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NY連銀、フィラデルフィア連銀ともに2月製造業景況指数は急伸

by • February 18, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off1614

Empire And Philly Hit Fresh High, While Industrial Production Falls.

2月のNY連銀製造業景況指数と、フィラデルフィア連銀製造業景況指数、米1月鉱工業生産をおさらいしていきます。

米2月NY連銀製造業景況指数(エンパイア)は18.7 となり、市場予想の7 並びに前月の6.5から急伸した。2014年9月以来の高水準を達成している。項目別では、新規受注が出荷が2014年9月以来の高水準を遂げたほか、雇用が分岐点を回復するなど軒並み好調だった。詳細は、以下の通り。

・新規受注 13.5、4ヵ月連続で分岐点乗せし2014年9月以来の高水準>前月は3.1、6ヵ月平均は4.7
・出荷 18.2、5ヵ月連続で分岐点に乗せ2014年以来の高水準>前月は7.3、6ヵ月平均は6.2
・在庫 3.1、2ヵ月連続で分岐点乗せ>前月は2.5、6ヵ月平均はマイナス9.5

・雇用 2.0、8ヵ月ぶりに分岐点乗せ>前月はマイナス1.7、6ヵ月平均はマイナス7.0
・平均労働時間 4.1、6ヵ月ぶりに分岐点乗せ>前月はマイナス4.2、6ヵ月平均はマイナス6.7

・仕入れ価格 37.8、2012年5月以来の高水準>前月は36.1、6ヵ月平均は25.3
・販売価格 19.4、8ヵ月連続で分岐点に乗せ2012年4月以来で最高>前月は17.6>前月は3.5、6ヵ月平均は8.3

・入荷時間 7.1、7ヵ月ぶりに分岐点乗せ>前月はマイナス2.5、6ヵ月平均はマイナス4.4
・受注残 8.2、10ヵ月ぶりに分岐点>前月はマイナス1.7、6ヵ月平均はマイナス6.4

6ヵ月先見通し指数は41.7と、2ヵ月連続で2011年5月以来の高水準だった前月の49.7を下回った

▽米2月フィリー、新政権発足後に1973年以来の水準へ急伸

米2月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(フィリー)は43.3となり、市場予想の18を大幅に上回った。前月の23.6(改定値)を超え、1973年4月以来の高水準を遂げている。内訳をみると、新政権への政策期待のほか50ドル台での安定推移を続ける原油価格に支えられ新規受注に加えて雇用、在庫などが大幅に上昇し、かつ明るい見通しへシフトしている。詳細は、以下の通り。

・新規受注 38、1983年11月以来の高水準>前月は26、6ヵ月平均は19.5
・出荷 28.6、2011年3月以来の高水準>前月は20.5、6ヵ月平均は17.4
・在庫 マイナス4.7、4ヵ月ぶりに分岐点割れ<前月は12.2、6ヵ月平均はマイナス2.4

・雇用 11.1、3ヵ月連続で分岐点乗せ<前月は12.8、2015年4月以来の高水準、6ヵ月平均は2.4
・週当たり平均労働時間 13.6、2010年12月以来の高水準>前月は6.8、6ヵ月平均は3.4

・受注残 10.7、2011年3月以来の高水準=前月は10.7、6ヵ月平均は3.3
・入荷時間 4.1、4ヵ月連続で分岐点乗せ<前月は5.4、6ヵ月平均は1.9

・仕入れ価格 29.9、12ヵ月連続で分岐点に乗せ<前月は32.5、 2012年2月以来の高水準、6月平均は24.6
・販売価格 10.6>前月は26.8と2008年7月以来の高水準、6ヵ月平均は11.6

6ヵ月先見通し指数は53.5となり、2003年9月以来の高水準を達成した前月の56.6を下回った。新規受注や出荷、雇用、平均労働時間などがそろって低下した。

エンパイア、フィリーとも大幅に上昇。
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(作成:My Big Apple NY)

▽米1月鉱工業生産、前月から低下も前月に上振れした暖房需要の反動

米1月鉱工業生産指数は前月比0.3%低下し、市場予想の±0%を下回った。前月の0.6%の上昇から反転し、4ヵ月ぶりの低水準。過去6ヵ月間で4回目の低下を示す。稼働率は75.3%と市場予想の75.4%並びに前月の74.6%以下に終わった。リセッション前の80%に距離を残した。

内訳をみると、製造業(全体の78.5%)が2ヵ月連続で上昇、米1月新車販売台数が2005年7月以来の水準へ加速した前月から減速し自動車が弱かったものの、その他が相殺した。自動車を除いた製造業は0.5%の上昇となる。一方で公益(全体の10.8%)は寒波が到来で上振れした前月の反動で低下した。鉱業(全体の10.8%)は原油価格が2015年7月以来の水準へ回復するなか、上昇に転じた。

・製造業 0.2%の上昇=前月は0.2%の上昇、6ヵ月平均は0.1%の上昇
自動車 2.9%の低下<前月は1.5%の上昇、6ヵ月平均は0.2%の低下
機械 0.9%の上昇<前月は1.0%の上昇、6ヵ月平均は0.3%の低下
コンピューター/電気製品 0.7%の上昇>前月は0.5%の低下、6ヵ月平均は0.7%の上昇

・公益 5.7%の低下<前月は5.1%の上昇、6ヵ月平均は2.8%の上昇
電力 5.4%の低下<前月は4.0%の上昇、6ヵ月平均は3.0%の上昇
天然ガス 8.0%の低下<前月は16.4%の上昇、6ヵ月平均は1.2%の低下

・鉱業 2.8%の上昇>前月は1.4%の低下、6ヵ月平均は0.7%の上昇

――フィリーやエンパイアは大きく上振れした一方で、米12月鉱工業生産は弱い数字に終わりました。ただ暖房需要を反映した公益が前月の上振れの反動で落ち込んだ程度で、製造業は底堅さをみせます。気掛かりは自動車で、販売がこのまま鈍化していけば鉱工業生産を下押ししかねません。

(カバー写真:Ben Alman/Flickr)

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