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米7月住宅着工件数、約9年ぶりの高水準に近づく

by • August 16, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1571

Housing Starts Rise Close To 9-Year High.

米7月住宅着工件数は年率121.1万件と、市場予想の118.0万件を超えた。前月の118.6万件(118.9万件から下方修正)を2.1%上回り、2ヵ月連続で増加。2007年10月以来の高水準を遂げた2月以来のレベルとなる。前年比では5.6%増と、過去4ヵ月間で2回目の増加を示した。米7〜9月期国内総生産(GDP)での住宅投資にポジティブな内容と言えよう。

内訳をみると、一戸建てが前月比0.5%増の77.0万件、複合住宅も5.0%増の44.1万件とそれぞれ2ヵ月連続で増加した。一戸建ての前年比は1.3%増と、2桁増だった前月から伸びを縮小。複合住宅は14.0%増と、前月の20.3%減から増加に転じた。

4大地域別では、前月比で3地域で増加し過去2ヵ月間の2地域から増えた。今回は北東部が15.5%増の13.4万件と、2ヵ月連続で2桁増を遂げている。石油生産地で知られる南部は3.5%増の61.3万件と、2ヵ月連続で増加。中西部は2.3%増の17.5万件と3ヵ月ぶりに増加に転じた。反対にIT産業が集まる西部は5.9%減の28.9万件と、3ヵ月ぶりに減少した。

米7月建設許可件数は115.2万件となり、市場予想の116.0万件に届かなかった。4ヵ月ぶりの高水準だった前月の115.3万件を0.1%下回る。2ヵ月連続で、件数自体は住宅着工件数以下となった。内訳をみると、一戸建てが3.7%減の71.1万件と前月の増加を打ち消した。複合住宅は6.3%増の44.1万件と、4ヵ月連続で増加した。建設許可件数の前年比は0.9%増と前月の13.6%減(速報値ベース)となり、4ヵ月ぶりに増加に反転。一戸建てが2.4%増(前月は5.1%増)と伸びを縮小させたものの、複合住宅が1.6%減(前月は34.3%減)と下げ幅を大きく狭めた。

米7月建設中件数は前月比1.9%増の103.7万件となった。6ヵ月連続で増加し、件数ベースでは2008年1月以来の水準を遂げた。一戸建てが0.5%の43.2万件と2ヵ月連続で増加。複合住宅は2.9%増の60.5万件と6ヵ月連続で増加した。

住宅着工件数、リセッション前の平均値は遠い。

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(作成:My Big Apple NY)

――米7月住宅着工件数・一戸建てのうち75%が販売目的とされるため、57.8万件が住宅市場に流れ込む見通しです。米6月新築住宅販売件数を下回ったため、引き続き需給がタイトな様子を示します。米8月NAHB住宅市場指数も上向いたため、中低所得者層は値ごろ感のある住宅購入を目指し競争率が高まる公算。MBA住宅ローン申請件数指数が伸び悩むなか需要が後退する可能性を残すものの、直近の動向では建設中の住宅が一戸建てより賃貸を狙ったのか複合住宅が多いだけに、マイホーム購入者にとって環境が整備されるかは微妙な情勢です。

(カバー写真: Bryan Siders/Flickr)

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