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8月の住宅指標、ハリケーンの影響受け軒並み住宅着工以外は軟調

by • September 27, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off399

Hurricane Harvey Pushes Down Housing Market Activity In August.

8月の住宅着工件数、新築住宅販売件数、中古住宅販売件数をおさらいしていきます。

米8月住宅着工件数は年率118.0万件と、市場予想の117.4万件を超えた。前月の119万件(115.5万件から上方修正)を0.8%下回り、3ヵ月ぶりに減少。前年比では1.4%増と、過去6ヵ月間で4回目の増加を示す。

内訳をみると、一戸建てが前月比1.6%増の85.1万件と増加に転じた一方で、複合住宅は6.5%減の32.9万件と2ヵ月連続で増加した。一戸建ての前年比は17.1%増と再び2桁増を記録したものの、複合住宅は24.7%減と5ヵ月連続で2桁減、6ヵ月連続のマイナスを示した。4大地域別では、1地域のみ増加し前月と変わらず。今回も西部のみ増加した。

米8月建設許可件数は130.0万件となり、市場予想の122万件を上回った。前月の123.0万件(修正値)を5.7%上回り、前月から増加に反転している。内訳をみると、一戸建てが1.5%減の80.0万件と4ヵ月ぶりの高水準だった前月から減少した。複合住宅は19.6%増の50.0万件と、こちらも増加に転じた。

米8月建設中件数は前月比1.3%増の108.2万件となった。前月から増加に転じ6ヵ月ぶりに2007年10月以来の水準を遂げた。一戸建てが2.2%増の47.2万件、複合住宅も0.7%増の61.0万件となりそろって増加に転じた。

住宅着工件数、リセッション前の平均値は遠い。

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(作成:My Big Apple NY)

――住宅着工件数の一戸建てのうち75%が住宅市場に流入すると試算されるため、63.8万件が販売向けとなる見通しです。住宅在庫の改善を促すだけに、新築住宅価格の上昇を阻止する要因として期待が膨らみます。

▽米8月新築住宅販売件数、ハリケーンの影響から年初来で最低

米8月新築住宅販売件数は年率56.0万件と、市場予想の58.5万件を下回った。2007年10月以降で2番目の高水準を遂げた前月の63.0万件(61.0万件から上方修正)から3.4%減少。2ヵ月連続で減少し、件数としては年初来の最低を更新した。

地域別では3地域で減少。住宅市場が最大であり、ハリケーン“ハービー”が直撃したテキサス州ヒューストンを含む南部が4.7%減の30.7万件と3ヵ月連続で減少した。西部は2.7%減の14.6万件と、2ヵ月連続でマイナス。北東部も2.6%減の3.8万件と、2ヵ月連続で減少した。中西部のみ横ばいの6.9万件となる。

在庫総数は前月比3.6%増の28.4万件となり、景気回復サイクルで最高を示した。販売件数が減少したものの在庫が増加を続けため、在庫相当は前月の5.7ヵ月から6.1ヵ月と2014年7月以来で最長となった。

中央価格は30.02万ドルと、前年比では0.4%上昇した。もっとも、前月比では6.2%下落している。なお、過去最高は2016年12月の33.27ドル。

新築住宅販売件数、価格の高止まりが打撃に。

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(作成:My Big Apple NY)

――新築住宅販売件数は、住宅着工件数でみた一戸建ての販売向け件数見通しの63.8万件以下でした。新築販売件数自体が減少したこともあり、在庫相当は約3年ぶりの水準まで大幅に延びています。ハリケーン復興需要に期待したいところですが中古と比較して割高な新築を望む被災者が多いとは考えにくい。被災地であるテキサス州ヒューストンの世帯所得中央値が5万3,889ドルと全米の4万6,187ドルを上回っているとはいえ、服飾や自動車など買い替える必需品も多いことでしょう。ハリケーン効果を背景とした新築販売件数の劇的な増加は、望めそうにありません。

▽米8月中古住宅販売件数、ハリケーンの余波から1年ぶりの低水準

全米リアルター協会(NAR)が発表した米8月中古住宅販売件数は年率535万件と、市場予想の545万件を下回った。前月の544万件から1.7%減少。3ヵ月連続での減少は2013年以来で、2016年8月以来の低水準となる。ハリケーン“ハービー”の影響で下押ししたこともあり、3月につけた2007年2月以来の高水準である570万件から頭打ちを再確認した。8月の販売件数は前年比では0.2%増となり、辛うじて2016年8月から続く上昇基調を保つ。

内訳をみると一戸建てが474万件と、前月の484万件を2.1%減少した。3ヵ月連続のマイナスとなる。複合住宅は1.7%増の61万件となり、3ヵ月ぶりに増加した。

4大地域別では、2ヵ月連続で2地域にて増加した。今回は北東部が10.8%増の72万件と3ヵ月ぶりに増加。中西部は2.4%増の128万件と、前月から増加に転じた。一方で、IT企業が集まる西部が4.8%減の120万件と、前月から減少に反転。住宅市場の規模が最大で石油生産地で知られる南部は5.7%減の215万件で、こちらも減少に転じた。

在庫件数は前月比2.1%減の188万件と、3ヵ月連続で減少した。前年比では27ヵ月連続で減少。ただし、1999年以来での最低を更新していた2016年12月は165万件を上回る水準を維持した、販売と在庫の減少率がほぼ変わらず、在庫相当は4ヵ月連続で4.2ヵ月だった。販売日数は前月と変わらず、30日。前年同月の36日から短縮した流れを保つ。

中央価格は前年比で5.6%上昇の25.35万ドル。前月の6.2%から伸びを縮めたとはいえ、雇用統計の平均時給の伸び率を大幅に上回る水準を保つ。中央価格の前月比では1.8%下落し、2ヵ月連続で落ち込んだ。なお6月は26.33万ドルで過去最高だった。

買い手の内訳は、以下の通り。
・差し押さえ物件 3%<前月は4%、前年同月は4%
・ショートセール(担保残債価額よりも安い価額で販売する住宅) 1%=前月は1%、前年同月は1%
・新規購入者 31%<前月は33%、前年同月は31%
・現金購入者 20%>前月は19%、前年同月は22%
・住居用ではなく投資向け 15%>前月は13%と年初来で最低、前年同期は13%

中古住宅販売件数、複合こそ改善も一戸建てが弱い。

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(作成:My Big Apple NY)

――中古住宅販売件数と新築住宅販売件数が減少した結果、住宅販売仲介業者に支払うコミッション料が減少する可能性が出てきました。さらに販売件数が新築と中古そろって落ち込んだだけでなく、新築では価格まで下落し一戸建て建設費用も弱まる公算が大きい。い一連の結果を受け、バークレイズは米7~9月期GDP予想値を従来の2.1%増から2.0%増へ下方修正してきました。地区連銀は新築住宅後に予測値を変更していませんが、アトランタ地区連銀は19日時点で2.2%増、NY地区連銀は1.7%増としており2%を超えてくれば御の字といったところでしょう。

(カバー写真:Lee Haywood/Flickr)

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