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米9月新築住宅販売件数は予想以下、過去分も下方修正

by • October 28, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1730

New Home Sales Suggest Q4 Residential Investment Could Slow Again.

米9月新築住宅販売件数、米9月中古住宅販売成約件数指数、MBA住宅ローン申請件数指数をおさらいしていきます。

米9月新築住宅販売件数は年率59.3万件と、市場予想の60.0万件に届かなかった。前月の57.5万件(60.9万件から下方修正)を3.1%上回ったものの、2007年10月以来の高水準を遂げた7月の65.9万件で一旦のピークアウトを迎えている。

新築住宅販売件数、過去分の下方修正が痛手。

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(作成:My Big Apple NY)

4大地域別では、3地域で増加し前月の1地域から増えた。今回は北東部が33.3%増の3.2万件と前月分の減少を打ち消したほか、中西部が8.6%増の7.6万件、最大の住宅市場を誇り石油生産地が集まる南部は3.4%増の33.8万件だった。IT産業が集まる西部のみ4.5%減の14.7万件(2ヵ月連続で増加)の16.2万件となる。他は

在庫総数は23.5万件と、前月の23.1万件を0.4%下回り3ヵ月連続で減少している。在庫相当は販売件数が増加し在庫が減少したため、前月の4.9ヵ月から4.8ヵ月へ短縮した。

中央価格は31.35万ドルと前年比では1.9%上昇し、3ヵ月ぶりにプラスへ転じている。前月比では6.7%も急伸、こちらも3ヵ月連続ぶりに上昇した。過去最高を記録した6月の32.16万ドルを再び視野に入れた。

▽米9月中古住宅販売成約件数指数、予想上回るも前年比は鈍化

米8月中古住宅販売成約件数指数は前月比1.5%上昇の110.0となり、市場予想の1.0%を上回った。前月の2.5%の低下(2.4%の低下から下方修正)を超え、過去6ヵ月間で3回目のプラスとなる。季節調整前の前年比では2.0%上昇し、市場予想の4.0%の上昇を下回った。前月の3.9%の上昇(4.0%から下方修正)にも及ばなかったが、2ヵ月連続で上昇した。

4大地域別では、前月比で2地域上昇し8月の1 地域から増えた。IT企業が集中する西部が4.7%上昇、石油生産州を抱える南部も1.9%上昇しそれぞれ前月から反発した。一方で北東部は1.6%低下し、4ヵ月ぶりにマイナス。中西部は0.2%低下し、3ヵ月連続でマイナスだった。

発表元である全米リアルター協会(NAR)のローレンス・ユン主席エコノミストは、結果を受け「在庫ひっ迫で住宅価格が高止まりしているが、安定した雇用の増加や賃上げの証左は住宅購入を検討する家計には心強い」と評価した。

なお中古住宅販売成約件数指数は、中古の一戸建ておよびコンドミニアムにおける契約が仮契約から最終契約にいたった件数を指数化したもので、中古住宅販売件数は引き渡しの件数を示す。従って、成約件数の約80%が1~2カ月後に中古住宅販売件数として組み込まれる。

▽MBA住宅ローン申請件数指数、金利高止まりで新規が落ち込む

全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、10月21日週に前週比4.1%低下し492.0だった。前週の0.6%の上昇から下振れし、過去5週間で3回目のマイナスを示す。借換が2.3%低下し2122.5と3週連続で低下したほか、新規も6.9%上昇の207.8とマイナスに転じた。MBA住宅ローン申請件数指数の前年比は17.9%の上昇。期間中は年末の利上げ観測に加え、欧州中央銀行がQE拡大などを発表せず米金利は高止まりを続けた。

30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は、前週の3.73%から3.71%へ低下した。1年前の3.98%以下にとどまる。15年固定金利型(平均)は前週の3.03%から3.01%へ低下。FHAのローン金利は、前週の3.54%から3.56%へ上昇した

MBA住宅ローン申請件数指数、金利高止まりで新規・借換共に弱い

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(作成:My Big Apple NY)

申請全体に占める借換の割合(件数ベース)は62.7%と、前週の61.5%から上昇した。ただ、2009年6月以来の低水準を示した2015年7月3日週の48.0%から切り返した水準を維持。2013年5月以来の高水準となった2015年1月16日週の73.9%からは、大きく遠ざかったままだ。

――米9月新築住宅販売件数は予想に届かなかった上に過去分が下方修正され、米9月中古住宅販売件数に続き弱いシグナルを発しています。中古住宅販売成約件数は数ヵ月にわたり中古住宅の販売動向が底堅さを示唆するものの、JPモルガンによると7~9月期では前期比年率で7%低下する状況。住宅ローン申請件数指数も新規が心許なく、住宅投資が米10~12月期もマイナス寄与するリスクは否定できません。

(カバー写真:ben wiseley/Flickr)

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