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米2月新車販売台数、景気鈍化のサイン示さず好ペース維持

by • March 2, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2914

New Car Sales Keep The Speed In February.

オートデータが発表した米2月新車販売台数は、前年同月比0.3%減の134万4,225台だった。ただしホリデー商戦明けの114万8,057台から、大幅に加速。年率換算では7.0%増の1,754万台と前月の1,758万台とほぼ横ばいで、好調なペースを維持している。閏年でも営業日は2015年2月と変わらなかったが、力強さを示した。米10-12月期のシニア融資担当者調査では自動車ローンの融資条件の緩和を確認しており、需要を喚起したようだ。なお2015年9~11月に2000年以来となる1800万台を突破したため、2015年は前年比5.7%増の1,747万台と2000年に樹立した1,735万台を突破し過去最高を塗り替えた。

メーカー別では、ビッグ3は前年同月比で減少に至ったゼネラル・モーターズ(GM)を除き市場予想を上回った。日系メーカーは全て前年同月比で増加し、トヨタ以外が市場予想を超えている。車種では、引き続きトラックをはじめスポーツ多目的車(SUV)が売上に寄与。ガソリン価格が1月の2.028〜1.856ドルから、2月に一時1.724ドルと2004年3月以来の安値をつけ、引き続き大型車人気を煽ったとみられる。

ケリー・ブルー・ブックによると、2月の平均販売価格は前年同月比2.2%上昇の3万3,781ドル(約385万円)だった。1月の2.8%には届かず。前月比では±0%で、前月の1.6%下落に続くマイナスは避けられた。メーカー別の平均価格を前月比でみると、排ガス不正問題に揺れるVWが6.2%もの値崩れに。同メーカーは2015年9~11月の下落を経て、同年12月と2016年1月に3%近い上昇を示し、合わせて販売台数も2桁減を記録していた。そのほかでは、トヨタが0.1%と若干の下落を示す。前年比では1月に続きヒュンダイ―キアが1.1%下落、VWの1.0%下落を上回る落ち込みをみせた。

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(出所:Kelley Blue Book)

2016年の新車販売台数につき、自動車価格情報サイトのトゥルーカーは「1,800万台」を予想する。ただし、伸び率は3%台とし、2015年の5.7%を下回る見通しだ。以下、ビッグ3をはじめメーカー別動向。

GMは前年同月比1.5%減の22万3,745台となり、市場予想の5.1%増を上回った。6ヵ月ぶりに減少している。小売販売台数では7.0%増の17万9,958台となり、小売部門シェアは12ヵ月中で10回増加したという。4大ブランド別では、前月に続き2ブランドで増加した。詳細は、以下の通り。

・ビュイック 2.3%増の1万1,840台、3ヵ月連続で増加
→SUVの「アンコール」や「エンクレーブ」がそれぞれ19.3%増、14.0%増ととけん引。
・キャデラック 0.9%増の1万1,840台、前月から増加に反転
→SUVの「エスカレード」や「SRX」がそれぞれ22.2%増、5.5%増と支えた。
・シボレー 0.7%減の15万8,644台、2ヵ月連続で減少
→小売販売台数は、2007年以来の最高を達成。小売ベースのみでは10ヵ月連続で増加。小型車「マリブ」が53.3%増の2万1,418台だったものの、売れ筋だったSUVの「シルバラード」は5.0%減と足を引っ張った。
・GMC 6.8%減の3万9,530台、3ヵ月ぶりに減少
→ピックアップ・トラックの「シエラ」が0.3%増の1万5202台と前月の2桁増から伸びを縮小したほか、牽引したほか、SUVの「テレイン」が24.2%下の8,232台と足を引っ張った。

日本とインド市場からの撤退を決定したフォードは前年同月比20.2%増の21万7,192台となり、市場予想の9.2%増から加速した。2大ブランド別では、そろって増加。前月はリンカーンが増加したものの、フォードが減少していた。詳細は、以下の通り。

・フォード 20.1%増の20万9,153台、8ヵ月ぶりに減少
→小売部門は11%増と、2005年以来で最高を記録。アルミ製ボディのトラック「Fシリーズ」が9.9%増の6万697台と、増加基調へ戻し単月では2006年以来で最高を果たした。小型車の「フォーカス」も32.8%増と3ヵ月ぶりに増加に反転。SUVの「エッジ」は90.9%増の1万2,454台を達成し、同「エスケープ」は14.1%増と前月からプラスへ転じるなど、SUVが好調で過去最高をマークした。
・リンカーン 30.4%増の8,039台、3ヵ月連続で増加
→新型「MKX」が109.3%増と、3ヵ月連続で大幅増を迎えた。

