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米2月中古住宅販売成約件数指数、前月の反動や季節調整で上振れか

by • March 30, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off1172

Pending Home Sales Jump, Seasonal Adjustment Could Push Up.

米2月中古住宅販売成約件数指数は前月比5.5%上昇の112.3となり、市場予想の2.5%を超え2010年10月以来の高い伸びを果たした。前月の2.8%の低下から転じ、過去6ヵ月間で4回目のプラスとなる。季節調整前の前年比では2.4%低下し、前月の2.7%の上昇から転じ足元で2回目のマイナスを示す。

4大地域別では、前月比にて全て上昇し1月の2地域から増えた。中西部が11.3%上昇し4ヵ月ぶりにプラスに転じている。住宅市場規模が最も大きい南部は5.3%上昇し、3ヵ月連続でプラス。IT産業を抱える西部は2.9%上昇、北東部は3.4%と2ヵ月連続で上昇した。

発表元である全米リアルター協会(NAR)のローレンス・ユン主席エコノミストは、結果を受け「季節的に売り出し物件が増加し、契約増加を促した」と指摘する。また「株高のほか、安定的な雇用、金利先高観も住宅購入の背中を押した」という。

なお中古住宅販売成約件数指数は、中古の一戸建ておよびコンドミニアムにおける契約が仮契約から最終契約にいたった件数を指数化したもので、中古住宅販売件数は引き渡しの件数を示す。従って、成約件数の約80%が1~2カ月後に中古住宅販売件数として組み込まれる。

――今回の上振れは、平均気温を4~5度上回る暖冬に恵まれた影響による季節調整マジックが現れた可能性がくすぶります。また、中西部が3ヵ月連続で低下した後の反動で2桁の上昇をみせたこともあり、今回の結果が一時的にとどまる可能性は否定できないでしょう。

▽MBA住宅ローン申請件数指数、金利低下も2週連続で低下

全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、3月24日週に前週比0.8%低下し403.6となった。2週連続で低下し、過去5週間で2回目のマイナスを示す。借換が2.9%低下の1327.1と押し下げ、新規が1.2%上昇の238.1と反発した分を打ち消した。住宅ローン申請件数指数は前年比では11.4%の低下となり、前週を含めマイナス基調を維持している。

30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は前週の4.33%と前週の4.46%から低下し3週ぶりの低水準となる。もっとも、前年同期の3.94%を上回ったままだ。15年固定金利型(平均)は3.57%と、前週の3.68%から低下。FHAのローン金利は4.24%と、こちらも前週の4.33%を上回った。

MBA住宅ローン申請件数指数、前年比ではマイナスが続く状況。

mba

(作成:My Big Apple NY)

申請全体に占める借換の割合(件数ベース)は44.0%と、前週の45.1%から低下した。2009年6月以来の低水準である2015年7月3日週の48.0%から切り返した水準を維持。ただし2013年5月以来の高水準となった2015年1月16日週の73.9%からは、大きく遠ざかったままだ。

――MBA住宅ローン申請件数指数は金利低下を背景に新規が持ち直したものの、借り換えが2週連続で低下し回復できず。医療保険制度改革(オバマケア)撤廃・新制度移行の頓挫が影響したわけではないでしょうが、来週に金利低下の恩恵を受けるのか注目です。

(カバー写真Ethan/Flickr)

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