Energy And Foods Push Import Price Index Down In March.
米3月輸入物価指数、MBA住宅ローン申請件数指数、米3月財政収支をおさらいしていきます。
米3月輸入物価指数は前月比0.2%低下し、市場予想に並んだ。前月の0.4%の上昇(0.2%から上方修正)から反転し、過去5ヵ月間で2回目のマイナスを示す。原油先物がしばらく50ドル割れで推移したため、エネルギーが3.6%低下し全体を押し下げた。食品・飲料も0.7%低下している。燃料と食品を除く輸入物価指数は0.3%上昇し、3ヵ月連続でプラスを示した。項目別では産業財のほか消費財が低下したが、資本財が支えた。以下は項目別動向。
・エネルギー 3.6%の低下、4ヵ月ぶりのマイナス<前月は1.3%の上昇
・食品/飲料 0.7%の低下、過去4ヵ月間で3回目のマイナス<前月は1.0%の上昇
・資本財 0.1%の上昇、2ヵ月連続で上昇<前月は0.2%の上昇
・自動車 ±0%、過去5ヵ月間で3回目の横ばいでうち2回はマイナス=前月は±0%
・消費財 0.2%の低下、3ヵ月ぶりのマイナス=前月は0.3%の上昇
・産業財 0.6%の低下、5ヵ月ぶりのマイナス<前月は1.1%の上昇
輸入物価は前年比で4.2%上昇し、市場予想の4.0%を下回った。前月の4.8%の上昇(4.6%から上方修正)を含め5ヵ月連続でプラスに。前月は原油価格が100ドル前後で推移していた2012年2月以来で最大となった。
▽MBA住宅ローン申請件数指数、金利低下を支え4週ぶりに上昇
全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、4月7日週に前週比1.5%上昇し402.9となった。4週ぶりに上昇し、過去5週間で2回目のプラスを示す。新規が2.6%上昇の386.9と3週続伸し、全体に寄与。借換は±0%の1272.3となり、低下の流れを3週で止めている。住宅ローン申請件数指数は前年比では20.7%の低下を示し、4週連続で含めマイナス基調を維持している。
30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は前週の4.28%と前週の4.34%から低下し3週直近で最低を更新した。もっとも、前年同期の3.82%を上回ったままだ。15年固定金利型(平均)は3.57%と、前週の3.68%から低下。FHAのローン金利は4.24%と、こちらも前週の4.33%を上回った。
MBA住宅ローン申請件数指数、4週平均では低水準を維持。
申請全体に占める借換の割合(件数ベース)は41.6%と、前週の42.6%から低下した。2009年6月以来の低水準である2015年7月3日週の48.0%から切り返した水準を維持。ただし2013年5月以来の高水準となった2015年1月16日週の73.9%からは、大きく遠ざかったままだ。
▽米3月財政赤字、カレンダー要因で大幅増加も年度初来でも拡大
米3月財政収支は1,762.32億ドルの赤字となり、市場予想の1,690億ドル字より拡大した。前年同月の1080.43億ドルの赤字からは、月末が金曜日とカレンダー要因を背景に63.1%増加。歳入が4.9%減の2,165.84 億ドルだった一方、歳出は16.9%増の3,928.16億ドルとなり赤字拡大につながった。
2017年度(2016年10月~2017年9月)の年度初来の財政赤字は、前年同期比14.7%増の5,268.55億ドルだった。ただし、米議会予算局(CBO)の予想値である2070億ドルの赤字を超えた。CBOが2106年8月に発表した2017年度の財政赤字予想は、5940億ドルとなる。
2016年度の財政赤字は9%減の5,268.55億ドルと、2013年以来で最大を記録した。前年比ででは、2009年度以来の増加を示す。過去12ヵ月間のGDP比では3.6%と過去40年平均の3.1%を上回り、2015年度のGDP比2.6%からも上昇した。2016年度は2015年12月に企業向け優遇税制法案が通過したほか、2015年11月に合意した2017年度までの予算案で強制削減を上回る支出を承認。裁量支出も2016年度に500億ドル、2017年度に300億ドル増額することを盛り込んだため、赤字が拡大した。
(カバー写真Rico S/Flickr)
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