Jobless Claims Post Lowest Since 1973 in Survey Week.
米新規失業保険申請件数、米2月住宅価格指数、米3月景気先行指数をおさらいしていきます。
米新規失業保険申請件数は雇用統計のサンプル週にあたる4月16日週に24.7万件と、市場予想の26.5万件を下回った。前週の25.3万件からも、減少。1973年11月以来の低水準を更新している。米労働省は特殊要因を指摘していないが、ワシントンD.C.が推計値だった。同省は30万件割れが59週連続で、同じく1973年以来で最長とのコメントを寄せている。4週平均は26万500件で、前週の26万5000件から減少。1973年12月以来で最低となった3月12日週の25万9500件(改定値)を5週連続で上回った。
4月9日週までの継続受給者数は213.7万人と、前週の217.6万人から減少した。2000年以来の低水準を記録している。被保険者に占める失業者の割合は9週連続で1.6%となり、1971年以来の水準をつけた。
米新規失業保険申請件数、ヘッドラインから4週平均、継続受給者数すべて減少。
(作成:My Big Apple NY)
州別で増加が目立ったのはカリフォルニア州で1万2653人で、サービス産業が押し上げたという。ペンシルベニア州は3049人増となり事務・サポート、廃棄処理、建設、製造業が牽引した。テキサス州は2676人増、製造業のほか事務・サポート、廃棄処理、IT、修繕サービス、小売などで多かった。アリゾナ州は2496人増だが、特にコメントはない。フロリダ州は1494人増で、農業・木材・漁業・狩猟、卸売、小売、サービス産業が増加した。そのほかワシントン州では金融・保険、不動産、賃貸・リース、ヘルスケアが、ジョージア州では事務・サポート、廃棄処理、修繕サービスで目立ったという。一方で減少が顕著だった州はニュージャージー州で2609人減、ニューヨーク州で2217人減と、2週連続で増加した北東部の2州が入った。NJ州では輸送・倉庫、事務・サポート、修繕サービス、教育、公共で、NY州は輸送、倉庫、宿泊・外食、ヘルスケアや社会福祉で減少した。そのほか、ウィスコンシン州で1469人減、オレゴン州で1022人減、オハイオ州で769人減だった。
JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果を好感し「米4月雇用統計は引き続き堅調な数字が期待できる」とのコメントを寄せた。ただ、ユダヤ教の祝祭日である過ぎ越し祭を来週に控え「季節調整の影響が及んだ可能性がある」とも付け加えている。
▽米2月住宅価格指数は予想と一致、14ヵ月連続で上昇
米住宅金融公社(FHFA)が発表した米2月宅価格指数は前月比0.4%上昇し、市場予想に並んだ。前月の0.4%(0.5%から下方修正)を含め、14ヵ月連続でプラスを示す。前年比も6.0%上昇し、前月と変わらず。国勢調査ベースの9地域別では、前月と同じく8地域で上昇した。
FHFAが公表する住宅価格指数は、米連邦住宅貸付機関監督局(OFHEO)傘下のFHFAの場合はプライム層向けの住宅価格がメインで、融資額が政府保証機関(GSE)の買取基準額を超えるジャンボローンや、低所得者層向けのサブプライムを含んでいない。従ってS&Pケース/シラー住宅価格指数とは対象が異なり、数字自体は現状より強めの数字が出ると言われている。こうした背景からFHFAは2011年6月分から、フレディマックやファニーメイなどGSE以外のローンを含んだ住宅価格指数を拡大版として、公表を開始した。
▽米3月景気先行指数、予想以下も4ヵ月ぶりに上昇
米3月景気先行指数は前月比0.2%上昇の123.4となり、市場予想の0.4%に届かなかった。前月の0.1%の低下(0.1%の上昇から下方修正)は上回り、4ヵ月ぶりにプラスに転じた。内訳をみると、6項目が寄与し前月の4項目から増加した。今回は、ISM新規受注や非防衛財受注が前月からプラスに反転。長短金利スプレッドは引き続き全体を引っ張るほか、信用や消費財受注も前月に続き上昇した。一方で、平均労働時間や消費者見通しが横ばい。建設許可は2ヵ月連続でマイナスを迎え、米新規失業保険申請軒数も低下した。
一致指数は±0%の113.3となり、上昇基調を3ヵ月で止めた。遅行指数は0.4%上昇の120.9と、上昇トレンドを維持した。
発表元であるカンファレンス・ボードのエコノミスト、アタマン・オジルディリム氏は、結果を受け「改善したものの、反発は鈍い」とのコメントを寄せる。株価指数の上昇を「建設許可が押し下げた」とも指摘。ただ「全般的には上向きがみられるほか、低金利という金融環境、製造業の回復もあり「年内はゆるやかに成長する」と予想した
――米新規失業保険申請件数は、労働市場が引き続き順風満帆な様子を示しました。米3月景気先行指数も回復に転じ、米景気拡大にブレーキが掛かる兆候はみられません。来週26~27日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文では、引き続き労働市場の力強さに言及することでしょう。一方で米3月消費者物価指数などが示すように、低インフレ環境は継続。Fedとしては6月利上げの選択肢を残すのでしょうが、米株が反応して「5月に売り逃げろ」の展開を迎えれば、行動に移すかは微妙となりそうです。
(カバー写真:COD Newsroom/Flickr)
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