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米12月新築住宅販売件数、利上げ開始に合わせ08年以来の高水準

by • January 28, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off3472

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米12月新築住宅販売件数と、MBA住宅ローン申請件数指数をおさらいしていきます。

米12月新築住宅販売件数は年率54.4万件と、市場予想の50万件より強い結果となった。前月の49.1万件(49.0万件から上方修正)を10.8%上回り、4ヵ月連続で増加。増加率は2014年8月以来で最大、件数ベースでは2008年2月以来の高水準を遂げている。2015年ベースでの平均値は前年比13.8%増の50.3万件となり、2007年以来の高水準を果たした。

4大地域別では、前月比にて全て増加。前月の1地域から増加した。今回は中西部が31.6%増の7.5万件、北東部も20.8%増の2.9万件と前月の減少から2桁増に反転している。西部は21.0%増の27.3万件と、3ヵ月連続で増加。テキサス州などエネルギー関連が集中する南部は0.4%増の27.3万件と、小幅ながら増加に転じた。

在庫総数は前月比2.6%増の23.7万件となり、景気回復サイクルで最高を示す。ただ販売件数の増加幅が在庫を上回ったため在庫相当は5.2ヵ月となり、11月の5.6ヵ月から短縮し4ヵ月ぶり低水準だった。

中央価格は28.89万ドルと前年比では4.3%下落し、5月以来の低水準だった。前月比では2.7%下落し、11月の0.1%上昇から低下に反転。過去最高の2015年9月の30.76万ドルから、下落を続けた。

新築住宅販売件数、価格下落にも支えられ急増。

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(作成:My Big Apple NY)

BNPパリバのデレク・リンゼー米エコノミストは、結果に対し「新築住宅販売件数は変動が大きいとはいえ雇用が増加を続けMBA住宅ローンが年始早々に急伸したこともあり、年初も強い数字が期待できる」とまとめた。

▽MBA住宅ローン申請件数指数、金利低下を追い風にショートウィークも続伸

全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、1月22日週に前週比8.8%上昇し472.8だった。キング牧師の生誕記念日の祝日をはさみながら、世界同時株安の最中に金利低下が寄与し3週続伸を果たす。特に借換が11.3%上昇の1822.5となり、ヘッドラインと同じく3週連続でプラス。新規も4.6%上昇の237.8と反発した。前年比(季節調整前)は、全体で15.1%低下し、前週の25.4%から下げ幅を縮小。新規は22.5%上昇し前週の17.2%から上げ幅を広げ、借換も30.1%と前週の40.3%から下げ幅をせばめた。

MBA住宅ローン申請件数指数、直近は上昇気流に乗っています。
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(作成:My Big Apple NY)

30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は4.02%と、前週の4.06%から低下した。前年同期の水準である3.83%を上回ったとはいえ、直近で最低を示す。2013年5月以来の低水準を示した2015年1月30日週の 3.79%からは、上振れしたままだ。15年固定金利型(平均)は前週の3.39%から3.28%へ低下し、直近で最低に。FHAのローン金利も3.83%と、前週の3.86%を下回った。

申請全体に占める借換の割合は59.0%と、前週の59.1%から低下した。とはいえ、2009年6月以来の低水準となった7月3日週の48.0%から切り返した水準を維持している。2013年5月以来の高水準となった1月16日週の73.9%からは、大きく遠ざかったままだ。

——米12月住宅着工件数の一戸建て住宅のうち75%が注文物件ではなく販売向けのところ、今回の数字は在庫増加の可能性を後退させました。いずれにしても住宅価格が下落し、需要を押し上げたとみられます。北東部や中西部など積雪が多い地域での2桁増をみると、暖冬も増加に寄与した可能性も。利上げ前に金利が落ち着いていたため、需要を喚起したようです。

今後は、雇用の増加が住宅市場をサポートできるかがカギ。直近で大手企業が続々とリストラ・再編を発表しており、決して視界良好とは言えません。世界同時株安という向かい風に対し、企業が世界経済動向に慎重となり採用を見送るリスクにも注意したい。MBA住宅ローン申請件数は上向きつつあるとはいえ、楽観視しづらい環境に変化してきました。

(カバー写真:Jeremy Glass/Flickr)

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