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米1月ミシガン大学消費者信頼感・確報値、13年ぶりの高水準という快挙

by • January 30, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off1459

Michigan Consumer Sentiment Hits 13-Year High.

米1月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値、米12月耐久財受注をおさらいしていきます。

米1月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は98.5と、市場予想並びに速報値の98.1を上回った。前月の98.2を超え、2004年1月以来の高水準を達成している。内訳をみると、現況指数が111.3と2005年7月以来の水準へ上振れした速報値の112.5から下方修正され、前月の111.9にも届かず。ただし見通し指数は90.3と速報値の88.9から上方修正されただけでなく、前月の89.5も上回り2004年1月以来の高水準を遂げた。調査期間中はトランプ米大統領の就任式を挟み、ダウをはじめ再び過去最高値を更新する段階に入っていた。

原油先物が石油輸出国会合(OPEC)と非加盟国の間で減産合意を背景に2015年7月以来の53ドル乗せを達成した影響で、1年先インフレ見通しは前月の2.2%から速報値通り2.6%へ上昇した。5~10年先インフレ見通しも過去最低の前月の2.3%から速報値に2.5%へ戻しつつ、確報値では2.6%と11月の水準に並んだ。

ミシガン大学の主席エコノミスト、リチャード・カーティン氏は今回の結果を受け「トランプ新政権発足に合わせ家計見通しは約10年ぶりの高水準に達した」と振り返る。その上で「ついにFedは利上げペースを加速させる」と予想。2017年の個人消費見通しは前回2.5%増から引き上げ「2.7%増」としたが、今回は示していない。

ミシガン大学消費者信頼感、約13年ぶり高水準という快挙。

michigan
(作成:My Big Apple NY)

・1年先の家計見通し指数 130=速報値130、前月は131
向上する 41<速報値は42と直近で最高 前月は40
変わらず 46>速報値は44と直近で最低、前月は47
悪化する 11<速報値は12と直近で最高、前月は9

・所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数は80>速報値は77と6ヵ月ぶり低水準、前月は86
所得の伸びが物価を上回る 20>速報値は19と3ヵ月ぶり低水準に並ぶ、前月は23
所得の伸び率と物価が同じ 39、3ヵ月ぶりの高水準>速報値は38、前月は38
所得の伸びが物価を下回る 40<速報値は42と6ヵ月ぶり高水準に並ぶ、前月は37

・所得が1年先に拡大するとの回答
今回 53.0%、直近で最高>前月は50.4%

・1年先のビジネス見通し指数 125、直近で最高>速報値は123、前月は119
向上する 44、直近で最高>速報値は43、前月は31
変わらず 34<速報値は35、前月は33と直近で最低
悪化する 19<速報値は20、前月は23と7月以来の高水準に並ぶ

・米国は向こう1年先も良好な状況を継続する 121、直近で最高>速報値は117、前月は119
良好 53、直近で最高>速報値は51、前月は51
不透明 6>5と直近で最低、前月は7
困難 32、直近で最低に並ぶ<速報値は34、前月は32

・1年先の失業率見通し指数 111<速報値は112と直近で最高、前月は106(低下を見込む場合に上昇)
低下する 33、直近で最高=速報値は33、前月は28
変わらず 43、直近で最低<速報値は44、前月は48と直近で最低
上昇する 22>速報値は21と直近で最低、前月は22

・1年先の金利見通し指数 34、直近で最低=速報値は34、前月は40
低下する 8<速報値は9と直近で最高、前月は7
変わらず 17>速報値は15と直近で最低、前月は24
上昇する 74<速報値は75と直近で最高、前月は67

・1年先のガソリン価格 15>速報値は14.4、前月は13.2(値上がりを見込む場合に指数は上昇)
下落する 5<速報値は6、前月は6
変わらず 42>速報値は39と直近で最低、前月は46
上昇する 53<速報値は55と11月に並び直近で最高、前月は44

・自動車購入指数 147、6ヵ月ぶりの高水準>速報値は146、前月は137
買い時 71、6ヵ月ぶりの高水準>=速報値は71、前月は65
分からない 5>速報値は4と直近で最低、前月は7
買い時ではない 24、6ヵ月ぶりの低水準<速報値は25、前月は28