フィアット・クライスラー・オートモビルは前年同月比11.8%増の18万2,879台となり、市場予想の9.2%増を凌駕するパフォーマンスを遂げた。前年比プラスは71ヵ月連続で、単月ベースでは2005年以来の高水準。5大ブランド別では、前月に続き3ブランドが増加している。詳細は、以下の通り。

・ジープ 23%増の6万8,228台、29ヵ月連続で増加
→単月ベースでは、2013年11月以来続く過去最高をたどる。新しく投入された「レネゲード」を含め6車種中、全て増加。「チェロキー」、「ラングラー」、「パトリオット」、「コンパス」が過去最高に達し、特に「コンパス」は54%増の7,203台と飛び抜けて高い伸び率を示した。
・ドッジ 12%増の4万7,251台、5ヵ月連続で増加
→単月では、2年ぶり高水準。「キャラバン」が95%増の1万2,262台と勢いづいたほか、「デュランゴ」も22%増の5,855台と支えた
・ラム 27%増の4万3,302台、3ヵ月連続で増加
→単月では、2002年以来で最高を達成した。ピックアップ・トラックが23%増で全体を押し上げた。
・クライスラー 26%減の2万1,056台、2ヵ月連続で減少
→ミニバン「タウン・アンド・カウンティ」が16%増の9,650台と8年間で最高だったもののセダン「200」が58%減の6,597台へ沈んでいた。
・フィアット 9%減の2,993台、2ヵ月連続で減少
→新型「500X」が伸びたものの、「500」や「500L」がそれぞれ54%減、62%減だった。
・クライスラー 22%減の1万8,214台、3ヵ月ぶりに減少
→ミニバン「タウン・アンド・カウンティ」が39%増と2008年以来で最高だったものの、セダン「200」63%減と全体を抑えた。

日本車では、トヨタが4.1%増の18万7,954台と市場予想の4.9%増を下回った。ブランド別では、トヨタが増加もレクサスが減少。営業日ベースでは、全体で3.3%増だったという。詳細は、以下の通り。

・トヨタ 4.7%増の16万4,864台、増加に反転
→引き続きSUVやトラックが牽引し、日本では来春に販売・生産を打ち切る計画のSUV「RAV4」が16%増の2万5,253台と4ヵ月連続で単月での記録を塗り替えた。主力のセダンはまちまちで「カローラ」が5.4%増の2万9,342台と強かったものの、「カムリ」が1.6%減の3万2,405台だった。
・レクサスは0.4%増の2万3,090台となり、前月から増加に反転
→SUVやトラックが好調で、4車種中3車種で2桁増を果たしている。乗用車部門は軒並み減少しており、7車種中6車種が減少。そのうち4車種が2桁減だった。

ホンダは前年同月比12.8%増の11万8,985台となり、市場予想の8.8%増より上げ幅を広げた。ブランド別では、1月に続きホンダが増加しアキュラの減少を打ち消している。詳細は、以下の通り。

・ホンダ 14.9%増の10万6,212台、2ヵ月連続で増加
→単月で最高を達成。セダンが好調を維持しており、新型「シビック」が31.7%増の2万7,707台と3ヵ月連続で2桁増と全体を支えた。SUVの「CR-V」も17.2%減の2万5,250台だったほか、ミニバン「オデッセイ」も11.4%増の8,994台と好調だった。
・アキュラ 1.7%減の1万2,773台、2ヵ月連続で増加
→2007年以来で最高だった前月から鈍化。1月に続き、「ILX」以外セダンとトラックともに減少した。

日産は10.5%増の13万911台となり、市場予想の7.2%増を追い越していった。2大ブランドは、前月に続きそろって増加。詳細は、以下の通り。

・日産 12.9%増の12万540台、5ヵ月連続で増加
→SUV・トラック部門の「ローグ」が0.7%増の2万1,561台と小幅ながら堅調だったほか、「ムラノ」は85.9%増の7,445台だった。SUVの「パスファインダー」は3%増の7,244台と、過去最高を更新。新型のセダン「マキシマ」も128.0%増の5,222台と支えた。
・インフィニティ 11.0%減の1万371台、2ヵ月連続で減少
→セダン「Q80」が6.1%減の1,487台だったほか、SUVの「QX60」など主力ブランドで減少が目立った。

その他の海外メーカーでは、フォルクスワーゲン(VW)が13.2%減の2万2,321台だった。排ガス不正が発覚した2015年9月、および同年10月は値下げ効果もあって小幅な増加にとどまったが、同年11月にガソリン車にも火種が及んだ影響からか3ヵ月連続で減少。また、前月比で大幅下落に転じたものの、2桁減が続く。ただしアウディが2.0%増と増加トレンドをたどり、グループ全体では8.7%減へ下げ幅を縮めた。ヒュンダイは1.0%増の5万3,009台、キアは13.0%増の4万9,737台だった。

