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住宅着工件数と中古住宅販売、8月は振るわず

by • September 23, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1557

Housing Starts And Existing Home Sales Fall In August.

米8月住宅着工件数、米8月中古住宅件数をおさらいしていきます。

米8月住宅着工件数は年率114.1万件と、市場予想の119.0万件に遠く及ばなかった。2007年10月以来の高水準を遂げた2月に次ぐ前月の121.2万件(121.1万件から上方修正)を5.8%下回り、3ヵ月ぶりに減少。前年比では0.9%増と、辛うじて2ヵ月連続でプラス圏を保った。

内訳をみると、一戸建てが前月比6.0%減の72.2万件、複合住宅も5.4%減の42.0万件とそれぞれ3ヵ月ぶりに減少した。一戸建ての前年比は1.2%減と、直近で久々に減少に反転。複合住宅は4.7%増と、前月の14.7%増から伸びを縮小した。

4大地域別では、前月比で3地域にて増加し7月の2地域から増えた。今回は最大の住宅市場であり石油生産州が集まる南部が14.8%減の54.3万件と3ヵ月ぶりに落ち込み、全体を押し下げている。一方で、北東部は7.6%増の14.1万件(3ヵ月連続で増加)、中西部は7.6%増の17.1万件(前月から反転)、IT産業が集まる西部は1.8%増の28.7万件(前月から反転)だった。

米8月建設許可件数は113.9万件となり、市場予想の116.5万件に届かなかった。前月の114.4万件(115.2万件から下方修正)を0.4%下回る。3ヵ月連続で、件数自体は住宅着工件数以下となった。内訳をみると、一戸建てが3.7%増の73.7万件と前月分の減少を打ち消した。複合住宅は7.2%減の40.2万件と、5ヵ月ぶりに減少した。建設許可件数の前年比は2.3%減と前月の0.9%増(速報値)から反転した。

米8月建設中件数は前月比0.9%増の103.8万件となった。7ヵ月連続で増加し、件数ベースでは2008年1月以来の水準を遂げた。一戸建てが0.2%減の42.8万件と3ヵ月ぶりに減少したものの、複合住宅が1.7%増の61.0万件と7ヵ月連続で増加した。

住宅着工件数、リセッション前の平均値は遠い。

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(作成:My Big Apple NY)

▽米8月中古住宅販売件数、在庫が縮小し6ヵ月ぶり低水準

全米リアルター協会(NAR)が発表した米8月中古住宅販売件数は年率533万件と、市場予想の545万件を下回った。前月の538万件(539万件から下方修正)を下回り、6ヵ月ぶりの低水準。前年比では1.6%減となり、前月の3.0%増を下回り7ヵ月ぶりにマイナスに落ち込んだ。

内訳をみると一戸建てが前月比2.3%減の470万件と、6ヵ月ぶりの水準へ減少した。複合住宅は逆に10.5%増の63.0万件と5ヵ月ぶりの低水準から反発した。

4大地域別では、7月に続き1地域のみ増加。北東部のみ6.1%増の70万件となっている。逆に最大の住宅市場を誇り石油生産州が集まる南部は2.7%減の216万件と、2ヵ月連続で減少。IT産業が集まる西部は1.6%減の120万件と4ヵ月ぶりに減少し、中西部は0.8%減の127万件と2ヵ月連続で減少した。

在庫件数は前月比3.3%減の204万件と減少に転じ、5ヵ月ぶりの200万件割れが迫った。販売件数と在庫件数が共に減少したものの、在庫相当は4.6ヵ月と前月の4.7ヵ月から短縮している。中央価格は前年比で5.1%上昇の24.02万ドル。前月比でも2.3%落ち込んだ。売り出し平均期間は36日と、前月と変わらなかった。

買い手の内訳は、以下の通り。
・差し押さえ物件 4%=前月は4%、前年同月は5%
・ショートセール(担保残債価額よりも安い価額で販売する住宅) 1%と直近最低に戻す=前月は1%、前年同月は2%
・差し押さえとショートセールを合わせた不良債権物件 5%と直近で最低=前月は5%、前年同月は7%
・新規購入者 31%と直近で最低<前月は32%、前年同月は32%
・現金での購入者 22%>前月は21%と直近で最低、前年同月は22%
・住居用ではなく投資向け 13>前月は11%と直近で最低

中古住宅販売件数、一戸建てと複合そろって好調。

existinghome
(作成:My Big Apple NY)

発表元のNARのローレンス・ユン米エコノミストは、今回の結果を受け「健全な労働市場が持続的な住宅需要をもたらしている」と振り返った。もっとも「値上がりを抑制できるほど在庫が回復していない」ため、販売動向に影を差しているとの考えを示す。

――米8月住宅着工件数の一戸建てのうち75%が販売向けであるため、54.2万件が対象となる見通しです。米8月新築住宅販売件数の動向を踏まえると、とても十分とは言えず。こうした在庫ひっ迫が中古住宅にも悪影響を与えており、金利がせっかく低水準でも新規購入者を刺激できませんでした。9月は利上げ観測が台頭しただけに駆け込み需要を確認するのか、あるいはさらなる減速を示すのか試されます。

(カバー写真:Susan Smith/Flickr)

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