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米1月耐久財受注、民間航空機と防衛財を除くと減少しQ1GDPの下方修正要因に

by • February 28, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off1672

Durable Goods Orders Rebound, Buoyed By Aircraft And Defense.

米1月耐久財受注と米1月中古住宅販売成約件数指数をおさらいしていきます。

米1月耐久財受注は前月比1.8%増となり、市場予想の1.6%増を上回った。前月の0.8%減(0.5%減から下方修正)から転じ、3ヵ月ぶりに増加している。輸送用機器が6.0%増となり前月の4.4%減を超え、3ヵ月ぶりにプラス圏を回復。民間航空機が増加を続けたほか、自動車も小幅ながら増加をたどった。防衛財は8.0%増と、前月の32.8%減から小幅回復した。

・民間航空機 69.9%増>前月は9.3%増、6ヵ月平均は16.6%増
・自動車 0.2%増<前月は1.8%増、6ヵ月平均は0.7%増

輸送用機器を除く場合は0.2%減となり、市場予想の0.5%増に届かなかった。前月の0.9%増(0.5%増から上方修正)を下回り、5ヵ月ぶりに減少している。

コア資本財(企業の設備投資を示す航空機を除いた非防衛財)は0.4%減と、市場予想の0.5%増を下回った。前月の1.1%増(0.7%増から上方修正)から転じ、4ヵ月ぶりに減少した。

(増加項目)
・組み立て金属 1.9%増>前月は0.7%減、6ヵ月平均は0.7%増
・機械 0.5%増<前月は1.7%増、6ヵ月平均は1.0%増

(減少項目)
・コンピューター/電子機器 1.6%減<前月は3.2%増、6ヵ月平均は0.2%増
・一次金属 1.6%減<前月は0.8%減、6ヵ月平均は0.5%増
・電気機器 2.2%減<前月は0.5%増、6ヵ月平均は0.2%減

耐久財出荷は前月比0.1%減となり、前月の1.6%増(修正値)から転じ3ヵ月ぶりに減少した。過去6ヵ月間で2回目の減少となる。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財は0.6%減となり、市場予想の0.2%増を下回った。前月の1.6%増(1.0%増から上方修正)より弱く、過去6ヵ月間で2回目の減少を示す。

輸送を除いた耐久財受注とコア資本財受注が2ヵ月連続でプラスに。

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(作成:My Big Apple NY)

耐久財在庫は±0%となり、前月の0.1%減から転じた。在庫が横ばいで出荷も小幅減となり、在庫相当は前月と変わらず1.61ヵ月だった。

アトランタ地区連銀は、米1月耐久財受注までの米経済指標を受けて米Ⅰ~3月期GDP予測値を「2.5%増」で据え置いたバークレイズは、従来の「1.9%増→1.8%増」へ下方修正。コア資本財が受注と出荷で減少したほか、在庫が横ばいにとどまったことを理由に挙げる。

▽米Ⅰ月中古住宅販売成約件数指数、予想外に下振れ

米1月中古住宅販売成約件数指数は前月比2.8%低下の106.4となり、市場予想の0.6%の上昇に届かなかった。前月の0.8%の上昇から転じ、過去6ヵ月間で3回目のマイナスとなる。季節調整前の前年比では2.7%上昇し、前月の2.0%の低下を打ち消した。

4大地域別では、前月比にて2地域で上昇し前月と変わらず。IT産業を抱える西部が10.3%低下し全体の重石となったほか、中西部は5.2%低下と3ヵ月連続でマイナスを示した。一方で住宅市場規模が最も大きい南部は0.5%上昇し、2ヵ月連増でプラス。北東部は2.2%上昇し、前月部の低下を相殺した。

発表元である全米リアルター協会(NAR)のローレンス・ユン主席エコノミストは、結果を受け「金利上昇のほか、在庫不足と値ごろ感の低下などが障害となった」と指摘する。今回の低下は買い手の意欲が低下したわけではなく、複数の大都市では「買い手の客足は売り手より多く1ヵ月以内に購入者が決まってしまう」状況。特に1月は「中古住宅価格の上昇率が賃上げ率の2倍以上に及んでいたため、買い控えを招いた」と分析した。

なお中古住宅販売成約件数指数は、中古の一戸建ておよびコンドミニアムにおける契約が仮契約から最終契約にいたった件数を指数化したもので、中古住宅販売件数は引き渡しの件数を示す。従って、成約件数の約80%が1~2カ月後に中古住宅販売件数として組み込まれる。

(カバー写真:Ekkasit Chaingam/Flickr)

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