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米8月中古住宅販売成約件数指数、在庫ひっ迫を背景に予想外の低下

by • September 30, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1539

Pending Home Sales Surprisingly Fall In August.

米8月中古住宅販売成約件数指数、米新規失業保険申請件数をおさらいしていきます。

米8月中古住宅販売成約件数指数は前月比2.4%低下の108.5となり、市場予想の±0%を下回った。前月の1.2%の上昇(1.3%から上方修正)に及ばず、過去6ヵ月間で3回目のマイナスとなる。季節調整前の前年比では逆に4.0%上昇し、市場予想の2.6%の上昇を超えた。前月の2.4%の低下(2.2%から下方修正)を上回り、3ヵ月ぶりにプラス圏を回復している。

4大地域別では、前月比で1地域のみ上昇し7月の3 地域から減少した。今回は北東部のみ1.3%上昇し、3ヵ月連続でプラスを示す。一方で、IT企業が集中する西部は5.7%低下、石油生産州も3.9%低下しそれぞれ前月から反落。中西部は0.9%低下し、2ヵ月連続でマイナスだった。

発表元である全米リアルター協会(NAR)のローレンス・ユン主席エコノミストは、結果を受け「在庫ひっ迫を背景に全米にわたって弱含み、上昇した北東部のみ買い手の選択肢が比較的豊富」と振り返る。在庫件数は前年比にて15ヵ月連続で細る上、冬季が近づくなか「季節的要因も重なって数ヵ月以内に在庫件数がさらに縮小し、価格が押し上げられ買い手にとってさらに状況が悪化しかねない」と結んだ。

なお中古住宅販売成約件数指数は、中古の一戸建ておよびコンドミニアムにおける契約が仮契約から最終契約にいたった件数を指数化したもので、中古住宅販売件数は引き渡しの件数を示す。従って、成約件数の約80%が1~2カ月後に中古住宅販売件数として組み込まれる。

▽米新規失業保険申請件数、4週平均は1973年以来の最低に並ぶ

米新規失業保険申請件数は9月24日週に25.4万件と、市場予想の26万件を下回った。7月16日週以来の低水準を示した前週の25.1万件(25.2万件から修正)に近い水準。労働省は特殊要因を指摘せず、30万件割れは82週連続で1973年以来の最長だという。4週平均は25万6000件と6週連続で減少、1973年以来で最低を示した4月23日週に並んだ。

9月17日週までの継続受給者数は206.2万人と、前週の210.8万人(修正値)を下回った。2000年6月30日週以来で最低を示す。被保険者に占める失業者の割合は前週に続き、過去最低の1.5%に並んだ。

新規失業保険申請件数と継続受給者数、そろって減少。

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(作成:My Big Apple NY)

9月17日週の州別動向は、以下の通り。

(増加が顕著だった州)
・カリフォルニア 3152人増(前週は4627人減)
・テキサス 1745人増(前週は2635人減)→建設、教育サービス、ヘルスケア/社会福祉、宿泊/外食が増加を牽引
・ニュージャージー 1665人→建設、製造業、ヘルスケア/社会福祉、宿泊/外食が増加を牽引
・ジョージア 1229人→建設、製造業、事務/廃棄処理が増加を牽引
・ミシガン 785人

(減少が顕著だった州)
・オクラホマ 626人減
・ウィスコンシン 404人減(前週は268人増)
・ウェストバージニア 222人減(前週は178人増)
・ケンタッキー 149人減
・ネバダ 99人減

――米新規失業保険申請件数は、労働市場の引き締まりを印象づける結果となりました。継続受給者数も2000年6月30日週以来で最低を記録しており、米9月雇用統計・非農業部門就労者数は8月から増加し、失業率が低下する余地を残します。9月30日時点でブルームバーグ予想は米9月雇用統計・NFPにつき17.5万人増と、小幅な改善を予想。ただ失業率は4.9%で維持していました、それでも、12月利上げが不可能な数字ではありません。

(カバー写真:Dan Moyle/Flickr)

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