自動車メーカーからディーラーへの1台当たりインセンティブ、GMにおける前年比の上昇率が著しいほかVW、フィアットの伸びが2桁を示す。高級車では引き続きBMWが最大に。

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(出所:Truecar)

高級車部門別ランキングは、以下の通り(%は全て前年比)。今回、高級車御三家のメルセデス・ベンツ、レクサス、BMWのうちBMWが陥落。代わりに、GMのビュイックが2015年の12月の5位から3位に浮上した。1台当たりのインセンティブを見ると、BMWに比べGMの割合が高く、今回の逆転劇の一因を担ったとみられる。

1位 メルセデス・ベンツ 0.3%減の2万5,210台
→今年も年間での王座維持に向け、首位を堅持した。2015年は、4.7%増の37万2,977台でトップ。2013年は1位だったが、2014年ではBMWに1位を明け渡していた。

2位 レクサス 1.0%増の2万3,234台
→前月に続き2位と、好発進を続けている。2015は10.7%増の34万4,601台で3位。2011年まで11年間連続で首位を飾ったが、東日本大震災後に順位を落とし2014年、2013年、2012年に続き3位にとどまる。

3位 BMW 10.7%減の2万2,498台
→1月はまさかのトップ3圏外だったが、2月は3位に食い込んだ。2015年は1.8%増の34万6,023台で、首位の座を宿敵メルセデス・ベンツに明け渡していた。2014年では1位、2013年は2位だった。

4位 ビュイック(GM)2.3%増の1万7,811台
→BMWのインセンティブ拡大もあって、4位に陥落した。2015年は2.6%減の22万3,055台で4位だった。

5位 アキュラ 1.7%減の1万2,773台
→前月の7位から、アウディとキャデラックを追い抜き5位へ浮上った。2015年は5.6%増の17万7,165台で6位に収まっていた。

6位 キャデラック 0.9%増の1万1,840台
→アキュラに抜かれたものの、アウディの上位についたため前月と変わらず。2015年は2.6%増の17万5,262台で、7位だった。

7位 アウディ(VW)%増の1万1,580台
→VWショックに揺れるなか、前月の5位から7位へ転落。アキュラとキャデラックの追撃に屈した。2015年は11.1%増の20万2,202台で、5位だった。

8位 インフィニティ 11.0%減の1万371台
→8ヵ月連続で8位。2015年も13.8%増の13万3,498台で8位だった。

最新版:自動車メーカー別のシェアの1位はGM、2位フォード、3位トヨタで変わらず。VWは前月に続き8位の座をスバルに奪われ9位。

USA auto brand market share chart February 2016

(出所:Good Car Bad Car)

新車販売台数:乗用車、ブランド別ランキング(%は前年同月比)

1位 カムリ(トヨタ)1.6%減の3万2,405台、前月も1位
2位 カローラ(トヨタ)5.4%増の 2万9,342台、前月は3位
3位 アルティマ(日産)0.5%減の2万8,320台、前月は4位
4位 シビック(ホンダ)31.7%増の2万7,707台、前月は2位
5位 アコード(ホンダ)19.3%増の2万5,785台 前月も5位

6位 フュージョン(フォード)11.9%増の2万5,442台 前月は6位
7位 マリブ(シボレー)53.3%増の2万1,418台 前月は9位
8位 セントラ(日産)34.2%増の2万599台 前月は7位
9位 フォーカス(フォード)32.8%増の1万8,620台 前月は11位
10位 ソナタ(ヒュンダイ)24.9%増の1万7,470台 前月は8位

SUV版:新車販売台数、ブランド別ランキング(%は前年同月比)

1位 RAV 4(トヨタ)16.3%増の2万5,523台 前月も1位
2位 CR−V(ホンダ)13.2%増の2万5,250台、前月は4位
3位 エスケープ(フォード)14.1%増の2万3,854台、前月も3位
4位 エクスプローラー(フォード)20.3%増の2万3,389台、前月は6位
5位 ローグ(日産)0.7%増の2万1,561台、前月は2位

6位 エクィノックス(シボレー)8.7%減の1万9,825台、前月は5位
7位 ジープ・グランドチェロキー(フィアット・クライスラー)11.8%増の1万5,380台、前月は8位
8位 ジープ・チェロキー(フィアット・クライスラー)7.1%増の1万5,017台、前月は7位
9位 ジープ・ラングラー(フィアット・クライスラー)2.5%増の1万3,234台、前月は12位
10位 ハイランダー(トヨタ)10.7%増の1万2,466台、前月も10位

(カバー写真:Ford)

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