・住宅購入指数 156、5ヵ月ぶりの高水準>速報値は155、前月は148
買い時 77、直近で最高=速報値は77、前月は73
分からない 2>速報値は1と直近で最低に並ぶ、前月は2
買い時ではない 22<前月は25

・主要機器 165<速報値は168と直近で最高、前月は164
買い時 80<速報値は82と直近で最高、前月は79
分からない 5>速報値は4と直近で最低、前月は5
買い時ではない 15>速報値は14と直近で最低、前月は15

――米1月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は、以下の興味深い点が浮き彫りとなりました。

1)所得が1年先に拡大するとの回答や1年先のビジネス見通し指数、米国は向こう1年先も良好な状況を継続するが過去最高、そのほか所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数が上昇
2)1年先のガソリン価格は下落を予想、1年先見通しも上昇を見込まず
3)購入見通しは上昇が優勢、金利上昇一服を好感し自動車と住宅が上昇した一方で主要機器は低下

――トランプ政権発足後、環太平洋パートナーシップ(TPP)離脱などに踏み切るなど行動に移す大統領というイメージを打ち出しセンチメントは上昇トレンドを維持しています。直近ではイスラム教7ヵ国からの入国禁止やメキシコの壁建設など物議を醸す米大統領令を続々と発令してきましたが、米株動向を見るとウォール街は保護主義の傾倒を懸念していない様子。今後は本丸となるインフラ投資や税制改革、規制緩和といったトランプノミクスに絡む共和党との交渉で、トランプ政権の真価が問われそうです。

▽米12月耐久財受注、民間航空機以外は堅調

米12月耐久財受注は前月比0.4%減となり、市場予想の2.5%増を下回った。前月の4.8%減(4.5%減から下方修正)を含め、2ヵ月連続でマイナスとなる。輸送用機器が2.2%減となり前月の14.7%減を含め、2ヵ月連続で落ち込んだ。民間航空機が大幅に減少したため、自動車も上昇した分を打ち消した。防衛財は33.4%減と前月の29.3%増と過去4ヵ月間で3回目の減少を示す。

・民間航空機 42.4%減<前月は80.4%増、6ヵ月平均は35.3%増
・自動車 2.0%増>前月は1.3%増、6ヵ月平均は0.6%増

輸送用機器を除く場合は0.5%増となり、市場予想に並んだ。前月の1.0%増(0.6%増から上方修正)には届かなかったものの、4ヵ月連続で増加した。

コア資本財(企業の設備投資を示す航空機を除いた非防衛財)は0.8%増と、市場予想の0.2%増を超えた。前月の1.5%増(0.9%増から上方修正)に続き、3ヵ月連続で増加を示す。

(増加項目)
・コンピューター/電子機器 2.4%増>前月は0.9%増、6ヵ月平均は0.7%増
・電気機器 0.6%増<前月は1.8%増、6ヵ月平均は0.9%増
・機械 0.4%増<前月は2.0%増、6ヵ月平均は0.7%増

(減少項目)
・一次金属 0.9%減<前月は0.6%増、6ヵ月平均は0.6%増
・組み立て金属 0.8%減<前月は0.6%増、6ヵ月平均は0.6%増

耐久財出荷は前月比1.4%増となり、前月の0.3%増(修正値)を含め2ヵ月連続で増加した。過去6ヵ月間で3回目の増加となる。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財は1.0%増となり、市場予想の0.5%増を上回った。前月の0.6%増(0.2%増から上方修正)を超え、過去6ヵ月間で4回目の増加を示す。

コア資本財、前年比では減少を継続も輸送を除いた耐久財受注だけでなくコア資本財もプラスに。

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(作成:My Big Apple NY)

耐久財在庫は±0%となり、前月の0.2%増を下回った。在庫が減少し出荷の増加したため、在庫相当は前月の1.64ヵ月から1.61ヵ月へ短縮した。

――米10~12月期GDP速報値はヘッドラインこそ予想以下でしたが、民間投資の改善を示し特に機器投資は5期ぶりの増加に転じていました。改定値での引き上げが期待される一方、在庫の伸びを抑える可能性を示し、大幅な上方修正には至りそうもありません。

(カバー写真:darkday/Flickr)

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