Economist Revised Down Q4 GDP Outlook After Factory Orders.
米12月製造業受注と米10-12月期労働生産性をおさらいしていきます。
米12月製造業受注は前月比2.9%減となり、市場予想の2.8%より下げ幅を広げた。前月の0.7%減(0.2%減から下方修正)と合わせ2ヵ月連続で減少しただけでなく、2014年12月以来で最大の下げ幅を示す。企業の設備投資を示す民間航空機を除く非防衛財(コア資本財)は4.3%減となり、速報値である耐久財受注と変わらず。2ヵ月連続で減少し、直近で最大の落ち込みを迎えた。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財の出荷は0.2%増と、速報値の0.2%減からプラスに反転し、前月の0.3%減からも改善した。製造業在庫は0.2%増と、7ヵ月ぶりに増加に転じた。
JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果を受けて「コア資本財受注は11月分が0.9%減から1.1%減へ下方修正され、同出荷も11月分が1.1%減から1.2%減から下方修正された」点に注目。12月分のコア資本財出荷が速報値から上方修正されたとはいえ、「トレンドは引き続き弱い」とする。さらに「製造業在庫は米10-12月期GDP速報値の試算値より弱かった」こともあり、米10-12月期GDP改定値の予想を「従来の0.5%増から0.4%増」へ引き下げた。
バークレイズも、米10-12月期GDP改定値の予想を従来の0.5%増から0.4%増へ下方修正した。
▽米10-12月期労働生産性・速報値、労働生産性は約2年ぶり低水準
米10-12月期労働生産性・速報値は年率3.0%低下し、市場予想に並んだ。前期の2.1%(2.2%から下方修正)を下回り、3期ぶりに低下。2014年1-3月期以来で最低を示す。内訳をみると、生産が0.1%上昇し、マイナスに突っ込んだ2014年1-3月期以来で最低に。米10-12月期国内総生産(GDP)速報値と整合的である。労働時間は3.3%上昇し、前期の0.3%の低下から大きく反発。1年ぶりの高水準だった。時間当たり賃金は1.3%上昇、実質賃金も1.1%上昇と、6期連続でプラスだったなかで最低の伸びに。一定量を生産するために必要な労働経費を示す単位労働コストは4.5%上昇し、市場予想の4.3%を上回った。前期の1.9%(1.8%から上方修正)をあっさり超え、1年ぶりの水準へ上振れした。
労働生産性、リセッション後は低迷継続。
10-12月期の労働生産性は前年同期比で0.3%上昇し、1年ぶりの低水準だった。通年では労働生産性が0.6%上昇した。労働単位コストは2.8%上昇。通年では2.4%上昇し、2007年以来で最大を記録した。
――米12月製造業受注はグッドニュースを運んで来ず、米10-12月期GDP改定値は下方修正の可能性が濃厚となってきました。おまけに、米10-12月期労働生産性は労働時間の割に生産がさえず、マイナスに転じる有様です。単位労働コストを押し上げたとはいえ、賃金の伸びは限定的で、1-3月期の成長にも不安を残します。
(カバー写真:I-5 Design & Manufacture/Flickr)
Comments
アイオワ州党員集会、繰り返された悪夢 Next Post:
サンダース候補、若者の支持を集める秘訣とは?