Existing Home Sales Hit Highest Since 2017 Again.
全米リアルター協会(NAR)が発表した米1月中古住宅販売件数は年率569 万件と、市場予想の555万件を上回った。前月比で3.3%増となり、2007年2月以来の高水準を達成している。前年比では5.6%増と、3ヵ月ぶりの高水準だった前月の6.0%増を含め6ヵ月連続でプラスだった。
内訳をみると一戸建てが前月比2.6%減の504.0万件と、2007年2月以来の500万件乗せを達成した。複合住宅は8.3%増の65.0万件と2007年5月以来の高水準だった2016年11月に次ぐ力強さを示す。
4大地域別では、1地域を除き全て増加し前月と真逆の結果となった。IT企業が集まる西部は6.6%増の129万件と3ヵ月ぶりに増加、住宅規模が最も大きい南部も3.6%増の231万件と前月から増加に転じ、それぞれ景気回復サイクルで最高を更新している。北東部は5.3%増の80万件と、増加に反転した。中西部のみ1.5%減の129万件と、2ヵ月連続で減少した。
在庫件数は前月比2.4%増の169万件と、4ヵ月ぶりに増加に転じた。前月は165万件と、1999年以来での最低を更新していた。中古住宅での需給ひっ迫の厳しさを表した格好だ。在庫の増加率が販売件数より大きく、在庫相当は前月と変わらず3.6ヵ月だった。中央価格は前年比で4.0%上昇の23.89万ドル。前月比では1.9%下落し、過去6ヵ月間で5回目のマイナスを示す。売り出し平均期間は50日と前月の52日より延びたが、1年前の64日は下回る。
買い手の内訳は、以下の通り。
・差し押さえ物件 5%=前月は5%、前年同月は9%
・ショートセール(担保残債価額よりも安い価額で販売する住宅) 2%=前月は2%、前年同月は2%
・差し押さえとショートセールを合わせた不良債権物件 7%=前月は7%、前年同月は9%
・新規購入者 33%>前月は32%、前年同月は32%
・現金での購入者 23%>前月は21%と直近で最低、前年同月は26%
・住居用ではなく投資向け 15%=前月は15%、前年同期は17%
中古住宅販売件数、一戸建てが販売増加の立役者。
発表元のNARのローレンス・ユン米エコノミストは、今回の結果を受け「雇用改善や年末に上振れした消費者のセンチメントが住宅購入に向かわせた」と振り返る。足元で在庫逼迫に伴い住宅価格は前年比で上昇を続けるほか「過去の水準からみて在庫は非常に低く値ごろ感が後退中で逆風が吹き付ける」ものの、幸先の良いスタートを切ったと評価した。
――米1月中古住宅販売件数を因数分解すると、今回は新規購入者や現金購入者が上昇していました。住宅価格が前月比で下落し、販売増加を促したのでしょう。中古住宅販売件数は引き渡しの段階でカウントされる遅行指標であるため、今後は金利上昇の影響が及ぶと考えられます。
(カバー写真Kendyl Young/Flickr)
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