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米3月ミシガン大信頼感・速報値、高水準維持もインフレ見通し低下

by • March 21, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off1076

Consumer Sentiment Bounces Back While Inflation Outlook Falls.

米3月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は97.6と、市場予想の97.0や前月の96.3を上回った。ただし2004年1月以来の高水準を達成した1月の98.5には届いていない。内訳をみると、現況指数が114.5と市場予想の111.0並びに前月の111.5を超え、2000年10月以来の高水準を達成し全体を牽引している。逆に見通し指数は86.7と市場予想の87.1に及ばず。前月の86.5を超えたが、2004年1月以来の高水準を遂げた1月の90.3から低下したままだ。

原油先物が50ドルを割り込む過程で、1年先インフレ見通しは2.4%と前月の2.7%を下回った。5~10年先インフレ見通しは2.2%で、前月の2.5%以下にとどまり過去最低を更新した。

ミシガン大学の主席エコノミスト、リチャード・カーティン氏は今回の結果を受け前回に続き「党派によって見通しが分かれている」と説く。例えば民主党支持者の見通し指数は「55.3と景気後退が間近に迫った水準」である半面、共和党支持者の間では「122.4と好景気の訪れを予想させる」と指摘。今後の消費動向はこうした意見の不一致を現わし、「まだら模様になる」と結んだ。なお前回は2017年の個人消費見通しを「2.7%増」とし、2016年12月時点での予想を維持したが、今回は示していない。

ミシガン大学消費者信頼感、現況指数が伸びを牽引。

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(作成:My Big Apple NY)

・1年先の家計見通し指数 125>前月は123と直近で最低
向上する 36>前月は35、直近で最低
変わらず 48=前月は48
悪化する 11<前月は12、直近で最高

・所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数は91、直近で最高>前月は86
所得の伸びが物価を上回る 24=前月は24
所得の伸び率と物価が同じ 43、直近で最高>前月は36
所得の伸びが物価を下回る 33<前月は38

・所得が1年先に拡大するとの回答
今回 48.9%、4ヵ月ぶりの50%割れ<前月は51.4%

・1年先のビジネス見通し指数 114>前月は113
向上する 41=前月は41
変わらず 30>前月は28
悪化する 27<前月は28

・米国は向こう1年先も良好な状況を継続する 117>前月は112
良好 53>前月は49
不透明 5<前月は6
困難 36<前月は37

・1年先の失業率見通し指数 115、直近で最高>前月は109>速報値は108(低下を見込む場合に上昇)
低下する 38、直近で最高>前月は35
変わらず 37、直近で最低<前月は38
上昇する 23<前月は26

・1年先の金利見通し指数 31、直近で最低<前月は35
低下する 6=前月は6
変わらず 20<前月は22
上昇する 74>前月は71

・1年先のガソリン価格 11.5、直近で最低<前月は15.1(値上がりを見込む場合に指数は上昇)
下落する 6=前月は6
変わらず 53、直近で最高>前月は41
上昇する 42、直近で最低<前月は53

・自動車購入指数 151、直近で最高>前月は145
買い時 73、直近で最高>前月は70
分からない 5=前月は5
買い時ではない 22、直近で最低>前月は25

・住宅購入指数 151=前月は151
買い時 74<前月は75
分からない 3>前月は1
買い時ではない 23<前月は24

・主要機器 163>前月は161
買い時 78>前月は77、4ヵ月ぶり低水準
分からない 7=前月は7
買い時ではない 15<前月は16

――米3月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値のポイントは、以下の通りです。

1)1年先の家計見通し指数、所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数、米国は向こう1年先も良好な状況を継続、1年先のビジネス見通し指数、1年先の失業率見通し指数などそろって上昇
2)所得が1年先に拡大するとの回答は低下
3)購入見通しは自動車と主要機器が上昇、住宅は横ばい。
4)インフレ見通しは低下、ガソリン価格は下落を予想し1年先の金利見通し指数は低下を見込む

2月末の議会演説が利いたのか、株高が楽観度を煽ったのかセンチメントは引き続き力強い。原油価格が50ドル台を割り込んだためガソリン価格が下落したこともあって、「自動車が買い時」との回答が増えており米4~6月期成長率の上向きが期待されます。米連邦公開市場委員会(FOMC)が3月利上げに踏み切っただけありますね。金利上昇も足元で一服し、春の訪れとともに個人消費が花開くのでしょうか。

(カバー写真:Elysiumcore/Flickr)

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