3683499814_ab125f362d_z

米8月新築住宅販売件数、2007年以来の高水準から減少

by • September 27, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1748

 

New Home Sales Fall From The Highest Since 2007.

米8月新築住宅販売件数は年率60.9万件と、市場予想の60.0万件を超えた。ただし2007年10月以来の高水準を遂げた前月の65.9万件(65.4万件から上方修正)を7.6%下回った。60万件の大台を維持したものの3ヵ月ぶりに減少し、減少率では2015年9月以来で最大となる。

4大地域別では、1地域のみ増加し前月の4地域から減少した。今回はIT産業が集まる西部のみ8.0%増(2ヵ月連続で増加)の16.2万件となる。他は北東部が34.3%減の2.3万件、最大の住宅市場を誇り石油生産地が集まる南部が12.3%減の34.3万件、中西部が2.4%減の8.1万件とそれぞれ減少に転じた。

在庫総数は23.5万件と、前月の23.1万件から1.7%下回り2ヵ月連続で減少している。もっとも販売件数の減少幅が在庫を上回ったため、在庫相当は前月の4.2ヵ月から4.6ヵ月へ延びた。

中央価格は28.40万ドルと前年比では5.4%下落し、2ヵ月連続で下落している。前月比では3.1%落ち込み、こちらも2ヵ月連続で下落。過去最高を記録した4月の32.13万ドルから遠ざかっている。

新築住宅販売件数、2007年10月以来の水準から減少。

newhome
(作成:My Big Apple NY)

――米8月新築住宅販売件数は、9月利上げ観測の再燃もあって米10年債利回りが上昇に転じ需要を押し下げたようです。価格が4月につけた過去最高から下落したにも関わらず、米7月雇用統計が20万台を維持したとはいえ、買い手に訴求できず。金利上昇が与えるダメージを確認した格好です。米8月中古住宅販売件数の減少は在庫縮小が背景と指摘が大勢ですが、米9月ミシガン大学消費者信頼感・速報値の購入見通しが軒並み下振れしたように金利上昇局面で支出意欲が減退したと考えられます。米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した米4~6月期家計資産報告では消費者のバランスシートは健全に見えるものの、金融危機の後遺症から金利上昇には神経質な様子が伺えますね。

▽米9月ダラス連銀製造業景況指数、下げ幅を縮小も分岐点割れ継続

米9月ダラス連銀製造業景況指数はマイナス3.7となり、市場予想のマイナス2.5より下げ幅を広げた。前月のマイナス6.2ほど悪化しなかったとはいえ、2015年1月以来、21ヵ月連続で分岐点割れを維持している。原油先物が40ドル台で安定推移するものの、石油生産地が集まるダラス連銀のセンチメントはなかなか分岐点を回復できずにいる。石油リグ稼働数の増加により、需給が再びだぶつく恐れを意識しているのか、注目される。なおダラス連銀製造業景況指数は1月、2009年4月以来で最低となる前月のマイナス34.6 まで沈んだ。

項目別では、まちまち。生産や稼働率が分岐点を維持しただけでなく2桁の上昇を記録した。雇用も分岐点を回復。一方で新規受注が分岐点割れへ戻し、在庫も下げ幅も拡大した。詳細は、以下の通り。

・生産 16.7、2014年9月以来の高水準で2ヵ月連続の分岐点乗せ>前月は4.5、6ヵ月平均は1.2
・稼働率 13.5、201年10月以来の高水準で2ヵ月連続の分岐点乗せ>前月は0.9、6ヵ月平均はマイナス0.4
・新規受注 マイナス3.0<前月は5.3と4ヵ月ぶりに分岐点を回復、6ヵ月平均はマイナス4.8

・出荷 20.1、2014年7月以来の高水準で3ヵ月連続の分岐点乗せ>前月は9.9、6ヵ月平均はマイナス2.9
・受注伸び率 マイナス5.8<前月は2.1、4ヵ月ぶりに分岐点を回復、6ヵ月平均はマイナス7.9
・設備投資 3.1>前月はマイナス5.7、6ヵ月平均はマイナス0.8
・在庫 マイナス7.7、3ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス3.8、6ヵ月平均はマイナス2.2

・雇用 2.3、9ヵ月ぶりに分岐点乗せ>前月はマイナス5.0、6ヵ月平均はマイナス4.5
・平均労働時間 3.7、9ヵ月ぶりに分岐点乗せ>前月はマイナス4.5、6ヵ月平均はマイナス4.4
・賃金 21.0、3ヵ月ぶりの高水準>前月は13.7、6ヵ月平均は17.6

・仕入れ価格 13.3<前月は14.1と直近で最高、6ヵ月平均は10.9
・販売価格 マイナス0.9、21ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス1.3、6ヵ月平均はマイナス4.9

6ヵ月見通しは9.3と、前月の7.0を上回った。もっとも、2015年7月以来の高水準を示した7月の18.4を下回ったままだ。項目別ではヘッドラインに反し生産や新規受注、雇用、賃金など主要項目で下振れが目立つ。仕入れ価格、在庫の上昇が上向きを牽引した格好だ。

(カバー写真:Jonathan Brown/Flickr)

Comments

comments

Pin It

Related Posts

Comments are closed.