Markit Service PMI Dives Into Contraction.
米2月マークイット・サービス業PMI速報値は49.8と、市場予想の53.5を下回った。前月の53.2以下となり、債務上限引き上げ及び暫定予算交渉が煮詰まり米政府機関が閉鎖に追い込まれた2013年10月以来の分岐点割れを迎えている。統計が開始した2009年から、2番目に弱い。内訳をみると、新規ビジネスが3ヵ月連続で弱含んだほか受注残も2014年4月以来の低水準に。見通し5年半で最低を迎えた。ただ雇用は54.2と前月の54.3とほぼ変わらず、2015年10-12月期平均の53.0を上回った。製造業と合わせた総合PMIは50.1で、前月の53.2から低下した。2013年10月以来で最低を示す。
2009年10月から統計が開始したため、金融危機真っ只中の数字はありません。
(出所:Markit)
クリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受けて「景気後退へのリスクが大いに高まっている状況を確認した」との見解を寄せた。ただ今回は、豪雪や寒波など「悪天候に見舞われた点に注意したい」と指摘。3月に反発する可能性を挙げつつ、「見通し指数が2010年8月以来の低水準であるほか、企業は市場シェア獲得を狙い値下げに踏み切るなどデフレ圧力が高まっており「悪天候による反発は一時的に終わる可能性がある」とまとめた。
JPモルガンのジェシー・エドガートン米エコノミストは、米2月サービス業PMI速報値を使用して試算した場合「米1-3月期国内総生産(GDP)は前期比年率で0.2%増」と分析する。もっとも、これまでの経済指標を合わせ「米1-3月期GDPは2.0%増の当方の予想を据え置く」とまとめた。
――米2月マークイット・サービス業PMIがまさかの分岐点割れを迎えたものの、24日の米株は反応薄でした。中国の景気刺激策が噂されたほか、米週間石油在庫統計で原油生産の減少もあって、プラス引けしています。そもそもアトランタ連銀のGDP予想を含め米1-3月期GDPはゼロ付近への成長鈍化を見込んでおらず、景気減速を表す数字は裏を返せば利上げ見送りを意味する事情もあって、悲観的に受け止められていないようです。
※タイトルを製造業PMIからサービス業PMIに修正しました。
(カバー写真:Joe Ross/Flickr))
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