Holiday Season Effect? Jobless Claims Surge To 6-Month High.
米新規失業保険申請件数、米11月景気先行指数をおさらいしていきます。
米新規失業保険申請件数は12月17日週に27.5万件と、市場予想の25.7万件を上回った。前週の25.4万件から急増し、6月11日週以来の水準へ膨らんでいる。労働省は特殊要因を指摘せず、30万件割れは94週連続と1970年以来で最長とのコメントを寄せた。ただし、ホリデー商戦の不振が影響し小売でのリストラがたたった可能性を示す。4週平均は26万3,750件と、前週の25万7,750件から増加し8月13日週以来の高水準だった。
州別ではウィスコンシン州をはじめオハイオ州、ミシガン州とラストベルトに属しGDPに占める製造業のシェアが高い州が目立つ。そのほかマサチューセッツ州、ニュージャージー州、ワシントン州が並んだ。
12月10日週までの継続受給者数は203.6万人と前週の202.1万人(修正値)を上回った。2000年以来の200万人割れを示した11月5日週の水準から遠ざかりつつある。被保険者に占める失業者の割合は5週連続で1.5%となり、過去最低をつけた11月5日週の1.4%を上回った水準を保った。
米新規失業保険申請件数、4週平均は増加したとはいえレンジ下限。
12月10日週の州別動向は、以下の通り。
(増加が顕著だった州)
・イリノイ 2,787人増
・フロリダ 566人増
・コロラド 487人増
(減少が顕著だった州)
・ニューヨーク 1万3,110人減(前週は1万5,066人増)
・ペンシルベニア 9,655人減(前週は1万1,873人増)
・テキサス 4,685人減(前週は9,317人増)
・ウィスコンシン 4,127人減
・ミネソタ 3,563人減
――米新規失業保険申請件数は大幅増加し、州別にみても製造業のシェアが高い州のほかITをはじめ先端産業で知られる州まで広がっています。ホリデー商戦の影響が意識されるほか、今後はピックアップトラックやスポーツ多目的車への人気の煽りでセダンや小型車が販売不振に陥りリストラを発表したGMの余波が及ぶ可能性も。センチメント指標は絶好調ですが、足元の実体経済を示す経済指標は2017年にかけ不穏な影を投げかけます。
▽米11月景気先行指数、3ヵ月ぶりにマイナス転落
米11月景気先行指数は前月比±0%低下の124.6となり、市場予想並びに前月の0.1%の上昇に届かなかった。上昇を2ヵ月で止めている。一致指数は0.1%上昇の114.6と、前月の0.2%の上昇を含め4ヵ月連続でプラス。遅行指数は0.3%上昇の123.2と、前月通りの伸びを示した。
発表元であるカンファレンス・ボードのエコノミスト、アタマン・オジルディリム氏は、結果を受け「産業と建設が押し上げたが、長短金利スワップや米新規失業保険申請件数、株価指数が押し下げた」と説明した。その上で「2017年も米経済は拡大を続ける見通しだが、加速する可能性は低い」と予想する。
――景気先行指数は、頭打ち感が否めません。1970年以降で景気後退は7回あり、景気先行指数がピークを打ってから平均で18ヵ月後にリセッション入りしてきたと言われますが、単純に当てはめて4月で頭打ちしたと仮定すれば、2017年12月頃に景気後退に陥ると可能性が出てきました。
(カバー写真:Bromford/Flickr)
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