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米1月新築住宅販売件数、2008年以来の高水準から大幅減

by • February 25, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1680

New Home Sales Tumble From 8-Year High.

米1月新築住宅販売件数と、MBA住宅ローン申請件数指数をおさらいしていきます。

米1月新築住宅販売件数は年率49.4万件と、市場予想の52万件より弱い結果となった。増加率は2014年8月以来で最大、件数ベースでは2008年2月以来の高水準を遂げた前月の54.4万件を9.2%下回る。4ヵ月ぶりに減少へ転じた。なお2015年ベースでの平均値は前年比13.8%増の50.3万件で、2007年以来の高水準を果たした。

4大地域別では、前月比にて2地域で減少。前月は全て増加していた。今回は西部が32.1%減の11.0万件となり、全体の足を引っ張っている。中西部も5.9%減の6.4万件となり、西部と合わせ4ヵ月ぶりに減少に転じた。一方で、寒波と豪雪に見舞われたとはいえ平年を上回る気温に恵まれた事情もあり、北東部は3.4%増の3.0万件と2ヵ月連続で増加。石油生産地の多い南部は1.8%増と4ヵ月連続で増加し29.0万件だった。

在庫総数は前月比2.1%増の23.8万件となり、景気回復サイクルで最高を示す。ただ販売件数の減少したため、在庫相当は5.8ヵ月となり前月の5.1ヵ月から延び4ヵ月ぶりの水準へ広がった。

中央価格は27.88万ドルと前年比では4.5%下落し、2014年9月以来の低水準だった。前月比では5.7%下落し、前月に続きマイナスに。過去最高の2015年9月の30.76万ドルから、下落をたどる。

新築住宅販売件数、直近は価格下落が鮮明に。

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(作成:My Big Apple NY)

大和キャピタル・マーケッツのマイケル・モラン米主席エコノミストは、結果に対し「2015年12月に急増した反動であり、12ヵ月平均から大きくかい離しているわけではない」と説明した。西部も32.1%減と落ち込みが激しかったものの、過去3ヵ月にわたって増加していたほか2015年11月から12月は2桁増だったこともあり、「あくまで全体としてはレンジ内」との考えを示した。

▽MBA住宅ローン申請件数指数、金利低下で借換需要を刺激

全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、2月19日週に前週比4.3%低下し521.5だった。2週連続で大幅な伸びを遂げた後、プレジデンツ・デーの祝日を受けたショートウィークを受けて下振れしている。特に借換が7.7%低下の2267.4と、7週ぶりにマイナスに反転。新規は逆に2.2%上昇の217.9と、前週の3.7%の低下からプラスへ切り返した。前年比(季節調整前)は全体で23.8%上昇し、前週の24.7%から上げ幅を縮小。新規が27.0%上昇し前週の29.8%から伸びを狭め、借換も21.8%上昇しながら前週の22.1%に届かなかった。

MBA住宅ローン申請件数指数、直近は借換が支え。

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(作成:My Big Apple NY)

30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は3.85%と、米株安に歯止めが掛かりリスク・オフ相場が薄れつつあるなか前週の3.83%から若干上昇した。2013年5月以来の低水準を示した2015年1月30日週の 3.79%到達が、後退した格好だ。15年固定金利型(平均)は前週の3.11%から3.12%へ、FHAのローン金利も前週の3.67%から3.72%へそれぞれ上昇した。

申請全体に占める借換の割合は59.8%と、前週の65.4%から低下した。2009年6月以来の低水準となった2015年7月3日週の48.0%から切り返した水準を維持。ただし2013年5月以来の高水準となった2015年1月16日週の73.9%からは、大きく遠ざかったままだ。

――米1月新築住宅販売件数は下振れしたものの、米1月中古住宅販売件数は逆に2007年以来の高水準でした。MBA住宅ローン申請件数指数の新規は足元で上下を繰り返すものの、前年比では2桁の上昇率を維持しています。世界景気の減速や原油安の影響から住宅市場は力強さを増すような環境にはないものの住宅価格に下落の兆しも見えており、急速に冷え込むリスクは低いと言えそうです。

(カバー写真:ArmchairBuilder.com/Flickr)

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