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米新規失業保険申請件数は低水準、被保険者の失業率は過去最低

by • June 10, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1612

Insured Unemployment Rate Fell To The Lowest.

米新規失業保険申請件数は6月4日週に26.7万件と、予想の26.4万件を上回った。前週の26.8万件とほぼ変わらず、低水準を維持している。米労働省は特殊要因を指摘しなかったもののメリーランド州は推計としつつ、30万件割れは66週連続で1973年以来の最長とのコメントを寄せた。4週平均は26万9500件と前週の27万7000件から減少しつつ、1973年以来で最低を示した4月23日週の25万6000件を上回る水準を保つ。

米新規失業保険申請件数、年初来のレンジ下限で推移。

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(作成:My Big Apple NY)

5月28日週までの継続受給者数は209.5万人と、前週の217.2万人から減少した。2000年8月以来の210万人割れを示す。被保険者に占める失業者の割合は16週連続で1.6%を経て、1.5%へ低下し過去最低を更新した。

5月28日週の州別動向は、以下の通り。

(増加が顕著だった州)
・カリフォルニア州 3827人増、前週の減少から反転
→サービス業が牽引
・ジョージア州 1832人増
・プエルトリコ 1547人増
・イリノイ州 1217人増、2週連続で増加
→建設、輸送/倉庫、管理・廃棄処理が押し上げ
・インディアナ州 720人増

(減少が顕著だった州)
・オレゴン州 1700人減、前週の増加から反転
・バージニア州 650人減
・ノースカロライナ州 647人減
・アイオワ州 587人減
・ペンシルベニア州 551人減

――米新規失業保険申請件数は引き続き、米5月雇用統計前とは正反対の結果を示します。一因としては、エアビー・アンド・ビーやウバーなど新形態の事業が発展しているため、失業保険を申請できない事情が考えられます。失業保険支給額はニューヨーク州の場合、税抜きで約420ドルですが、1)パートタイムを含めどこにも勤務していない、2)働く意思がある(仕事探しを積極的に行っている)、3)いつでも勤務開始できる健康状態にある、4)自らの意思で失職していない――などといった条件を満たす必要があり、特に1)はどこかの会社に所属していなくても所得が発生すれば対象外となります。仮にウバーの運転手として日銭を稼いでいれば給付対象とならず、また失業状態だとしても失業保険支給額を上回る収入を得られるのであれば、働きますよね。こうした特殊要因と雇用形態の変化が、少なからず数字を歪曲している可能性は否定できません。

▽米4月卸売在庫、市場予想通りも前月分が下方修正

米4月卸売在庫は前月比0.6%増となり、市場予想の0.1%増を上回った。前月の0.2%増(0.1%増から上方修正)も超え、2ヵ月連続で増加。2015年6月以来の高い伸びを示した。石油を除いた場合も0.6%増となり、前月の0.1%増(±0%から上方修正)を含め2ヵ月連続で増加している。内訳をみると、耐久財が0.2%増と前月の±0%から増加に反転。これまでの減少トレンドから脱却した。そのうち機械が0.7%増と牽引した程度で、自動車は0.4%減と減少に転じ、コンピューターは3.0%減と減少基調を保った。非耐久財は1.3%増と、前月の0.7%増と合わせ、2ヵ月連続で増加。薬品が2.2%増と2ヵ月連続で増加した半面、食品は1.0%減と2ヵ月連続で減少した。

卸売売上高は1.0%増と、市場予想の1.1%増を下回った。前月の0.2%増(0.1%増から上方修正)を超え、2ヵ月連続で増加している。石油を除く場合は0.3%増と、前月の0.5%減から増加に転じた。耐久財が0.4%増と前月の0.6%減からプラスに転じたためで、そのうち自動車が1.6%増と4ヵ月ぶりに増加していた。機械も1.5%増と、2ヵ月連続で増加。逆にコンピューターは0.4%減と3ヵ月ぶりに減少した。非耐久財は1.5%増となり、2ヵ月連続で増加。石油関連が原油先物価格の戻りを受け9.0%増と2ヵ月連続で増加したほか、薬品も0.4%増と2ヵ月連続でプラスに。食品のみ、1.3%減と2ヵ月連続で減少した。在庫相当は前月に続き1.36ヵ月で、1月の1.37ヵ月以下を保つ。前年同期は1.32ヵ月だった。

バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受け「3月分が上方修正されたほか、農業製品が7.5%増と強い伸びを示したように予想外に増加した」と指摘。その上で、米1-3月期GDP確報値の予想を「1.2%増から1.3%増」、米4-6月期GDPも「従来の2.5%増から2.7%増」へ引き上げた。

アトランタ地区連銀は、GDPナウで4-6月期GDP予想を従来の2.5%増で据え置いた。

(カバー写真:5chw4r7z/Flickr)

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