ派寄りへシフトしたように軸足を移しつつある可能性をはらみます。ニューヨーク連銀のダドリー総裁は経済動向に変化なしと発言済みながら、インフレをめぐりインフレ期待が制御されず、低下をたどることこそ「最も警戒すべきリスク」に挙げていました。今回の下振れが一時的に終わるのか、見極めが必要です。

(カバー写真:My Big Apple NY)

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