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米7月フィリー、6ヵ月ぶり低水準も仕入れ価格が下押し

by • July 22, 2016 • NewsComments Off1303

Philly Manufacturing Index Goes Negative Again.

米7月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(フィリー)はマイナス2.9 となり、市場予想の4.5を下回った。前月の4.7から再び分岐点を割り込み、6ヵ月ぶり低水準。約1年ぶりの高水準を遂げた3月でピークアウトし、過去6ヵ月間で4回目の減少を示す。

主要な項目の内訳をみると、仕入れ価格や販売価格が下押ししたのみで新規受注や出荷などは上昇。ヘッドラインが示すより、力強い内容となっている。雇用も分岐点割れをたどったとはいえ、下げ幅を縮小した。詳細は、以下の通り。

・新規受注 11.8、3ヵ月ぶりに分岐点乗せで5ヵ月ぶり高水準>前月はマイナス3.0、6ヵ月平均は2.9
・出荷 6.3、4ヵ月ぶりに分岐点を回復>マイナス2.1、6ヵ月平均は2.9
・在庫 マイナス4.3、分岐点割れを維持>前月はマイナス9.9、6ヵ月平均はマイナス11.2

・雇用 マイナス1.6、6ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス10.9、6ヵ月平均はマイナス6.7
・週当たり平均労働時間 マイナス3.6、4ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス13.1、6ヵ月平均はマイナス9.2

・受注残 1.9、2015年5月以来の分岐点乗せ>前月はマイナス12.6、6ヵ月平均はマイナス6.7
・入荷時間 1.3、4ヵ月ぶりの分岐点乗せ>前月はマイナス8.3、6ヵ月平均はマイナス9.2

・仕入れ価格 9.9、4ヵ月連続で分岐点乗せだったうちで最低<前月は23.0、6ヵ月平均は9.8
・販売価格 0.3、5ヵ月連続で分岐点乗せだったうちで最低<前月は3.9、6ヵ月平均はマイナス4.2

6ヵ月先見通し指数は33.7と、前月の29.8から改善した。2014年12月以来の高水準を達成した前月の42.2には届いていない。項目別では現況指数と異なり、まちまち。新規受注(29.2<前月は29.9)をはじめ出荷(37.9>前月は34.2)、平均労働時間(8.4<前月は11.0)が低下した。一方で雇用(12.8>前月は11.2)、在庫(0.3>前月はマイナス3.1)、設備投資(15.1>前月は7.1)となる。販売価格(24.1>前月は16.5)は上昇したが、仕入れ価格(26.4<前月は37.8)は低下した。

現況(オレンジ)は分岐点割れも、見通し(グレー)は上昇。

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(出所:Federal Reserve Bank Of Philadelphia)

――米7月NY連銀製造業景況指数と同じく前月を下回ったものの、フィリーの現況指数は安定的な原油先物を受けて悪い内容ではありません。見通し指数も改善し、製造業活動が最悪期を脱した可能性を示唆します。米7月雇用統計では、6月に続き財部門(製造業、建設、鉱業)で雇用を創出できたのか、注目です。

(カバー写真:Peter Miller/Flickr)

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