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米4月NAHB住宅市場指数、春到来も3ヵ月連続で横ばい

by • April 19, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1830

NAHB Builder Confidence Holds Steady In April.

米4月NAHB住宅市場指数は58となり、市場予想の59を下回った。前月と合わせ、3ヵ月連続で2015年5月以来の低水準。金利が低水準で推移するものの、2015年9月に10年ぶりの最高に達した65で一旦のピークアウトを示した。

内訳をみると、一戸建て現況指数が63で、2015年4月以来の水準に下振れした。景気回復サイクルで最高だった2015年9月の70から乖離を広げつつある。一戸建て見通し指数は62と、2015年3月以来で最低だった前月の61から改善。とはいえ、少なくとも2005年10−12月期以来の高水準を達成した2015年9月の75から遠ざかったままだ。見込み客指数は44と、前月の43から上昇。2015年5月以来の水準へ急落した39からも上昇を続けつつ、2014年9月以来で最高を示した2015年11月の48を下回った水準を維持した。

見通し指数、見込み指数は上向きを示す。
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(作成:My Big Apple NY)

4大地域別での住宅市場指数は、上昇した地域はゼロ。前月の3地域から減少した。今回は石油生産州を含む南部が59、IT産業が集まる西部が67でそれぞれ横ばいとなる。北東部は41となり、前月の46を下回り直近で最低だった。中西部も56と、4ヵ月ぶりの低水準を示す。

発表元である全米ホームビルダー協会(NAHB)のエド・ブレイディ会長は、結果を受け「NAHB住宅市場指数は58で安定的に推移し、一戸建ては緩やかながら持続的な回復途上にある」と評価した。その上で「住宅購入シーズンの到来を告げる春に、市場は好転するだろう」と予想する。ロバート・ディエス主席エコノミストも「建築業者は、2016年の建設動向に慎重ながら楽観的で、雇用の安定をはじめ低水準の住宅ローン金利などに支えられ、一戸建て市場が上向き続けるだろう」と明るい見通しを寄せた。

――米4月NAHB住宅市場指数は、住宅ローン金利が再び2013年以来の水準へ下振れするなかでも、センチメントは横ばいに終わりました。MBA住宅ローン申請件数指数では新規が再び上向いているだけに、NAHB住宅市場指数の見通し指数と合わせ改善する余地が残ります。

問題は、厳しい住宅ローン審査と雇用情勢。4月に入りインテルが1000人以上のリストラを発表したほか百貨店ノードストロムが400人、ノムラ・インターナショナルが600人など産業を超えて人員削減を発表していました。また米3月雇用統計で明らかなように、就業者の伸びを牽引するのは娯楽、教育など全米平均値を下回る職種が多い点も、気掛かりです。なお米2月雇用統計ベースで、外食サービスを含む娯楽・宿泊の平均年収は1万9800ドルと、全米平均の4万5300万ドルの4割程度に過ぎません。教育・ヘルスケアですら、4万3600ドルと全米平均以下です。一方で雇用増加がピークアウトしている製造業は5万4300ドル、原油安で2014年9月以降、減少をたどる鉱業は5万5400ドルでした。

(カバー写真:Spencer Means/Flickr)

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