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米8月ミシガン大信頼感・速報値、前月とほぼ変わらず

by • August 15, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1316

Michigan Consumer Confidence Virtually Flat In August.

米8月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は90.4と、市場予想の91.5に届かなかった。前月の90.0を小幅に上回った程度で、2015年6月年以来の高水準となる5月の94.7から後退したままだ。内訳をみると、現況指数が106.1と市場予想の109.5並びに前月の109.0を下回り、5ヵ月ぶりの水準へ低下した。ただし見通し指数は3ヵ月ぶりの低水準だった前月の77.8を超え、80.3へ改善した。米7月雇用統計が力強い伸びを達成した米株が過去最高値を達成する過程ながら現況指数が低下し、見通し指数が上向く結果となっている。

原油先物が6月高値から一時20%落ち込み弱気相場入りした影響から、インフレ見通しは1年先につき2.5%と前月の2.7%を下回り3ヵ月ぶりの低水準だった。5~10年先は3ヵ月連続で2.6%となる。

ミシガン大学の主席エコノミスト、リチャード・カーティン氏は今回の結果を受け「家計見通しの低下を経済全般の楽観的な見通しが補った」と指摘した。家計見通しの弱含みは「若い層の間で支出が拡大する見通しながら所得増加見通しが小幅にとどまったことが背景」だという。BREXITへの懸念が後退した半面、「米大統領選が将来への不安を残す」とコメント。ただ見通しの項目では「個人消費をめぐる回答が比較的堅調で、経済拡大を支援する可能性を示す」と分析し、個人消費が2017年にかけ「2.6%増」へ改善していく予想と整合的と結んだ。なお前回の時点で個人消費は2016年につき「2.5%増」、2017年は「2.7%増」と見込んでおり少なくとも2017年を下方修正した格好だ。

ミシガン大消費者信頼感、今回は見通し指数ではなく現況指数が重石。

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(作成:My Big Apple NY)

・1年先の家計見通し指数 120、直近で最低<前月は126
向上する 30、直近で最低<前月は36
変わらず 53>前月は52
悪化する 10=前月は10

・所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数は82>前月は77と3ヵ月ぶり低水準
所得の伸びが物価を上回る 22>前月は19
所得の伸び率と物価が同じ 37<前月は38
所得の伸びが物価を下回る 40<前月は42

・所得が1年先に拡大するとの回答
今回 46.6%と直近で最低<速報値は49.9%、前月は49.8%

・1年先のビジネス見通し指数 106、3ヵ月ぶり高水準>前月は99
向上する 24>前月は22と3ヵ月ぶり低水準
変わらず 54、3ヵ月ぶり高水準>前月は52
悪化する 18<前月は23と直近で最高

・1年先の失業率見通し指数 95、3ヵ月ぶりの高水準>前月は86と直近で最低(低下を見込む場合に上昇)
低下する 21>前月は17
変わらず 52>前月は51
上昇する 26<前月は31

・1年先の金利見通し指数 51<前月は54(低下を見込む場合に指数は上昇)
低下する 6、3ヵ月ぶり低水準<前月は7
変わらず 38<前月は39
上昇する 55>前月は53

・1年先のガソリン価格指数 15.5、直近で最低<前月は16.1(値上がりを見込む場合に指数は上昇)
下落する 5<前月は6
変わらず 48>前月は43
上昇する 47、直近で最低<前月は51

・自動車購入指数 143、4ヵ月ぶりの低水準<前月は148
買い時 70<前月は71
分からない 3<前月は6と4ヵ月ぶりの高水準
買い時ではない 27、直近で最高>前月は23

・住宅購入指数 157>前月は153
買い時 78>前月は75
分からない 3<前月は4
買い時ではない 30>前月は33

・主要機器 156、5ヵ月ぶり低水準<前月は162
買い時 75、4ヵ月ぶり低水準<前月は78
分からない 6=前月は6
買い時ではない 19、直近で最高>前月は15

――米7月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は、以下の興味深い点が浮き彫りとなりました。

1)1年先の家計見通し指数、並びに所得が1年先に拡大するとの回答が直近で最低
2)所得と物価の伸び率を踏まえた1−2年先の家計見通し、ビジネス指数、1年先の失業率見通し指数がそれぞれ上昇
3)1年先のガソリン価格指数、1年先金利見通しがそれぞれ低下
4)購入見通し指数は金利上昇懸念が低下したため住宅購入が上昇も、自動車と主要機器が低下

米7月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は現況指数が足を引っ張りつつ、インフレ低下の懸念が後退した恩恵から見通し指数が支えています。半面、米7月小売売上高が減速したように、現況指数の低下は財布の紐を締めてしまった感が。米5月個人消費で明らかになった通り、貯蓄率が低下したことも消費には向かい風となった可能性を残し、家計のセンチメントは楽観的に振り切れていない実態が浮かび上がります。

(カバー写真:Charlie Day/Flickr)

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