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米8月NY連銀製造業景況指数、3ヵ月ぶりに分岐点割れ

by • August 15, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1703

Empire State Manufacturing Index Contracts In August.

米8月NY連銀製造業景況指数、米8月NAHB住宅市場指数をおさらいしていきます。

米8月NY連銀製造業景況指数(エンパイア)はマイナス4.21となり、市場予想の2.50に反し低下した。前月の0.55にも届かず。3ヵ月ぶりに分岐点割れを迎えている。項目別では、ヘッドラインほど悪化を示さず。新規受注が分岐点を回復したほか、出荷は3ヵ月連続で分岐点を維持。雇用や在庫も、マイナス圏ながら下げ幅を縮小した。ただし入荷時間が分岐点を割り込んだほか、仕入れ価格が5ヵ月ぶりの低水準だった。詳細は、以下の通り。

エンパイア、現況指数と見通しそろって上昇(ブルーが現況、赤が見通し)。
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(作成:My Big Apple NY)

・新規受注 1.04>前月はマイナス1.82、6ヵ月平均は4.22
・出荷 9.01、3ヵ月連続で分岐点乗せ>前月は0.7、6ヵ月平均は6.86
・在庫 マイナス4.12、6ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス8.79、6ヵ月平均はマイナス7.88

・雇用 マイナス1.03、2ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス4.40、6ヵ月平均はマイナス0.57
・平均労働時間 2.06、4ヵ月ぶりに分岐点乗せ>マイナス5.49、6ヵ月平均はマイナス2.16

・仕入れ価格 15.46、5ヵ月ぶり低水準<前月は18.68、6ヵ月平均は15.23
・販売価格 2.06>前月は1.1、6ヵ月平均はマイナス0.68

・入荷時間 マイナス4.12<前月は3.3と3ヵ月ぶりに分岐点乗せ、6ヵ月平均はマイナス2.02
・受注残 マイナス12.09、4ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス10.20、6ヵ月平均はマイナス6.73

6ヵ月先見通し指数は23.74と、前月の29.24を下回り6ヵ月ぶりの低水準だった。2015年4月以来の高水準だった6月の34.84をが遠ざかっている。項目別では、雇用がマイナス6.19と2009年3月以来の水準へ沈んだ。出荷も27.95と、3ヵ月ぶり低水準。半面、設備投資は18.56と2014年2月以来の高水準だった。

——エンパイアは8月に分岐点割れも、全体的に悪化したとは言えず。現況指数では改善が見られ、製造業活動は回復に向かっている様子が伺えます。ただし、見通し指数は懸念材料。特に雇用が2009年3月以来の水準へ落ち込んだため、今後の雇用情勢に影を落とします。

▽米8月NAHB住宅市場指数、前月から改善

米8月NAHB住宅市場指数は60となり、市場予想に並んだ。前月の58を上回っている。米10年債利回りが過去最低をつけてから低下に一服の兆しをみせつつ、小幅改善を果たす。ただし、10年ぶりの最高に達した2015年9月の65からは遠ざかったままだ。

内訳をみると、一戸建て現況指数が前月の63から65と、5ヵ月ぶりの水準を回復した。もっとも景気回復サイクルで最高だった2015年9月の70は、依然として遠い。一戸建て見通し指数は前月66から67へ上昇しつつ、2015年11月以来の高水準をつけた6月の69を下回ったままだ。見込み客指数はむしろ44と前月の45から低下、2015年12月以来の水準へ上向いた6月の46から離れた。

全体的に上向きつつ、見込み客指数のみ低下。
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(作成:My Big Apple NY)

4大地域別での住宅市場指数は、ヘッドラインに反し2 地域で上昇し前月の3地域から減少した。今回は石油生産州を含む南部が64と、前月の60を超え2015年10月以来の高水準だった6月の水準を回復している。北東部も前月の41から44と、5ヵ月ぶりの高水準を迎えた。一方でIT産業が集まる西部が前月の70から68へ押し返され、3ヵ月ぶり低水準に。中西部も前月の56から53と、少なくとも過去1年間で最低を示した。

発表元である全米ホームビルダー協会(NAHB)のエド・ブレイディ会長は、結果を受け「新たな建設活動と新築住宅販売は共にほとんどの地域で上向き、センチメントを押し上げた」と評価した。これまでのような、人材や建設地の不足、規制上の問題などへの懸念は示されていない。ロバート・ディエス主席エコノミストは「米4〜6月期国内総生産(GDP)速報値が鈍化したものの、力強い米7月雇用統計が相殺した」と指摘。歴史的に低水準にある住宅ローン金利をはじめ「世帯形成率の増加、労働市場の堅調ぶりが住宅市場を年内支えていく」と引き続き楽観的な見通しを描く。

――米8月NAHB住宅市場指数の地域別動向をみると、石油生産州が多い南部での改善が著しい。原油先物が6月に50ドル台を回復し、石油リグ稼働数も7週連続で増加を遂げるなどポジティブな影響が及んだ可能性を示します。ただシェール生産地を有する中西部では上昇しておらず、石油企業の回復はまだら模様なのでしょうか。原油先物価格が比較的安定するなかで需要が伸びる必要があり、米国の成長回復が待たれます。

(カバー写真:Thomas Hawk/Flickr)

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